鉄道模型工作記録帳

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中国工場くんずほぐれつ苦闘記 アフター・ザ・カーニバル

2016-06-27 11:14:32 | 若旦那の常磐線103系

昨日まで、ボークス京都鉄道エキスポにご来場賜りましてありがとうございます。

結果。

四国1000と営団1500NはJNMAでも販売することができません。
溜息。
心がボキボキ折れていき、何本の心が折れたかわかりません。

イベント前日に届いたものを見まして
「気に食わない。こんなのお客さんに届けらんない。販売は延期。金型から作り直し。」

という朝2時の結論に至りました。 

皆様申し訳ございません。
床下機器とかはまずまずのものが上がったのでございますが
車体が全くダメでした。寸法通り上がっていません。
お話になりません。

ボークスでもJNMAでもサンプルを展示しておりますのでご笑覧ください。

HOマニ44の中国工場Bはまずまず良い出来です。
こちらはあと数か所修正することで製品としてお届けできるような気がします。
設計は同じレベルですので、プラスチック成型の奥深さというか、ますます勉強になる次第です。

どっさり届いたプラランナーは見事に「ゴミの山」と化して、京都から札幌に移送してしまいました。
使える部分を選り分けて、パーツとしては喜んでもらえそうなものを製品として、工作派パーツとしてみなさまにお出ししたいと思います。
なにせ、油断ならない状態ですので、一個一個選別して、品質合致するものだけをお届けいたします。
素直に言うと、四国1000の床下機器と営団1500Nの床下機器は一定量「気動車と電車の床下機器」として分売する心つもりです。
ピッタリ同じものはないとは思いますが、「他車に類似したもの」は機器単位で一杯ありますので、
「モデラーとして自分ならほしいな!」という部分を選り抜き販売としたいと思います。
 
床下機器は結構格好いいんだけどなぁ・・・(溜息)

よく、中国で作るにあたって・・・・日本でも・・・
「設計できればできるでしょ?」
ということを耳にしますが全く違っておりまして。
もっというと「写真何枚から模型になる!?」なぁぁんって思ってもそれは違ったり致します。

設計については、「ファン目線で撮影した格好い写真」は設計に反映する部分が少ないですし、
図面を作るには模型としてのセオリーを含んで「描きます」
ここまででも実に大変な作業で、3Dプリンタはこのあたりで出力したら、3Dプリンタ製品になります。

そこから「樹脂の物性をよく考えて」の詳細設計に入ります。
そこでパーツ単位設計になるわけですが、
日本なら、このパーツ単位の設計で終わってもいいところが出てきます。

中国工場(の一部)はここからまだ作業が続きます。
 これを、金型に押し込むための金型計算的な設計を開始します。
ここで模型としてはやりたくでも、できない部分が物理上出てきますので、修正。
金型から抜けるように勾配を図べての面に一つ一つ丁寧につけていく作業が、さらに修正。
モデラーですので「その抜き傾きをも組み合わせて垂直に仕上がるように」とかのロジックを含んで、さらに修正。

ここまでやると、日本の金型屋さんとは様々な技術交流を持った製造会議になります。
既に鉄道模型を作るというより射出成型専門会議になります。

でだ、
中国工場(一部)ではここからさらに「金型本体の設計」にまで入る
大修正に入ります。
ここまでもやりました。

・・・でまだできないので、
金型掘削のあとの研磨。
ここまでやりました。

さらに、整形がうまくいかないどころか、無理押しするので、その対策も指示しないと・・・・
押し出しピンの設定差から、樹脂注入の太さの指示、圧力のチェック、ゲートの微調整、やってはダメなことの引きはがし・・・。
ここまでもやりました。

牛歩ですが、確かに出来つつあるのですが
「こんなことまで指示しないとできないなら、この工場は見捨てた方が良いのではないか」
と思います。

既に予算を100万円以上オーバーしてもまだできません。
笑うしかありません。
中国人の「やります!できます!」は信用しちゃいけません。
「そこはできないです」という中国人を「ちょっとだけ」信用しましょう(迫真)

えーっと、ここまでの労力で既に、完全大赤字です。
頼むレベルにはありませんよね。




 


