千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

保護司はおじいちゃん

2005-05-31 23:10:18 | Nonsense
マスコミが飛びつきそうな先日の少女監禁事件、永遠の16歳を自認する?私としては、たとえちょっとでもGacktに似ているからといって、知らない男には絶対についていってはいけないと警鐘を鳴らされたようなものだ。ただ、良識ある一部新聞は、K容疑者が保護観察の対象者で、住居を移転していたのを保護司のFAX送信ミスで連絡が充分にとれていなかったということで、保護司の責任を問う報道もあった。

確かに個人情報保護法も施行されたことも含めて、このようなケースでは相手にFAXが届いたかどうかを確認する義務はある。けれども、保護司の負担を考えたらそこまで責めるのは、お気の毒というものだ。だいたいこのK容疑者の住所を把握し、面談を継続的に行っていたとしても、性犯罪の再犯比率、彼の性癖を考えると再犯防止できたのか、やはり今回の事件を起こした可能性は高いと思う。

そもそも保護司制度は、社会的な信望、時間的余裕と生活の安定が必要とされた専門家でない方達の”善意”で成り立っている。殺人罪、暴力団関係者というこのような御仁とはいっさい関わりたくないのが一般人の本音だろうが、彼らの更生を手助けするために、自宅で面談したり、被害者の方の墓参りも一緒にいったり、その仕事ぶりには頭がさがる。非常勤の国家公務員である保護司には対象者ひとりにつき、支給額は月5620円。高潔なやりがいと家族の理解、広いこころをもっていなければとても務まる仕事ではない。

けれども人間関係も希薄になり、社会情勢の変化に伴い後継者不足におちているという。現在4人にひとりが70歳以上のおじいちゃん。裕福でわがまま、自堕落な今回のK容疑者には、どのように対応したらよいのか、戦後の復興期を支えたこういう世代の方達とは隔世の感もあるだろう。
行方不明の保護観察中の執行猶予者は増加している。専門的な知識と仕事にみあった報酬で保護観察官を育てて増やす方向へ転換すべきなのかもしれない。

「保護司制度は宝のような存在」
野沢元法務大臣はそう称えるが、老いた善意におまかせする時代ではなくなった。