千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

トルコEU加盟への遠い橋

2005-11-10 23:33:41 | Nonsense
トルコの欧州連合(EU)加盟交渉が始まった。1987年欧州共同体(EC)に加盟を申請して依頼、20年に及ぶ悲願である。
人口7000万、中東最大の国トルコの、カリスマ的人気を誇るエルドアン首相は、この国家の繁栄をかけた交渉のために、すべての政策をコントールしているが、その道のりは困難である。予備審査の段階で、人権関係だけでも死刑廃止を含めて、14の国内法を改正する必要があった。ところが、ここへきて加盟への大きな壁としてたちはだかったのが、1915年当時のオスマントルコが、東部に居住していたアルメニア人を約150万人もの大量虐殺を行ったとする歴史である。

これに対するトルコ政府の公式見解では、伝染病と飢餓で数万人程度のアルメニア人が亡くなったが、”トルコ人による虐殺はなかった”としている。どちらが正しい事実なのか。2001年フランスのシラク大統領は、アルメニア人の主張を受けとめ、トルコ人による虐殺を歴史的事実として認める法律を公布。続いて、ロシア、ベルギー、イタリアなどの10数カ国が公式に認知。米国では、1990年に上院で4月24日を「アルメニア人大量虐殺を記憶する日」とする法案を通過させる。(但し、その後大統領の拒否により公式認定はされていない。)昨年、サンフランシスコの裁判所では、虐殺されたアルメニア人の遺族に対して、合計2000万ドルに及ぶ保険金を支払うよう保険会社に命ずる判決がおりた。つまり先進国では、論議されない日本を除いて、事実無根と非難するトルコよりも、論調はアルメニアよりなのである。

トルコの否定にも関わらず、長期にわたる虐殺の歴史を記憶し知らしめたのは、九州よりも小さな地域に居住している390万人のアルメニア人だけでなく、それ以上の民族が世界中に流浪の果てにいついた地域で絆を結び、音楽界のカラヤンのように専門性の高い職業、政治の分野で成功して影響力をもった実績にもよる。それは人口に比率して、驚異的な数である。そして彼らは、多くの肉親や友人を虐殺によって失われた記憶を数世代に渡って継承し続け、ネットワークを世界中に広めて”認知”させたのである。

トルコの安い人件費と豊富な労働力の魅力から、トヨタ自動車をはじめとして、日本企業も多く進出して親密関係にある。しかもEU加盟が実現すれば、対輸出関税の平均14%の関税が撤廃されることを考えると、この地は生産拠点として好ましい。それらを視野に入れて、昨年5月9日トルコと日本の共同事業である、全長13.7kmのボスポラス海峡横断鉄道トンネルの竣工式が催された。
「トルコ人の19世紀以来の夢がここに実る時がきた。この海峡トンネルは、我が国にとって重要なだけでなく、世紀のプロジェクト」と万感をこめて、エルドアン首相は語った。

ヨーロッパとトルコを結ぶ架け橋となるべく、ボスポラス・トンネルの開通は09年の予定である。しかし、両国と民族が事実を見つめ、謝罪によって過去の歴史を清算して、和解という架け橋を結ぶ日がやってくるには、その道のりは難しく遠いであろう。

トルコのEU加盟に関するG&A

経団連次期会長、御手洗氏内定の事情

2005-11-09 23:33:26 | Nonsense
経団連会長に御手洗氏内定 キヤノン再生の立役者 「日本式」生かす国際派 (産経新聞) - goo ニュース

雅なお公家さまのような風貌の現日本経団連の奥田硯会長が、日本経済の重責を担う次期舵取り役に指名したのは、中小企業のまん丸おっさん風、キャノン社長の御手洗冨士夫(現経団連副会長)であった。三井系名門企業を中心に会長を選出してきた日本経団連で、鉄鋼、電力、重電の御三家でもなく、自動車、化学でもなかったIT業界からの抜擢は、かなり驚きの人事であろう。

