千の天使がバスケットボールする

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『浮気な家族』

2005-08-14 22:46:17 | Movie
韓国で動物学者アルフレッド・キンゼイ先生が、「キンゼイ・レポート」を発表したら、はたしてどういう結果がでるのだろうか。
儒教の国、男尊女卑がまだ残っているお隣韓国。韓国映画で清楚でけなげな女性を見て共感するところも多かった。けれどもこの国も徐々に欧米化しているらしい。
結婚した数年たった主人公のホジュン(ウン・ホジョン)は、近頃欲求不満。何故ならば、新進弁護士の夫ヨンジュク(ジュ・ヨンジャク)との夫婦生活がつまらないのである。夫のオツトメが、妙に儀礼的できもちがこもっていない。。。
    ・・・というわけでこの映画は、、、  なのだ。

仕立ての良い法廷にふさわしいダーク・スーツ、それとセンスよくおしゃれなシャツとネクタイが、この弁護士である夫の矛盾を語っている。朝鮮戦争の犠牲者のために奔走する仕事を精力的にこなす一方、私生活でも元モデルとの情事も精力的にこなす。そんな”充実した”生活だが、チャーミングな恋人の妊娠をきっかけに、益々きもちは彼女に傾斜していく。出張と嘘をつき、恋人と一晩過ごした翌日、危うく酔っ払ったスクーターをはねてしまいそうになる。妻の方は、全裸で体操をする自分をのぞいていた隣家の問題児である高校生と山登りにでかけている。

それぞれがそれぞれに、危うい快楽とゲームに興じているが、そんな夫婦の気持ちをつなげているのが養子である小さなスイン。そしてガンに倒れた父親の存在だ。ホジュンも妻として、夫も満足できるくらいに義父の介護をするが、臨終のときを迎える。その葬儀の夜、60歳を超えた母親が告白する。爆弾発言だ。
「実は恋人がいる。15年ぶりのSEXをして、はじめてエクスタシーを感じた。」
仰天する息子となんとなく理解する嫁。
父親が病に苦しんでのたうちまわっていた時も、母親はおしゃれをして恋人の爺さんとの情事にふけっていたのだ。→

喜劇か悲劇か。
夫婦の受けた天罰は、あまりにも大きかった。物語は最後まで、夫の自己中心的な欺瞞を暴いていく。それが哀れさよりも滑稽にみえるのが、この映画においては救済だ。ウン・ホジョンは「オアシス」で重度脳性麻痺の女性を演じて、その演技力の評価は高い。この映画では、主婦業のかわたらダンス教室の講師を勤めるという役柄から、奔放な場面が多い。大胆な”からみ”でも扇情的でないのは、少々おばさんぽさを醸しているからだろうか。だって1947年生まれの母親役のホン・ビョンハンの下着姿とベッドシーンの衝撃に負けているかもしれない。。

韓国でも女性は強くてたくましい、そう実感する映画だ。そして女は怖い。
老いて尚盛んな母がいう。「女の人生はおっぱいと同じ。だんだんしぼんでくるの。でも私は、今の私が一番好き」
ふふふ・・だから男性諸君への、キンゼイ警告レポート映画ともいえよう。
監督・脚本:イム・サンス

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