コニタス

書き留めておくほど重くはないけれど、忘れてしまうと悔いが残るような日々の想い。
気分の流れが見えるかな。


サンタクロース異聞

2007-12-05 23:30:09 | 
注文していた2冊の本が届いた。

一冊は、我らがウィリアム・H・ユーカースの『ロマンス・オブ・ティー』
驚いたことに、「訳者あとがき」でAAT研究会についても言及している。
ありがたい本だけど、プレッシャー。

もう一冊は『世界を変えた6つの飲み物』(トム・スタンデージ)。
やっぱりお茶関係で授業でしゃべったことがかなり整理されてる感じなので購入。
んで、こっちも解説に『日本茶文化大全』が出てきて、私の名前まで書いてある。
やいやい。


で、今日の話題は後者。

6番目の飲み物として登場するコカ・コーラの話の中に、興味深い記事がある。

コカ・コーラ社は広告に子供を描かずとも、子供たちに商品を売る手段をほかにもいくつも考案した。なかでもとりわけ有名なのは、一九三一年に初めて登場した、サンタクロースがコカ・コーラを飲んでいる姿が描かれた楽しげなポスターだろう。一般には赤地に白い縁取りの服を着てひげをはやしているという今のサンタクロースのイメージが作られたのは、こうしたコカ・コーラのポスターの影響によるもので、服の色はコカ・コーラ社の赤と白のロゴに合うように意図的に選ばれたと信じられている。だが、これは間違いだ。実は、赤い服のサンタというイメージは、それ以前からすでに確立されている。一九二七年一一月二七日づけの『ニューヨーク・タイムズ』に次のような記事が載っている。「ニューヨークの子供たちの頭のなかには、標準的なサンタクロース像がすでにできているようだ。(中略)身長、体重、ポーズまでほぼ変わらず、赤い服を着て、フードを被り、白い髭を蓄えた人物というイメージも同じだ。(中略)おもちゃの詰まった袋を下げ、頬と鼻が赤く、眉毛はぼさぼさ、全体に丸く、楽しげな雰囲気をかもし出すことも、サンタクロースに扮するには欠かせない」。このように、コカ・コーラ社が行ったのはサンタのイメージ作りではない。彼らはサンタを広告に使うことで、子供の心に直接訴えかけ、コカ・コーラと陽気で楽しい雰囲気とを結びつけることに見事に成功したのである。

あれれれれ。
私も「一般」でした。
サンタクロースのイメージがコカ・コーラの広告に始まる、というのは、広く浸透している年末トリビアの一つだと思う。
しかし、この本は、確かな証拠を挙げてそれを否定している。


どういうこと?

ここから考えねばならないことは二つある。

一つは、それでは誰が、どうやってあの衣装やひげを考案したのか、ということ。
そうしてもう一つは、コカ・コーラ起源説は、誰がつくったのか、ということ。

実はこの本は学校で拾い読みして、レヴィ・ストロースの『サンタクロースの秘密』に、アメリカ主義の権化としてのサンタのことが書いてあった記憶があって、コカ・コーラ説も案外この辺か、というか、赤い服のことも書いてあったような……、というようなことを思いめぐらしていたわけで。

で、帰宅して、10年ぶりに開いてみました。

お、カラー口絵にコカ・コーラのポスター図版。
キャプションは「アメリカ主義の使いサンタクロース」。
やっぱりこれかぁ! と思ったんだけれどぬか喜び。
本文の中ではコカ・コーラについてはふれていない。
緋色は王様の服だ、という話はあるけれど、風体の細かい起源についても書いてないなあ。

で、ちょっとネット検索開始。

まずはサンタクロース@ウィキ
ナンのことはない。ここにある図版は『子供之友』1914年12月号で、既に我々のイメージ通りじゃないか。
日本でさえ、コカ・コーラより17年も早いぞ。

さて、次はコカコーラ。

ここで衝撃の事実判明。

日本コカコーラのHPミュージアムヒストリー、で1931年をチェック。


1931年 クリスマス用広告に初めてサンタクロースが登場
クリスマス用広告に、ハットン・サンドブロムが描くサンタクロースが登場、「白いあごヒゲの陽気な紳士」というサンタクロースのイメージを定着させる。

だと。はいはい。「定着」させただけで、発明ではない。


しかし、ミュージアムからギャラリーへ行って「サンタクロース」をチェックすると……、


“白いあごひげに真っ赤な衣装の陽気なサンタ”。今でこそおなじみのその姿、実は画家、ハットン・サンドブロムがコカ・コーラ社のキャンペーン用に描いた絵がきっかけになっています。1931年から1964年まで、40点以上描かれたサンタは、クリスマスシーズンのシンボルとして、世界中で愛され続けています。

おいおいおい、ここまでくると確信犯だぞ。


やぁ、ちょっと時間かけ過ぎた。

結局、二つの謎は解けないままなのだけれど、、レヴィ・ストロースが問題にした(でも、それだけじゃないぞ、と言ってるんだけど)ような、アメリカ主義の象徴としての、サンタクロースとコカ・コーラというのは、都市伝説的に結びつきやすいことは確かなのだよねぇ。
それですっかりだまされたんだね、みんな。

しかし、これがコカ・コーラ社の公式見解だとすると結構罪だなぁ。

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4 コメント

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念のため (コニタ)
2007-12-07 08:01:20
たとえばこういう記述。
世界の『クリスマス』にまつわるトリビア
http://ken-herbie.com/trivia21.html 


サンタはなぜ赤い服を着ているか?
 古い絵などを見ると、サンタクロースはブルーのマントや毛皮を着ていたり、その格好はさまざまです。 現在の様な、サンタクロースの姿になったのは、1931年のこと。 コカコーラ社が、クリスマス用の広告に、サンタクロースを起用したことに始まります。 制作を依頼されたデザイナーは、早速、コカコーラ社のセールスマンの1人をモデルとして、商標カラーである赤と白を使い、サンタクロースをより親しみのあるキャラクターに書き上げました。(常にコーラを片手に持っていますが) そのキャラクターが大ヒット。すっかり人々の頭の中へと定着し、以降、長年にわたって愛されています



何見て書いたんだろう。
これ使える (コニ)
2007-12-07 09:31:37
わしはどこへだって出かけるぞ!
-サンタクロースの服はなぜ赤い?-
http://xmas-count-down.com/b2/santa1.htm

おそらくコカ・コーラ社が宣伝に利用しなくても、私たちが抱いているサンタと、それほど大きく違わないイメージには、なったことと思います。しかし、『決定的に・世界中に・爆発的に・ヴィジュアル優先で』広まった功績というのは、やはりコカ・コーラ社のおかげだといえるのではないでしょうか?


この人の見解は全体に穏当でしょう。

ウィキペディアはコーラについて触れず、ちゃんと19世紀のことも書いてる。

そうなるとやっぱりコーラ説は誤解に基づく都市伝説だね。
ウィキペディア (本人)
2012-03-04 12:14:09
ツイッター経由で覗いてくれる人がいるかもしれないので追記。

今、ウィキペディアのリンクを見るとかなり詳しいので、このブログが変な印象を与えることになりそうです。
ウィキペディア当該記事の編集履歴を見ると、07年12月初旬時点ではコカコーラに対する言及がなかった事が判ります。
補足 (コニタ)
2013-09-21 11:18:25
今朝の朝日新聞の記事に関連してツイッターやフェイスブックで触れたので来る人がいるかも。

コカ・コーラ社のサイトの構成が変わったようでリンク切れです。
サンタの件は
http://j.cocacola.co.jp/history/story/santa.html

あらららら。

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