御手洗冨士夫氏は、23年間の米国勤務時代の経験を活かし、好調時にリストラを敢行、浮いた人材や資金を成長分野の複写機やプリンター、デジタルカメラの開発に集中させ、連結純利益でハイテク業界で首位、製造業分野でも4位という世界的な高収益企業へと育て上げた。経営統治手法は「和洋折衷型」で米国流トップダウンと、日本的な合意も尊重する。その経験を見込まれ、奥田氏に口説かれて経団連に入ったのが3年前。このラーメン好きでフットワークの軽くよくしゃべるという風聞の御手洗氏の名前が、次期会長候補の穴馬として急浮上したのが、昨年奥田氏の「政治への影響力を行使する」として、経団連の政治献金の再開と時を同じくする。

土光敏光氏が政治の金権化を憂い、献金の中止を宣言したから紆余曲折をへて、1994年から政治献金は凍結していた。かってのひも付き献金や、自民党の政治資金団体にである国民政治協会一本に、経団連から割り振られた金額を銀行口座に振り込むだけだった方式とは全く異なり、新型献金の特徴は政策評価という正当に対する査定に基づき献金するという、”成果主義”をシビアに導入したことにある。ひと言で言えば、評価が高ければ増額、低ければ先細り。しかも献金先候補は野党にも拡がった。

今後会員企業は、経団連からの提示されたガイドラインを遵守し、献金総額に政策評価を反映させることになる。税制、社会保障、規制、行政改革など10項目の優先政策事項と各政党の政策との合致度、政策実現への取り組み、実績を経団連が評価する。その効果は、公正取引委員会の権限強化や課徴金の大幅引き上げをするはずの独占禁止法の改正が、一気に消滅したほどてきめんだった。
「政策をカネで買うわけではない」と強調する奥田経団連会長ではあるが、すでに自民党は腰砕けである。甘いものには、弱いのだ。

勿論、奥田氏のトヨタ自動車は、総額20億から30億をめざして献金を出す。財界本流と言われる東芝に敬意を表して消極的だった日立だが、庄山悦彦氏をトップに押し上げるために献金へ取り組む。そこへキャノンが、昨年から献金を開始したところに、献金を材料にポストねらいかという声がささやかれ始めた。
世界感覚をもち合理的な経営者の奥田氏が、後任人事の選定にこの献金の額も要素に入れるという”成果主義”を導入したとは思わないが、昨年末から御手洗氏へ諸々の伝授をしていた姿は目撃されていたことから、政治献金を含む理念の後継者へのバトンタッチの準備は万端だったのだろう。

こうして財界の地図は大きな変革を迎え、政治へ影響力を与える。庶民とは、所詮無縁な話ではあるが。


「将棋の子」瀬川晶司さんプロ編入

2005-11-07 22:38:40 | Nonsense
瀬川さんプロ編入

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念願がかない「瀬川晶司プロ」が誕生した。将棋のアマ強豪瀬川晶司さん(35)のプロ編入試験6番勝負第5局、対高野秀行五段戦が6日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われ、瀬川さんが通算3勝の合格条件をクリア。サラリーマンからプロ棋士への転身を成し遂げた。61年ぶりの快挙で、戦後では初めて。フリークラス「新四段」の資格が付与されプロの仲間入りをした。
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瀬川さんは、14歳でプロ棋士をめざして養成機関である「奨励会」に入会。26歳の時に、年齢制限の壁を破れずに三段で退会を余儀なくされた。奨励会では、現在のところ23才までに初段・26才までに四段という規制を設けている。この所謂年齢制限を設けているのは、この枠がなくていくつになってもなかなかプロになれない者が出現した場合のことを考え、本人の将来のためにやり直しができる年齢のうちに、別の道へすすませるための配慮である。実際瀬川さんも、退会した後は大学に進学して、NECの関連会社に就職した。
また、将棋連盟でもプロ棋士の棋譜をスポンサーに売って、そのお金を棋士たちの給料や組織の運営費に充てているという事情から、プロの棋士の一定の人数制限を設けて、プロとしての資質というバーをクリアーできないものは去っていくようにしている。