HOマニ44テストショット一部公開。

2016-06-17 20:13:00 | 若旦那の常磐線103系

くんずほぐれつやって難航している中国工場とは別の中国工場にて進んでいるHOマニ44のファーストテストショットの画像が届きました。
京都ボークス 鉄道エキスポにて初公開とする予定です。
まだ樹脂は仮樹脂です。
お値段がそこそこする工場ですが、こちらのほうがスケジュールを確実にこなしてくれます。


続・中国工場くんずほぐれつ苦闘記

2016-06-17 01:34:00 | 若旦那の常磐線103系

わたくしは帰国しておりますが、
バトンタッチして代わりに入った協業社氏が、中国からすでに10日出られないでおります。
要は
「金型がまだ全然進まない」
んですね。

9割がた終わらせて帰国したわけですが
後の一割が全然進まない様子。

依頼している金型屋の機械は素晴らしくても、テクニックが限界にきていると感じ始めております。
大雑把なおもちゃの金型なら掘れても、秀作フィギアは作れても
「鉄道模型の金型を作るにはテクニックがなかったかもしれません」

現状、研磨は終わったにもかかわらず
彼らがやるべきことをしてやった樹脂注入関連の部分でトラブり
「きれいに抜けない」という事態に陥って既に6日が経過しているようです。

詳しいことを文書で書いても分かりにくいのですが
「なんでそんな樹脂注入プランになったんだ?」という部分が垣間見られます。
流石にそこまではわたくし共で設計をすることは不可能なんですね。
日本なら、
パーツ単位で3Dモデルを設計すればよいだけなんですが
今回はランナー配置まで日本設計(というか私)なんですね。
抜き勾配も日本設置。
基本的に抜け目なく設計しているんです。
抜き勾配も角度を大きくとって抜きやすく、それでいてロジックを使って隙間が少ないように作ったわけなんですが、
残念ながら今のところ躓いているようです。
こっちが悪ければいいんですが、そーもそうじゃないようで・・・。

相当現地は緊迫というか「すでに険悪な雰囲気」になっている模様で、
要は細かい成形プランが立てられないとみています。
本来、金型に樹脂を注入するときは、金型を温める温度や、押さえつける圧力、注入する樹脂の温度と、その注入圧力がカギとなります。

高すぎても粘りつきますし、低くても回らない。
強く押さえつけても金型が破損するし、弱ければバリになる。
強く入れ過ぎても今度は樹脂が硬く入り過ぎる部分と薄い密度で入る部分が発生して、薄い密度部分が引けやすくなる。
そのバランスが必要なわけです。

京成は中国でランナー配置をさせたんですが、なんせスッカスカで必要以上にマージンを取り、無駄なスペースを大量に発生させて、非効率なランナーになってしまいました。
それでいて十分な成型まで行くのにやはり遅れた。
で、金型高温、圧力ガンガンで注入した結果、歩留まりが非常に悪い製品になってしまっているんですよね。
 温度あげすぎて、冷却が間に合わず成形樹脂が柔らかすぎて変形したとか、回らずに欠損が発生したりとか。

 対処法もちょっと嫌な予感をしていたんですが「温度を上げよう、圧力高めよう!}のイノシシ理屈なんで・・・本来そうじゃない。
注入口を改善したり、注入口の数を調整したり、本来はより適切な圧力と温度に、計算して設定して調整していくことが必要なはずなんですね。
それを力技でやろうとするから、いつまでも収まらない・・・。


今回はプラモデル平均のランナー配置をして、試作までは成型できたけど、量産速度になるとけつまづく。
そんな状態にあります。

本来は、餅は餅屋に託す部分ですので、任せるのが筋。
ところか日本ならランナー配置の打ち合わせをして、ランナー設計などは金型屋がやるべきところなんですね。
それさせたら、もう想像をはるかに超えるレベルで話にならないことやられた。

京成の時は、その金型屋が本来やるべきランナー配置ですったもんだが大発生して、あまりにも苦労と現実が折り合わなかった。
まぁ中身を理解しようとしないんですね・・・・。
「なんで台車4つのリレーフ部品が、まとまって配置されず、とっ散らかって配置されているの?」
「なんで裏表ランダムに張られているの?」
を数日掛かって修正させ
「配置の細かいことは、もう半分くらいであきらめざる得なかったけど、パーツの表裏は整うまでやり直しさせた」ということがあったんですね。

