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『私が、生きる肌』(R15+)ネタバレ厳禁の問題作!

2012年05月30日 | ビックリ!だった映画

原題:THE SKIN I LIVE IN(R15+)
2011年・スペイン(120分)
               

監督:ペドロ・アルモドバル
音楽:アルベルト・イグレシアス
衣装:ジャン・ポール・ゴルチエ
出演:アントニオ・バンデラス、エレナ・アナヤ、マリサ・パレデス ほか

原作:ティエリ・ジョンケ『蜘蛛の微笑』

鑑賞日:2012年5月28日 (日比谷)

ティエリ・ジョンケの原作『蜘蛛の微笑』は、
インスパイアされたペドロ・アルドモバル監督によって
復讐劇を超えた究極の問題作として映画化された。


驚いた!!
まったく先が読めなかった。
上映半ばで、ベラの正体が明かされるまでも読めなければ、
正体が明かされた後は、なおさら展開が読めない。
状況は把握できる。
誰が誰なのかも分かる。
それでも、この物語はどこへ向かうのか・・・?
監督はどこへ観客を連れて行こうというのか?
最後まで読み切れなかった。

<ストーリー>
天才的な形成外科医ロベル
は、画期的な人工皮膚の開発に没頭していた。
彼が夢見るのは、
かつて非業の死を遂げた最愛の妻を救えるはずだった“完璧な肌”を創造すること。
あらゆる良心の呵責を失ったロベルは、
監禁した“ある人物”を実験台にして開発中の人工皮膚を移植し、
今は亡き妻そっくりの美女を創り上げていくのだった・・・・・・。(チラシより)

 


荒唐無稽!? 狂気の沙汰?!
観る人によっては嫌悪感さえ覚えるかもしれない。


「どういう映画だったの?」
帰宅後、妻に問われ困惑した。
もちろん、ストーリーは言える。
何が起きたのか?
ベラは誰だったのか?
説明はできる。

説明はできるけれど、
それではこの映画について何も語れていないことに気づかされた。

あまりにさまざまなテーマが織り込まれていて、
到底一言で言い表せないと感じた。

マリリア役を演じたスペインのベテラン女優マリサ・バルデスの言葉を借りれば、
アイデンティティについての映画であり、
情熱と愛情をもってどんな状況でも生き抜くのだという、
サバイバルの物語でもある。
アイデンティティを変えられた人物が、自己を取り戻すために闘う。
たとえ肉体は変えられても、心まで変えることはできない。
身体と心の分裂、恋愛と失恋、家族の愛情、
母と子の愛情
といったテーマも扱っている・・・

それどころか、観る角度によっては、もっと根源的なテーマも。


まさに宣伝文通り、
“アルモドバルが辿り着いた最高傑作であり、
誰も観たことのない究極の問題作”
だと思った。

バンデラスの怪演ぶり:★★★★★★★★★★★★★★★★★
怪しく惹かれるエレナ・アナヤの瞳と肢体:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
復讐の先の偏愛:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
美しき色彩度:★★★★★★★★★★★★★★★★
トラ衣装のしっぽにはボカシなし:★★★★★★★★★★

鑑賞後の総合評価:★★★★★

私的には満点評価だけど、他人に薦めるには勇気がいるなぁ。


観ている途中で、唯一頭に浮かんだ不安は、
アイデンティテイーを取り戻したところで、どうやって生きていくのか?
つまり、この話をどう着地させて幕引きするつもりなのか?ということ。
だが、監督は見事に伏線を配していて、
「そこだったか!!」という所へ着地して見せた。


ヨガ・・・トラの衣装・・・
壁一面に書き連ねられた記録とイラスト・・・
夢で主客がスイッチする物語・・・
う~ん・・・語りたいことはたくさんあるけれど、
この作品ばかりは、ネタバレできない 

 

蜘蛛の微笑 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ティエリ・ジョンケ
早川書房

 

私が、生きる肌〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕
ティエリー・ジョンケ
早川書房

 

Score
 
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