しかし「奨励会」というところは、現代でもまれな特殊な世界である。中学生ぐらいの年齢から、多くは親元を離れ、師事する棋士の自宅に下宿して、家事を手伝いながら、24時間将棋のことを考える生活を送るのである。奨励会に在籍している間は、一般的な学生生活を楽しむこともなく、高校へ進学しないで将棋を勉強する者も多い。厳しい勝負の世界にもまれて、破れてプロになれないという残酷な現実がくる日まで、他の生き方の選択肢はない。彼らはみな、同世代の少年や青年たちのような仲間と群れ集い、恋愛をして快楽と遊びで楽しく暮らす生活を知らない。すべてを将棋に捧げて、青春のすべてをかけて、わきめもふらずに日々邁進しているのが奨励会の会員なのだ。
その残酷で厳しく過酷なレースと、ほんの一手でプロに及ばす前途を断たれ、将棋以外の世間もろくに知らず、学歴も身につける暇もなく、人との付き合い方もよくわからずに、社会に放逐されてしまった棋士の卵たち。その後彼らはどんな人生を歩んだか。元「将棋」の編集長だった大崎善生氏の著書「将棋の子」は、世に流行る”勝ち組”や”マネーゲーム”という言葉のカルさと薄さとは反対に、おおいなる挫折をしたにも関わらず、彼らのしたたかで生きるたくましさ、世間を知らなかったために逆に保たれた純粋な精神のつよさ、そして最後まで将棋と関わり続けるその後の人生を語っている。それは圧倒されるような人生である。胸がふるえるような生き方である。
そしてなによりも彼らは将棋に翻弄され、将棋に斬られ、けれどもやはり将棋に育てられた、まさに”将棋の子”なのである。そんな彼らを見つめる著者のまなざしにも、そっと寄り添いたくなるようなノンフィクションである。

瀬川さんの今回の快挙を、作家の大崎善生さんはどのような感想をもたれたのか、是非聞いたみたいところである。

「アメリカSEX革命」  CBSレポートより

2005-11-06 23:17:38 | Nonsense
金曜日、深夜のCBSレポートは、毎回アメリカの様々な顔を見せてくれる。
数年前テレビのニュース番組で、エンブレムのついたブレザーにチェックのスカートという、典型的な一昔前の名門校の制服を着た女子高校生が、「結婚するまで、処女を守るの」と笑顔でこたえていた。ナチュラルな長い金髪と可愛い笑顔が、育ちのよさをただよわせて好ましくうつるものの、ブッシュ政権の保守回帰が、こうした未成年の思想にまで侵蝕しているという印象ももった。そうした保守回帰が、選挙戦での共和党ブッシュ大統領支持とからみあったキリスト教右派の、お金と宗教のからんだからくりである事実の一端を報道していたのが、先週のCBSの「アメリカSEX革命」。(レポーターはPlege記者)

米国では、1980年代半ばから、性病やエイズ感染症の予防から、ティーンエイジャーに性交渉の時は、避妊具(コンドーム)を使用するように指導をしていた。ところが、ブッシュ政権発足5年前から、政府はコンドームの使用に否定的な立場をとるようになった。その中心的な役割を担っているのが、「シルバーリング・シング」というキリスト教右派の宗教団体が主宰する純潔教育プログラムである。連邦政府と州政府は、数年間で100万$以上の資金をこの団体に提出して、奨励している。

ジョニー・パッティング神父は、1996年から「SEXは夫婦がするもの。シルバーの指輪をはめることによって、純潔を守ることを誓おう」と禁欲の美徳を説き、純潔を提唱している。ティーンエイジャーたちを集めて、Tシャツ姿でダンスや歌をおりまぜながら、3時間半もかけて説得すると、75%の参加者が、最終的に指輪をはめて「純潔の誓い」をたてる。指輪という常に肌身離さず身につけるアクセサリー、周囲の注目も集めいかにも高校生の関心をひきそうなデザインのアクセサリーを利用したのも効果をあげているのだろう。