例えばAとBのパーツは長さが違うだけだ・・・というものがあった時に、AとBのパーツは全部3Dで作っていたのに、
勝手に金型らの中で「Aを伸ばしてBに仕立てる」なんてやっていたもんだから全部やり直しさせた」
とかあったわけです。
「なんでこれじゃダメなんだ!!」なんて逆切れしてくるわけですが、違うもんは違う。
ダメなもんはダメ。
だって実際、金型屋で創ったBパーツは本来の設計パーツBと寸法が違うじゃない・・・・とかね。
根本から全然違ったりすることやられるのに油断ができないんですね。

今回は日本の金型屋さんに助言いただいて適切なランナー配置。そこまで設計して渡したにもかかわらず、中国工場が工夫を織り込んで一部変更してきたことは確かなんですね。
「こっちにこうしたほうができる」ということで。

で、結果は出来ないんですねぇ・・・・。

なんで変更したの。ということを言いたくなるわけですね。

既に外装は印刷済み。
パッケージも準備済み。
材料も確保済み・・・ですが、肝心の中身がやってきません。

雑な製品ならできるが、精密な製造ができない。
そんな壁に当たっております。

さて、京都イベントとJNMAでご披露できるんでしょうか・・・。
本当に何か月かかっているんだろう。



中国工場くんずほぐれつ苦闘記

2016-06-12 23:53:00 | 若旦那の常磐線103系

帰国しております。
が、まだイベントに向けて製品が完成するか保証されてません。

「やっぱり中国ってさぁ、血みどろになるんだなぁ」
というのが、今の本音。
えーっとですね、
「技術と技能は違うんだなぁ」
という感想でございます。
え。そらもうとっくに中国にかかわった方ならわかるって?
そうでしょうそうでそうでしょう。
実に遅からず、中国の洗礼を受けています。

いろんな意味で日記でございます。
「中国嫁日記」なんてまぁ、実にオブラートに包んでおりますなぁ・・・。
ぶっちゃけていうと「とっくにキレて当然」な状況に簡単に追い込まれます。


ということで、中国シンセンの郊外・・・国境のローフゥからバスで高速道路100分前後の場所にある、割と田舎の街です。


さっさと金型と対面です。
「発注主だぞえらいんだゾウ」
なんてこと言っている場合じゃぁありゃーせん。
「中国の職工が全く信用できないから渡ったんですよ。ええ。


到着数時間後には、「あたしが金型を磨いています」
ええ、そうなったんです。
どうしても譲るわけにはいかないもんですので。
6万円もする代物の工具やらなんやらもってそのために渡ったんですよ。


中国職工のなかに紛れ込む、リーベン(日本人への蔑称らしい)。
ええ、黙々とやっておりました。

気温38度。

隣は、さぼった若い女性の職工の席が空いてます。
ええ、なんかわけのわからぬ中国語をわめいて一人ストライキしてました。
「そら、スケジュールなんて収まるわけないわな」

朝の9時から夜8時までやってました。

8000番までペーストで磨いていきました。
汗だくですよ。

で、こっちがもうとにかく突貫しなきゃならんわけです。
任せられん。

マジ孤独なバトルです。


予定されていた日程に全然間に合っていない金型の電極。
おい、行くころにはテストショットのはずだぞ・・・。
ちなみに、書いている今現在、この写真撮影から1週間経過してもまだできてない様子。
もうね、もうね・・・。
この工場がダメなのか、中国がダメなのわからんです。

機械はすごいし、一見すごいように見えるんですが
「全然時間通りに動かない」


毎夜毎夜夜中まで。


捨て材料でテストしながら研磨を続けます。


そんななか、新しく紹介された工場へも視察します。
「一般バスで」
日本人はタクシーで移動するのが普通らしいですが、協業社氏がアクロバティックなので、全部現地民バスです。
中国人も之にはあきれる行動力です。
協業社氏、この辺りは日本人離れしてます。



まずほぼ乗らない外国人が乗っているわけですから、普通に中国人しか乗っておりません。
運転手と乗客で喧嘩は始まるし(乗客が運賃をだまして少なく入れて居たっぽい)、まぁ、とんでもない空間。


そして2時間以上揺られて、もうそれはそれはサバイバルな場所まで。


既に「村」「寒村」「集落」状態を超えると



いきなりちょっとした村にたどり着きます。


そして金型工場現る。


最新の機械が並ぶ


金型工場がいきなりあるんですからたまげます。


ダイカストも作ってる・・・。
で、見せられませんが
「え。あの製品もこの製品もあれもこれもここだったのか」
という工場でございます。
国境から3時間離れたど田舎の工場。

