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東武佐野線沿線CITY-GUIDE 〔カテゴリーからお入り下さい〕

こならの森153号

2008-05-25 | 101号~200号
       ■こならの森153号■2001.1発行
表紙 「 花博にて+2001年の文字」
C・o・n・t・e・n・t・s

■こならの森2月号■

3p としこの巻頭詩
4p やんばる
5p 結婚 古川さん夫妻
6p-9p JC通信
10-17p 東武佐野線ロマン
18p 風の独り言
19p 現代国語辞典
20p (新)やぶいしゃのひとりごと
21p 書評・絵本紹介
22-25pインフォメーション98
26-27pクイズ/タウン情報
28-29p 協賛店・MAP
30p こならの森から

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【本文抜粋記事】

東武佐野線ロマン
 こならの森で、町案内をシリーズ化していた頃に、写真にあるような可愛いアーチ型のレンガ造りのミニトンネルを見つけた。何となくオシャレでその他にレンガ造りの建物があったりしたら、どこかのレンガ造りの蔵のような景観であったかとも思われる。だがその時はただ単に町案内という記事だけでその他のことは浮かばなかった。しばらくしてそんなことは全く忘れた頃に、あるレンガ造りの高架橋を何気なくカメラに収めた。出来上がったものを見て、はたと気がついた。そういえば別の高架のものもレンガ造りだったような………。そんな思いでカメラ片手に探索行脚が始まったのだった。
 まず久保町にある東武線の高架から。そしてすぐ隣の例幣使街道にある高架橋へ。やっぱり橋桁らしきものはレンガ造りなのだ。中までレンガなのかコンクリートなのか、何かのものに飾りとしてレンガをはっていてそれらしくしているのかは、わからないがともかくレンガなのは間違い無い。それからさらに一本向こうの高架にもいってみる。やっぱりレンガなのだ。これってもしかしたら東武線の高架ってみんなレンガ造りなの?
 最初に浮かんだ思いがだんだん実感として捕らえられるようになってきた。
 さらに北へ向かっていくと、最初に紹介した丸アーチのトンネルに出る。他のどれよりもオシャレだ。実際には、ここだけ特別と思えるつくり、デザインだ。さらに北へ行くと背の高い高架に出る。それもやっぱりはるか高いところから下までがレンガ造りである。
 しかも真下から見てみると紅白でデザイン的にもどこかの国の国旗のようであって、サイケティックな感じもする。さらに北へ、JRを超える高架はどうなっているのかと向かった。しかしここで残念なことに夢が破れかかった。やっぱりレンガのコンセプトは無かったのか。無念な思いで線路まで車を降りて向かった。写真でもお分かりの通り、コンクリート造りなのである。
 高架まで道路はおろか小道さえ無い。草原をあるってやっと高架の下までやってきた。するとなんということだろうそこには新たなる発見がまっていたのだ。車から見ていた側は新しいコンクリート製のものだが、車から見えていなかった反対側の壁は今まで通りの造りのレンガであったのだ。(何ごとも諦めずに調べてみなくてはいけない…これ教訓)。
 ここでいったん市内へ戻ってみる。東武線と国道50号線が交わる高架はどうだろうか。ここもレンガに決まっている。だがその楽観論はもろくも崩れてしまった。先のJR方式のように、基本はレンガ造りでその後の増築でコンクリート造りとなったのでもない。レンガをコンクリでおおったのだと思ったが、反対側を見てみてもその痕跡すら発見できなかった。
 どこからみても近代的な工法のようにしか見えない(もちろんこれには大きな勘違いがあるのだが)。ここに来て最初の思いが途切れてしまった。
 やっぱり大正ロマンとかそういったものはこんな小さな地区にはなかったんだ。当時の鉄道は華やかで駅舎にもロマンティックなデザインを取り込み象徴的でシンボリックな存在だったに違い無い。そして統一性や手を抜かない全体的なデザインコンセプトがあったはずだ。そうした考えが全てもろくも崩れてしまった。
 本来はこの辺で止めるつもりだった。しかし、これには何らかの理由があるはずだと、気を取り直してさらに先を目指した。
 次なる地点へ。高架の他に秋山川を超える鉄橋の橋桁もレンガ造りでは?。さっそく堀米町の秋山川にかかる鉄橋へ。土手に立ってみるとあったあった。本当にレンガが使ってある。
■ここで発見。
 東武線で佐野市に入ってくる先に目に入るのが『子どもの国』のロケットであることだ。そこまで計算に入れていたのかどうかは知らないが、これまた新たなる発見だろう。最近はライトアップをおこなっているということなので、この地点からの眺め、というより田沼方面から館林に向かう4時から5時前後の列車の乗客はその勇姿が楽しめるものと思う。

■こだわり
 実はその先にも高架があるようだ。ほんのちいさなものだったが念のためにいってみた。やはりそうだった。こんな小さなものにまでもレンガが使用されている。しかも道路は線路の下を潜っていくものであった。ここでは使われているレンガの量も少ない。わざわざこんなところにまでレンガを使う必要性があったのか。いわば効率を考えれば、他のものでも良かっただろうに、ここまでレンガにこだわったのは、よほどレンガがあまっていたか、もっとも安い材料だったのか?(そんなはずは無いと思うが)施工が楽だったのか、その他かも知れないが、なんだが取材者としてはこだわりを感じてしまう。
 現時点では『東武線レンガ説』の結論は出ないわけだが、今回はこれまでということに。