このような純潔プログラムを奨めようと、連邦政府は1億6700万$の予算を計上。但し、この助成金の支給をえた団体は、コンドームの効果を訴えることはできない。マイナス面だけを強調するように義務づけられている。「シルバーリング・シング」でも、「コンドームを使っても、妊娠、性感染症、エイズは防げない。大人は君たちを騙している。コンドームは、病気はもちろん、精神も守ってくれない。安全だと思うのは誤りである。」と、会場にきたこどもたちにひとつの固定観念をすりこんでいく。
神父は、「30年の歳月と54億ドルの国家予算をつぎこんだ、”セイフティ・SEX”という教えが、アメリカのみならず他の国にどのような影響を与えたのか。」と、自らの活動への信念は揺るぎない。

しかし、こうした純潔教育の一貫であるコンドームを否定する教えに異議を唱えるのが、コロンビア大学のピーター・ビヤマン教授だ。彼は4700万ドルを投資し、2万人以上の若者の性行動と健康の調査プロジェクトを実施した。こうした純潔教育の効果として、初体験が18ヶ月遅れるメリットはあるものの、結局88%の若者が誓いを破り、初体験でのコンドームの使用比率が30%低く、後々影響を与えていると批判する。なにしろ、彼等は避妊具の使い方も、買い方も知らないのである。そして誓いをたてた者ほど、アナルSEXなどのリスクの高い性行動に走りがちであるという。周辺行為や、オーラルSEXは、性行為の範囲にはいらないという言い訳がつくからだ。

大統領補佐官担当、クロード・アレック氏は、政府が純潔教育を推奨する理由として、「性感染症や妊娠を完全に防ぐには、禁欲しかない」と断言する。その結果、1980年代では、純潔教育はわずか2%の学校でしか実施されていなかったが、現在では1/3の800万人の生徒が受講する。ジュージア州ユニオングローブ高校では、連邦政府から400万$の助成金をえて、「最善の選択」という純潔教育のプログラムを行っている。婚前交渉による精神的被害について、罪悪感から自己嫌悪に陥り、鬱病になると説明し、ここでもコンドームを使用の失敗例を強調し、生徒のコンドームの使い方の質問には答えない。何故ならば、郡の指導方針で、コンドームは正しく使えば安全で効果があることを教えるのが、禁じられているからだ。

コンドームは、現在のところ女性にとって最も安全で有効な避妊具だと思う。にも関わらず、それを禁じることは避妊そのもの、妊娠中絶さえも禁じる肉体の主権が誰にあるのかという疑問をもたざるをえないキリスト教右派の力を感じる。そこに見えるのは、力とお金にものをいわせて国すらも動かす宗教の圧政である。それは最高裁判事の選択にまで及び、結局ブッシュ大統領もキリスト教右派の束縛から逃れることができない。米国は建国の歴史も浅く、人種のサラダボールである多様性から、宗教という精神的なつながりにすがる姿というのもわからなくもないが、正しい情報を与えられずに、一方的な思想だけを植え付けられたこどもたちの行方に影を落とす懸念を禁じえない。確かに性モラルの低下には、問題がある。けれども源氏物語だけでなく、ロミオとジュリエットが出会ってベッドをともにしたのは、16歳と14歳だった。近代では、生物として生殖に適した年齢と、結婚年齢が乖離しているところに、そもそも押し付けられた純潔教育には無理がある。

連邦最高裁判所では、宗教団体の布教活動を支持するために、税金を使うことは違法だと判断している。ホワイト・ハウスでは、宗教意外の別な活動を行えば問題ない、信仰とは直接関係ないメッセージが別に設けている場があれば、助成金を与えても違法でないとしている。この法解釈が妥当か否かは、現在法廷で審議中である。
純潔プログラムを煙幕に、参加するこどもたちを利用して、自分たちの宗教や文化をおしつけるキリスト教右派。非科学的でおしつけがましい彼等の教えを聞きたくないと思う私は、不遜だろうか。

Gacktライブ「DIABOLOS~哀婉の詩~」

2005-11-05 22:12:27 | Gackt
声を大にして言いたい!心底惚れている男に会うという行為は、若さと美貌を保つ秘訣。
けれども、その対象が「Gackt」だと誤解に基づく微妙な空気と視線が流れていくのが予測つくので、強気で実はのだめの千秋さまに近い”俺さま”タイプな者としては、不本意ながら沈黙をしている。(さすがにここまで攻撃範囲が広いとは想像つくまいと、内心ほくそえんでいたりもするのだが。)
昨夜の東京国際フォーラムでのGacktとの音楽”せっかち”は、彼のいつもの意向により詳細は語れないのだが、Gackt未体験の方を対象にささやかに鑑賞記を起こしてみた。