鉄道模型も作っていました。
アレがここだったのか・・・。

ここは今やっている工場より工賃が高いですが、はるかにシステマチックで最後まで信用は出来ませんが、実績だけでいえば相当なものです。
で、あまり発注主は来ないらしい。
「依頼した仕事は任せられるのか?」
まぁいろいろ解らんことが多すぎます。
けど、物はどれも見たことがあるものばかり。
あと、英語とザパニーズ英語でやり取りしましたが、「模型をきちんと作ろう」という意志は強く強く感じました。

ただ、日本と価格は変わらないでしょう。
そのかわり総合組み立てまでできるのが日本にはもうとっくに消滅したことかもしれません。


高速バスで戻ってきたころにはもう夜でした。


そして続く打ち合わせ。


全部、もうそれはそれはご丁寧に紙芝居を作って説明します。


日本ではあり得ないくらいの手間をかけます。


で、くどいくらいの打ち合わせも金型もほぼできた。。。
はずなんですがねぇ!
なんでまだ送られてこないんだか。


えーっと、左が工場長。右が営業担当です。
続制作の金型電極工場に言って確認しに行きます。




あ。全然できてねぇ・・・。
彫りは悪くないです。
が、いかんせん、できてません。


心折れそうな状態。



ただねぇ・・・
中国国内だけ知っているだけならば、
あの共産国家民は幸せなのかもしれない。
「政治さえ語らなきゃなにしてもいい」というのは営業担当のセリフ。
「近いうちにあたしは会社を立ててボスになる!もっと収入がほしいから働くから悩んでいる暇はない!」なぁんてどこでも誰でも言っちゃってやっちゃう国。



日本人より素直で

野性で変にこじれていなくて、

※お店が暇なんで寛ぎ椅子で携帯ゲームやっている店員(どこの店でも職場でも見られます)


朗らかで、



当たり前の「生き物人間(家族が大事・飯はきちんと食べる・運動して・全力で働く)」の常識が通じて、


※お食事の時間なんで、当たり前のように店のレジ机で「お鍋を出して麺鍋を作って食っている店員」

幸せかもしれない。
まぁ、働いていようが何してようが、警備してようが店番してようが「勝手に自分のプライベートタイムのように過ごしている」のは本当に野性ですわなぁ・・・

けど、あたしは日本人なんで、窮屈で堅苦しくて、変に狂った国のほうがいいです・・・。


毎夜毎夜チェックして・・・
いやね、金型のトラブルはあんまりないのですよ。


いかんせんできないのよ。
理由がわからなくなります。
あたしが中国でやる意味が金以外解らなくなるわけです。
本当に心が折れそうになります。
いや、折れているのかもしれない。

9割まで進んで、ついに滞在時間タイムアップ。
なぜできないんだろう。
正直、わからんのです。

確実に進めているはずなんだけど。
なぜかできないんだもん。

ありとあらゆる手段を講じているのに、できないんだもん。
予定の日程で。


キラッキラにまでは磨きましたよ。
で、ここまでやったらいくらタイムアップでも翌日には本生産(ガラスだけでも)できるはずだと帰国しましたけど。
・・・結論から言うと、7日くらい経ちましたけどまだ日本に届いてません。

なんで。
わからん。
中国人と日本人の根本からして何もかも違うからかもしれない。


で、国境を超えることにしたんです。


いくら中国に返還されて10年たったとはいえ
香港は西側諸国のにおいがした。
へんな緊張感が続くこともない。
自由を感じる。
まるで牢屋から出られたような感覚。


ただ、中国の田舎で過ごした7日間より香港で過ごした3時間のほうが、何倍も金が出ていきました。
香港の物価、超高い。



日本に帰ってきて、日暮里。
わざわざ中国人の経営するラーメン屋で餃子を食う。
「ああ、これ、日本食だ・・・」と変な感想。

さて、夏のイベントで製品をお見せできるでしょうか。
ちっちゃなことにキリキリ悩んで「約束絶対・規則はいっぱい」の日本人のあたしは、ある意味途方に暮れるのであります。


中国金型工場滞在記二日目ライブ!

2016-06-01 13:35:16 | 若旦那の常磐線103系

新製品

営団と四国の金型電極です

いま、中国金型工場滞在作業中

私は硝子パーツ研磨中です