編集長ブログ

月刊『農業経営者』編集長 昆吉則

ドバイ営業ツアー

2008年07月20日 09時28分57秒 | 嬉しい話、良い話
「社長! ブログ、6月以来更新してませんよ! サンデープロジェクトでドバイに行った皆のことが放送されるのだから、このブログにも人が寄ってきます。でもそれがまったく更新されてなかったら、興味が失望に変わります。番組が始まる前に何でも良いから更新しておいてくださいね」
いいこと言うな、まったくだ。それなら、今回のドバイ営業ツアーの裏話を書いてしまおう。
『農業経営者』6月号ドバイ特集

ドバイツアーの短信は以下で見えます。
『農業経営者』5月号ドバイ速報

日本でもFOODEXという食品・食材展示会があるが、中東湾岸エリアでもドバイでGulfoodという食品展示会が開催される。我が農水省もそこに日本館を作り、出展者を公募しているという話を我がスタッフが聞きつけてきた。それも出展料もタダだという。補助金で何かをするというのは本誌の趣旨に反するが、これは乗らない手はない。ということで、我が社が窓口になる形で読者たちに出展のチャンスを提供しようということになった。早速、本誌で読者に参加を呼びかけた。それもドバイだというのが面白い。

すると、法人、個人を含めて7団体が応募してきた。皆の申請書をまとめて農水省(窓口となっている会社)に送った。しかし、結果は、高橋がなり氏の国立ファームだけで、あとは落選。関係者から聞いてみると、公募とはいうものの実際は出展者はあらかじめ決まっているのだと言う。やらせじゃないか!!!

「おい、こんなことで読者を騙せないよ。浅川君(本誌の副編集長でポテカルの編集長、専務取締役)。お前、ドバイ詳しいだろう。ドバイの営業先を探して役人なんかに頼らず市場開拓しろよ」と指示した。

カイロ大学に留学して、ソニーガルフに入社し最初の任地がドバイだったという浅川は、そう言われるのを待っていたようだ。

彼は、ネットでドバイあるいはUAEの青果卸業者、ホテル、スーパー、レストラン、生産者、農業出版社などをネットで探し、メールを送り、電話をかけまくった。その中には、ドバイの政府系ファンドもある。

「Made in Japan から Made by Japanese へ」と言って、鎖国した日本の農業界から自由になろうと呼びかけてきた本誌である。この際、輸出や海外生産を語るだけでなく、「オイルマネーを日本農業に還流させよう!」と言うわけだ。だから、当地の政府系ファンドを訪ねようというのも本誌のコンセプトにあっているのだ。

政府系ファンドの訪問はならなかたが、神田うのチャンが新婚旅行に行った自称7つ星ホテルの総料理長たちへのプレゼンテーションをはじめ、ドバイフラワーセンター、青果卸、輸出入業者、レストラン、スーパー、生産農場など。スケジュールはタイトであったが、たっぷり営業と現地にビジネスパートナーを作ることはできた。また、実際の食材提供も始まろうとしている。

読者たちが営業に持ち込んだのは、コメ、イチゴ、ダイコンなど野菜類各種、桃、りんご、栗、小豆、お茶、日本酒、ジュース、ジャムその他の加工品etc。ツアー参加者だけでなく参加できない読者にも編集部が代行で宣伝してくると呼びかけたものだから、数が多くなりすぎたかもしれない。

ところで、農水省は世界の数カ国のスーパーなどに「日本コーナー」を作っている。そこで日本の高級農産物がいかにも売れているかのように情報をメディアに流している。でも、僕に言わせれば、それはむしろ日本農産物をマーケティングする上で、マイナスになっているのではないかと感じた。

我々の営業先の一つであった、スピニーズというスーパーには「日本コーナー」があった。そのコーナーの担当責でもある青果仕入れ責任者は、
「日本の政府からは十分な場所代を貰っているから、我々としては売れなくても損はしない。でも、アレじゃ売れないね。普通の人が買う値段ではないからね。品質は良いのは承知している。ちゃんと本気のビジネスとして提案してくれれば、いつでも対応しますよ」

そのとおりなのである、ナシが一個数千円、ダイコンやネギもベラボーな値段で売っている。これでは、日本の農産物の品質の高さは伝えられても、それ以上に価格が高いと印象をつけるだけで、同地の消費者の支持は得られない。

米を別にすれば、日本の農産物は世界と比べて決して高いわけではない。きちんとした流通をすれば、あんなベラボーな価格をつける必要もなく売れるはずなのだ。

そういうあたりまえの営業活動をすれば、日本の農産物輸出は大きく伸びるはず。我が農業界は、自らのビジネスチャンス見過ごしているだけ。あまりに安楽な国内で寝転んでいるから。ここの農業経営環境はどんどん厳しくなっているのに、その販売を担当することになっている農協組織がサボっているからなのだ。また、商系の業者も同じ。だって、農業出版社の編集者が高田馬場から電話やメールでここまでチャンスを作ることができるのだから。

確かに、浅川は外国語がうまいかもしれない。でも、農業団体にそんな人たくさんいるはずだ。その気がないからやらないだけ。そんな面倒なことしないでも安楽な現在がありすぎるからではないのか。

海外の農産物輸出促進のための日本コーナーも何であんな馬鹿みたいな値段が付いているのか。そもそも売ろうという意思がないからなのだ、と思いたくなる。

なぜそうなるのか。それは、そもそも政治家や農水省がやっている輸出促進のキャンペーンは、現地のお客さん向けではなく、鎖国した日本国内の農業界に向けて発信されているものだから。

「私たちは農業のために働いています」という自らの居場所作りのための宣伝だに過ぎないからだ。本気でやれよ。あなたたちは農業を安楽死させようとしているけど、国内外を問わず、農業、農業経営者、そこにある技術や感性、そして日本の食文化にはすごいビジネスチャンスがあるのだから。

さあ、農業経営者よ、農協よ、集荷業者たちよ、商売人たちよ、まず、自ら動いてみよう。

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