Gacktといえば、テレビで見かけるぼーっとした、サングラス、化粧、過剰なほどアクセサリーを身につけ、悪趣味なスーツの笑わないきわものタレント、珍種の異星人という印象が強いだろう。それに実際、鍛えたしなやかな体を自慢げに披露するタレント性をも有している。昨年のエステのCFで黒谷友香さんとの共演は、まるでいかがわしいビデオの男性俳優を彷彿させるという評判もあった。(そうなのか、あのテのビデオの出演者はそんなにきれいなのだろうか?)それも彼の素顔である。そんな彼のもうひとつの本当の姿、芸能人に終生興味をもつことはありえないと、自他ともに思っていた私を落としたGacktを堪能できるのが、本人曰く命がけと豪語するライブである。

Gacktには、いくつもの顔があるのと同じように、その声には不思議な多彩さに満ちている。レンブラントの絵画を彷彿させる映像とともに、ライブの冒頭の曲(秘密)で、見事なファルセットで独特の妖艶な空間に一気に観客を誘っていく。はじめてこの曲をCDで聴いた時は、まるで天女の羽衣のような甘さとやわらかさ、清らかさに驚いた。変声期を過ぎた成人男性の声とは思えない美しさなのだから。通常、専門的な訓練を受けていないミュージシャンのファルセットは、やせて弱々しく艶がないであろうに、この日のGacktの声も、ライブ中盤の疲れもみせずに、どこまでものびやかで豊かな声量と艶のある色に、天上の声のような神々しい雰囲気さえ漂う。さすがである。人工的な顔だち、きれいなカラダ、異端者の言動になにかと話題が集中するが、やはりGacktの最大の魅力は、その声であろう。
今回のツアーでは音域の広い曲がなかったのが残念であるが、今の音楽シーンで主流である男声の高音域とは違った、低音の声がGacktの武器もである。悪魔と天使が混在する声、というのが音楽好きからはじまったGacktファンの定説である。

ライブ終了後、よく気を失うというのもあながち誇張とも思えない。今回のこのような最多のツアーは、Gacktの体にとっては非常に過酷ともいえる。文字どおり命をけずりながら、ライブを続けているのだろう。テレビでお面を被って演奏するあるバンドは、歌を歌うのにきれいな顔は不要と断言している。それとは反対なコンセプトで、一瞬一瞬どの瞬間をきりとっても完璧に近い絵をつくりあげるのがGackt流儀。そして最後の最後まで声が衰えず、決して気をぬかず全力疾走するこの武士(もののふ)がどんな世界観を描いているのか、その先まで一緒にいってみたいと願うのも、いちファンとしての自負である。

「本当に俺を待っていたのか~、うそくさいっ!だったら何故、みんなそんなに厚着なんだ。本当に待っていたなら、少なくとも下着をはいているはずがな~い。(中略)
今日はTフロントをはいている!本当は下着はつけたくないのだが、こんな動きをするから仕方がない。(ここでギターを持ちながら、腰をふる)だって下着をつけないとまるで古(フル)時計のように・・・」以下略。いつものマグナムと自称している”持ち物”自慢になるのだが・・。

淑女のブログでは、文字に起こせないトークが炸裂すのもご愛嬌。きれる頭脳を周知させながら、ここであえて、いやそれも本来の姿なのだが、あいかわらずおばかで、やんちゃだなと思わせるのも女心をつかむポイント。
クールにみせて、実は寂しがりやで涙もろいこの男が女性にもてるには、いろいろなわけがあるのだ。
世の男性諸君、女の子にもてたかったら、Gackt研究をせよ。

