千の天使がバスケットボールする

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『B型の彼氏』

2006-09-18 00:05:31 | Movie
科学の発達が人類に啓蒙を与えてとしても、いつまでたっても非科学的な○○占いや神秘的な現象にひかれる者は多い。かく言う私は、週刊「AERA」で「B型女は嫁にくるな」と一蹴されたりっぱなB型女である。(もっとも血液型占いは信じないが)
それではルックス抜群(あえてイケ面とはいわない)のイ・ドンゴンを主役にして究極のB型男との恋愛を描いたA型女の悲喜劇、韓国映画「B型の彼氏」ではどんな世間の誤解と真実を描かれているのだろうか。

映画の冒頭、ヨンビンはお金を賭けたバスケットの試合でシュートの多かった自分が一番多く分け前をとる。成果主義を貫く合理性だ。
その後、駐車違反にならないよう車の中に待たせた彼女を、その場で置き去りにする冷酷さと自己中心的なふるまい。
そして、運命の出会いを信じる乙女チックな血液型がA型の女子大生のハミと偶然出会ったことからお互いに惹かれて交際をはじめることになるのだが、あまりにも自分勝手なヨンビンに振り回されるハミ(ハン・ジヘ)にとって受難の日々が始まる。恋をするにも、気力が消耗するような顛末だ。

何しろヨンビンは、デート中の映画でもつまらなかったら彼女に断りなく退出してしまう。ある日突然電話してデートに誘ったり、彼女の気をひくために窓の下で甘い甘い恋の歌を歌う始末。またある時は、大学の構内まで両手いっぱいの花束を抱えてやってくる。このB型男に罪はない。あまりにも無邪気だから。悪気はないのだよ。おまけに単純だし。ところが、散々ヨンビンに振り回されて怒り心頭のハミは、ヨンビンが自分に好意をもつ先輩とのデートをセッティングしたことを知って我慢の臨界点をこえてしまう。果たして、この恋は彼氏の血液型がB型だったための人格によって成就しないのだろうか。

この映画が制作された2004年の韓国では、血液型性格判断が一大ブームになったという。ネットでB型男と付き合ったがためにイタイ思いをした女性たちによる掲示板が活況をよび、そこではB型男は最低という審判がくだった。(ということは、B型女もやはり嫁にはしたくないということか)そんな韓国の騒動から生まれたのが、この「B型の彼氏」という監督をはじめスタッフ全員B型人間による映画である。観客動員数150万人。それだけ、B型男は隣国で話題をふりまいていたのか。

甘い顔立ちで育ちの良さそうなイ・ドンコンは、見れば見るほどお気に入りのジェームズ・スペイダーにそっくりである。確かに、血液型のなせる技か知らないが、身勝手であるのだが、いくらスタイルよく美形の素材をもってしても今ひとつ魅力的な人物像に描かれていない。それがイ・ドンコンの整ったルックスがかえってあだになっているせいなのか、演技力のためなのか、脚本、監督のせいなのかわからないが、本来だったら大きな魅力になりうるB型人間のおおらか自由な性格の特徴が、ただの自己中心的で軽薄な男でおわってしまった感がある。いくら先輩の希望とはいえ、彼女からの指輪を嘘をついてまで渡さないだろう。どこまで本気でハミを大事に思っているのか、本当に彼女のことを好きなのか、なにか実感がわかないうちに不完全燃焼で終わってしまった。フレンチ・キスまでいかなくても良いが、軽いキッスな気分もないままのハッピーエンドは残念。

