千の天使がバスケットボールする

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バービーちゃんの就職活動

2010-04-14 22:40:47 | Nonsense
4月9日発売された「ウォール・ストリート・ジャーナル」にバービーちゃんが従事する次のお仕事にまつわるおもしろい記事が掲載されていたようだ。Y新聞掲載分より要約すると次のようになる。)

今冬、バービーちゃんの製造元マテル社は、彼女の次のお仕事を決めるために自社のHPで公募をするにあたり、建築家、ニュースキャスター、コンピューター技術者、環境運動家、外科医の5つの職業を提示して受付たところ、60万人以上の投票があったそうだ。世界中の女の子たちの圧倒的な人気(支持?)を集めたのはニュースキャスター。確かに、知性と美貌を兼備え、最も旬で最もホットな世界情勢を報道する彼女たちの凛々しい姿は憧れの職業だ。しかも、アラ還になっても田丸美寿々さんのように実力がちゃんとあれば一定の支持もえられてがんばれる。マテル社の上級副社長のステファニー・コータさんによると、この結果は「想定の範囲内」。しかし、同時に出た結果は「本当にびっくり」と想定の範囲外だったらしい。コンピューター技術者が1位となったのである!
実はこれにはからくりがある。投票は誰でもできるが、当然ながら複数回は不可と制限されている。投票がはじまるや1週間経過すると、”おとな”のコンピューター女性技術者たちがネットで投票を呼びかけて、あっというまに票があたかも洪水のようにおしよせてきたそうだ。

1959年に発売されたバービー人形は、今でも世界で最も売れている人形で、関連商品を含めて年間の売上は13億ドルを超えている。また、ファッションモデル出身の彼女の職歴はこれまで124職種ととても幅広いのだが、社会の変化を時には先取りするくらいに映すお仕事をしてきた。偶像にしかないバービーちゃんに、コンピュータ技術者であるお姉さんたち(おばさんたち?)が期待を寄せるのも、情報科学分野で働く女性たちの処遇全般がこの20年間で地盤沈下してきている危機感からだ。コンピューター科学の学位取得者も85年には37%だったが、一昨年には18%に減った。米国防総省で科学技術の研究をしているエリン・フィッツジェラルドさんも投票に貢献した。
「数学や科学、コンピューターに興味を持っていると、創造性や面白みに欠け、社交性のない退屈な人間と思われがち」と語る。確かに、日本でも理系の女子大学院生というと、めがねに白衣、無表情、音楽にも興味なしと思い込んでいる方が職場にもいる。何故か!しかも、同じ女性なのに。

同社には、「いけてる感じにして」「白衣はやめて」「おたくっぽくしないで」というシカゴに本部がある女性技術者協会からの要望も届いている。しかし、ポニーテールの髪に、ピンクのアクセサリーとやぼったいめがね、無線通信のヘッドセットをつけて、かかとの低い靴をはいたバービーちゃんが今秋にデビューすることになった。色っぽいタイトスカートにハイヒールのバービーちゃんは技術者には見えないだろうから、いかにもその職業”らしく”みえなければいけない彼女のおしゃれな(実はやぼったい)装いが、逆に女性コンピューター技術者への世間のイメージや思い込みをさらに助長するようなパラドックス。技術者協会のノラ・リン会長は、バービーをきっかけに、将来、技術者を希望する女の子たちが増えることを期待しているそうだが、その通りにいくだろうか。
ちなみに、一緒に社会人デビューする同期のライバルは、ニュースキャスターのバービーちゃんである。