東京モーターショー 大蛇が走る日

2005-11-03 22:30:48 | Nonsense
Gacktさんが運転したいと言っていた「大蛇」を見てきた。異端の貴公子。流れるラインが独創的で、常識の範疇がはずれる美しさをひめたこの車は、運転手を選ぶ。白馬に乗った正統派王子というよりも、やはり異端審問にかけられるような青年がふさわしい。”奇行士”としてもその行動が常識の範疇からはずれるGacktさんには、実にこの車が似合う。運転するときの服装は、いつもの豹柄できめていただきたい。

さて、この搭載エンジン3300CC、トランスミッション5ATのスーパーカー「大蛇」は、来年いよいよ走るそうだが、開発と形式認証に関しては、トヨタ自動車の協力をえるという。そのトヨタ自動車の高級車レクサスは、展示スペースも広くとって力を入れているが、わんさかと見学者が群がっていたことに、単に高級車というだけでない注目度が感じられる。正直な感想としては、値段のわりにはライバルの外車と比較してデザイン性には劣る。そこはやはり尾張名古屋が発祥の地だから。けれどもレクサスには、技術的に車の進化していく方向性を予感させるトヨタの、優れた知性と哲学を感じさせる。

東京国際自動車会議から最優秀経営者向けの「アテーナ賞」を受賞したカルロス・ゴーン氏は、環境問題にはあまり関心がないようだ。記者会見の席上で、ハイブリッド車はニッチと断定している。技術家あがりでなく、経営学を学んで成功したカルロス氏の役割は、車の未来よりも現実の数字を見ることだった。しかし、車の進化を考えるうえで、安全性とともに環境問題をはずすことはできない。大丈夫だろうか、日産。
確かにハイブリッドは、FCV(燃料電池)に移行するための一時的なつなぎ技術という認識があったが、FCV開発が予想以上にコストがかかることから、現実的な市場への導入は15年先まで見送られた。ホンダは、シビックに搭載しているハイブリッドエンジンを展示している。米国では、ガゾリン価格高騰もあって、プリウスが爆発的に売れているではないか。

さらに安全性でいえば、トヨタはクラウンマジェスタにVDIM(ビーグル・ダイナミックス・インテグレーテッド・マネジメント)システムを導入している。このシステムは走行安全の統合システムともいえるドライバーの目のかわりをするレーダーとカメラを備えて、危険の認知と判断まで行う。さらに衝突が不可避と(運転手でなく)車が判断した場合は、衝突のダメージを軽減するためのブレーキを自動的にかける。この分野では、トヨタはダイムラー・クライスラーとともに世界のトップを走る。
対するホンダは、レジェンドに世界で初めて前後の車輪間だけでなく左右後輪の駆動力を自在に変化させるシステム、SH-AWD(スーパー・ハンドリング・オール・ドライブ)機構を採用している。通常のアクセルとブレーキだけで悪天候にもスリップやスピンを防ぐシステムだ。

このような環境と安全を視野に入れた開発は、自動車を従来の機械部品(1台につき3万品)の総合というよりも、エレクトロニクス・通信や化学の占めるウエイトが高まってくる。日立製作所では、車の鍵のかわりに指の静脈認証システムを研究している。セキュリティ度は、瞳の光彩認識よりも劣るが、指紋よりもガードが固い。車は、単純な工業製品から、知能を備えた複合体に変身しつつある。カーナビを搭載したら、その便利さとともに渋滞の回避や情報収集への更なる期待も高まる。もしかしたら難しい駐車も車が運転手に代わってやってくれるかもしれない。その車は、ハンドルも不要かもしれない。実際Gacktさんの愛車には、エンジンキーも、ドライバーもみあたらない。そしておうちゃくものの私に代わって、居眠りしても目的地まで連れて行ってくれる自動運転車も不可能ではないかもしれない。技術の進化とともに、ドライバーの走る魅力と上手におりあいながら、安全で快適な未来の車の走る姿を「大蛇」に重ねて、そんなことも考えた東京モーターショーだった。