監督・脚本:チェ・ソグォン


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6 コメント

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B型民族、B型国家 (小作)
2006-09-22 10:29:47
樹衣子様はB型ですか、私はA型です。・・・私はイ・ドンゴン程イイ男ではないが少しは目を掛けてくれる女達がいる。彼女達は皆知的で容貌は良である。A型人間は外見的に派手ではないので知的な女とは相性は良い。           さて本題、私は一度韓国へ行ったことがある。平日の昼間ということもあり繁華街は恐ろしく物静かだった。人の気配を感じさせない静かさに恐ろしさを感じた。ソ\ウルの地下鉄は満員だったが、それでも静かさがあった。        私のイメージしていた韓国人はどこにいるのか、不思議さを思った。光州事件を起こした韓国人、サッカー、野球に熱狂する韓国人。激しく情熱的なB型民族朝鮮人。竹島問題で激しく抗議、攻撃するB型国家韓国。           しかしながら普段の生活は日本人以上に物静かだった。           この不思議をどう説明すればよいのやら?
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orz... (econ-econome)
2006-09-22 15:06:47
私もB型ですが、迷信(笑)に基づくいわれのない迫害を受けてますね・・。「おおらか自由な性格の特徴」とは言いえて妙です。こういってもらえると立つ瀬があるのですが、逆にB型男とB型女の組み合わせではどうなるのだろうかと心配になってしまいます。
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me,too! (emi)
2006-09-22 20:33:59
こんばんは。

私も血液型占いは信じませんが、B型女です。

そしてB型男には苦い想い出があります。



・・・血液型占いなんてほんとうに信じませんが、そのB型男性は典型的なB型男でした。(爆)
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A型の小作さまへ (樹衣子)
2006-09-23 01:05:55
やっぱり小作さまは、A型でしたか。天敵ですね。(笑)



>彼女達は皆知的で容貌は良である



そんな麗しき女性たちをひきよせるのは、A型人間の真面目で誠実という評価のB型人間に言わせれば頭の堅さや退屈さ(←ここ強調)とは無縁の小作さまの魅力なのでしょう。



ところで、小作さまが韓国に行かれたのはいつ頃なのでしょうか。

チョン・キョンファという素晴らしい女性ヴァイオリニストがいらっしゃるのですが、彼女の演奏はまさに小作さまのおっしゃるところの”激しく情熱的なB型民族”的な演奏です。

それでも韓国人の普段の生活は静かなのですね。個人と国民としての立場の違いかもしれません。それに日本は音楽が巷に溢れていて、哲学者の中島義道さんが怒るように喧騒過ぎるのかもしれませんが。
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B型のecon-economeさまへ (樹衣子)
2006-09-23 01:18:06
やっぱりecon-economeさまは、B型でしたか。同類ですね。(笑)

経済学と押切もえさんが同居するあたりが・・・。



>逆にB型男とB型女の組み合わせではどうなるのだろうかと心配になってしまいます。



それは収拾がつかないでしょうね。この映画を観て後から思ったのですが、自分が男性だったら主人公のヨンビンに似ているかもしれないという認めたくない疑惑です。やはり包容力と我慢強く、忍耐力のある寛大なO型女性でないと、恋は成就しないかもです。それからB型人間は、組織の中ではいまひとつでも、ひとりだちすると個性と創造性を発揮するので、成功すればお付き合いも楽しいでしょうね。



追伸:別件ですが、「孤独なボーリング」は大変おもしろかったです。「ヤバい経済学」はそれほどでもないですね。明日からは、「日銀はだれのものか」を読もうかと思っています。
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実はまともな?B型だったemiさまへ (樹衣子)
2006-09-23 01:26:04
やっぱりemiさまは、O型でしたか。お付き合いで居心地のよさを感じますって・・・えっ、emiさまもB型だったのですね。(笑)

これからは、革新と独創のB型人間の時代だと思っています。そういえば、芸術家にはB型が多かったはず・・・。



>B型男には苦い想い出があります



ご同情申し上げます。さぞかし、えらい迷惑がかかったのでしょう。想像つきますよ。

私も血液型占いは、本当には信じていないのですが、あえてB型人間が攻撃されることを楽しんでおります。それに不思議なことに、何故かB型の友人が圧倒的に多いのは事実です。これも爆ですね。。
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