千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

アキバな”萌え”に

2005-07-15 23:34:36 | Nonsense
満員電車で紳士のはげかけた頭部の向こうに、週刊「女性セブン」の中吊り広告を漫然と眺める。別居中の女優のSさん、怖いくらい40過ぎても若い元アイドル歌手の娘(18)の同棲、巨匠の家庭のご事情のコピーにはさまれて「息子に潜むアキバな”萌え”」というタイトルを見つけて、帰宅帰りに駅前本屋さんに吸い寄せられるように立ち寄ってちらっと読んできた。今日は金曜日だ。本を片手に自分の行動を考えて、やっぱり疲れているんだと独り言。

このテの雑誌のわりには、アキバ系のオタクを社会学的に分析されていて読む価値あり。そもそも映画でも大ヒットを飛ばす「電車男」に代表されるアキバ系とはなんぞや。美少女系アニメ、コスプレ、コンピューターにはまるオタクというカテゴリーに含まれ、主に秋葉原を拠点として出没する、ぼさぼさの髪に襟と袖がのびたTシャツファッションの♂、、、ということだろうか。身近にケースがいないので、正確にはわからないが、時々利用する路線で秋葉原から乗るリュックを背負ってマンガを読んでいる人種を見かけると、確かに積極的に近寄りたくはない。けれども雑誌で「キモイと言われて登校拒否になった」というアキバ系少年の怨嗟は、ちょっと違うかもしれないと思う。

そもそもオタクでなにが悪い。大学でサルを使って脳のしくみを研究するセンセイ、シェークスピアを一生かけて追求する文学者、阪神タイガースの応援に命をささげるかのような熱心なファン、みんなある一定の領域内で活動する方達ばかりだ。その分野の知識の豊富さとハナシのおもしろさには圧倒される。CDから流れる音楽のさわりを聴いただけで指揮者とオケまであてる音楽愛好家は、殆ど尊敬に値する。考えてみれば、世の中こういった少数のオタクたちが、先端でガンバってくれたから社会の発展もあった。それがアキバ系と言われると、微妙な空気感が漂うのはなぜだろう。
アキバ系には、子孫繁栄のための恋にもバーチャルな恋愛感がある。エスメスさんのように美しくなくても生身の女性に恋をするのでなく、メイド服で素顔とは違う役になりきった女性やゲーム、アニメの中の女性に萌えるという説があるからだろうか。
それとも他人とかかわろうという意識が、みえないからだろうか。
こういったことは、単なる偏見だ。そう反論された方が、むしろよい。

沈む船から乗客を海に飛び込ませるにはどうしたらよいか。
アメリカ人だったら、ここで海に飛び込めばあなたは一番になれる、フランス人には誰も海に飛び込まない、ドイツ人には海に飛び込むのがルール、ロシア人にはあの海はウォッカでできていると声をかければよい。日本人には、みんな飛び込んだといえばよい。そんなジョークがあるくらい私たちは横並びの社会に育ってきた。共通の話題、似たような価値観、服装、趣味、そんな共通項からはみだしたものたちが、自分の世界をもち、そこの住人になって”オタク”という文化がうまれた。個性なのか、協調性に欠けるのか、それは個々人の問題だと思う。要はオタクでもひとやコミュニティとかかわり、コミュニケーション能力もあり協調性と社会性があれば、アキバ系の”萌え”だってそれもひとつの個性といえる。”キモイ”なんていわせない。メイド服がお気に入りならば、彼女に着てもらえばいい。似合うか似合わないかは別として。

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