村上ファンドの陰の役者たち

2005-11-02 22:15:18 | Nonsense
おりにふれ、日本の経済史を知るにつれ、しみじみと感じることは、魑魅魍魎が跋扈する経済界もまるで芸能界のように浮き沈みの激しい世界であるということだ。そして今最もその潮流にのっている絶好調の売れっ子新人役者御三家といえば、村上世彰、三木谷浩史、堀江貴史であろう。(敬称略、順不同)
キャラクターと愛嬌のある顔でホリエモンを一番おもしろいと思っていたが、通産省在籍時代に官僚制批判の論文執筆や、日本が社会主義政権になる小説を書いて一時南アフリカ大使館に飛ばされた村上氏も、その役者ぶりはなかなかのものである。けれども、最もその実態が見えないのが村上、つまり村上ファンドであるが、今月号の「選択」に意外と知られていなかったその内情を知った。独善的なカリスマ仕事師と思える彼を陰から支える3人マネージャがついているのだ。

■滝沢健也(副社長 パートナー)・・・村上氏の番犬であり仕掛け人

東大法学部卒で村上氏の同級生。在学時は法律の条文を一読で覚える博覧強記、仏語も堪能でその優秀さで目立つ存在だった。卒業後、警察庁に進み、後にボストン・コンサルティングを経て、米国大使館の政治顧問に就任。情報交換のパイプ役という表の顔だけでなく、日米両政府が出し合っている公認スパイというポストを務める。記憶に新しい東京スタイルでのプロキシーファイト(委任状獲得競争)に発展する以前から、滝沢氏は個人で株を保有して、株主総会にも潜入していた。小学生から株式投資をはじめて、大学時代では億単位のカネの運用までしていた(その運用益で広尾ガーデンヒルズを購入)村上氏を、トップにたたせることを仕掛けたという観測。

■丸木強(副社長 パートナー)・・・株取引のプロ

東大法学部卒、同じく同級生。野村證券入社。資本市場部次長。株式売買のすべてを取り仕切っている。大量保有報告書の運用ルールを熟知している。そのおかげでニッポン放送株をまだ保有しているかのように演じ、その裏で高値で売り抜け巨額な売買益をえた。投資顧問業者は、10%以上保有している銘柄は、通常の5%ルールと同じく5営業日以内に大量保有報告書の変更報告書を提出する義務があるのだが、月末時点で10%未満なら特例が適用される。さらに村上ファンドは、運用会社との間で複雑な株の貸借を実施して「特例の適用除外逃れ」を敢行。実に悪賢くて優秀なのだ。

■池田龍哉(総務部長)・・・マスコミ戦略家

大学は違えども、旅先で村上氏と出会って意気投合。日経BP社などで営業マンをしていた。ファンド運用会社の45%は、アプティ君と宮内義彦氏のオリックスが保有しているが、筆頭株主は、有限会社オフィスサポートが48%を保有している。村上氏の個人資産管理会社であるが。代表を務めるくらい信頼は最もあつい。今後も、アクティビスト・ファンド(もの申すファンド)をめざすのであれば、その性格からいって情報戦をしかける広報担当者の仕事はやりがいのある仕事ともいえる。

すべてこの4人は、大学時代からの信頼と友情でつながった関係である。ともすればマネーゲームと揶揄と怨嗟をあびる敵対的買収を宣言する村上氏ではあるが、その意欲を「国のため」「日本のため」となにかと大口をたたく。しかし、その手法にわずかないかがわしさを感じなくもないが、頭がキレルのは当り前だが予想外に単純な性格と見受けられるこの主役、けっこう本気なのかもしれないと思いはじめている。今や村上ファンドの運用資産4000億円のうち、8割が米国の年金、学校法人の基金、中東のオイルマネーといった海外の資金である。かっての憂国の士は、着実に海外から注目されるジャパン・ファンドの獅子となっている。その舞い方に、益々目が離せない。やっぱりなかなかの役者ぶりなのだ。

「のだめカンタビーレ」は歌う♪-変態の森へようこそ

2005-11-01 23:36:20 | Classic

というわけで、いよいよ佳境に入り、13巻読了。
漫画家の二ノ宮和子さんの絵がいまひとつさえないためだろうか、少々のものたりなさを感じなくもないが、オトナ(一応自負している)のクラシックファンも満足できるのだめと千秋たちのひとりの音楽家としても、ひとりの人間としても育っていくおもしろさは抜群である。またギャク炸裂の作者のセンスには敬服する次第である。

ここまで読んで、前回は気がつかなかったのだめの魅力もあらたに発見。
コンセヴァトールに通うずっと年下の同級生リュカに頼まれて、ノエルの日に教会で行われるキリスト降誕劇でロバの役を引き受けたときも、黒木君を押しのけて”前脚”になりたがったのだめ・・・、恥じらいを美徳とする日本女性の優雅さには欠けている。けれども、人が自分をどう思うかという意識にとらわれて狭いわくに入りがちな日本的な器に入りきらない彼女は、音楽家としての道をすすめるなら天衣無縫な長所ともとらえられる。(一般的な日本の企業では、ただの変人になるだけであるが。)

そしてのだめの演奏を初めて聴いた黒木君は、あの端整な千秋が彼女(変態)に惚れる理由も理解していく。天才は天才を知る。彼女の演奏を聴くと、音楽家としての血がさわぎよい刺激を受けるために、自分も成長できるからだ。以前、romoniさまがのだめを、アルゲリッチのタイプと評したことに納得する。romaniさまは、おそらくのだめのピアニストとしてのタイプをおっしゃたのであろうが、キャラクター的にもかなり近いものを感じるのである。マルタ・アルゲリッチは、中村紘子さんのご自宅を訪ねた時、挨拶もそこそこに椅子に座るやいなや、バッグから爪きりを取り出して爪を切りはじめたそうだ。確かにピアニストやヴァオリニストは爪きりを常備しているが、よそのご自宅でおみ足の爪まで切るピアニストは、この方しかいない。中村紘子さんはさぞかし驚いたのだろうが、そこを決して悪くは言わないのが上品なピアニストとしての矜持であろう。

そしてのだめと千秋の関係も、アルゲリッチとかっての夫、シャルル・デュトワ氏をも連想する。シャルル・デュトワ氏の旺盛な浮気によってすぐに離婚されたそうであるが、この高名でスマートな指揮者と世界的に人気ピアニストの音楽で結ばれた関係は、まさに漫画の中のふたりの関係に近いのではなかろうか。あまり服装や髪型にかまわないアルゲリッチも、部屋の整理整頓は苦手そうだ。また千秋が、常任指揮者として赴任する二流のマルレ・オケ。さすがにヤリテのマネージャのエリーゼらしい選択だ。非常によいタイミングで、このオケとの仕事を入れたと思う。デュトワが、モントリオール・オケを世界的なオケに育てた手腕を、千秋にも期待したい。
14巻の発売が待ち遠しい。

ところで、こんなサイトを見つけたのだ。
のだめカンタビーレのあなたのキャラクター占い

早速チャレンジした結果が↓*******************************

あなたは【千秋さま】タイプです。

天性の才能に、たゆまない努力と向上心を持ち合わせているあなた。
ときに悩みながらも着実に前進していこうとするあなたは、『のだめカンタービレ』のキャラでいうならば【オレさま・千秋さま】がぴったりです。
生まれ持った才能に、さらなる努力を重ねていけば、確実にあなたの頭上に太陽が輝く日がくるでしょう。
自己中心的な面があり、クールですが、なぜか圧倒的なカリスマ的人気を得やすい魅力の持ち主です。
自分の常識で理解しがたい相手を身のまわりに置いておくことで、さらなる壁をぶち破ることができるでしょう。

キャラ紹介:千秋真一
ピアニスト・千秋雅之の息子にして、音楽界の若き貴公子(笑)
バイオリンとピアノの腕もプロ級でありながら、敬愛するヴィエラ先生をめざして指揮者になる夢を日々精進中。
オレさまで自己中にも関わらず、圧倒的な人気を誇るが、のだめにはなぜか振りまわされっぱなし。
飛行機&船舶恐怖症だったが、のだめの催眠術によって飛行機のほうは克服。いざ、世界へはばたかん!
そして変態の森へようこそ?

天賦の才能  100%
野心  45%
勤勉努力度  5%
天然ボケ度  66%

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確かに変態の森には、行きたいと回答したのだが・・・。