競馬マニアの1人ケイバ談義

がんばれ、ドレッドノータス!

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女神「女神の一番長い日」6

2017年05月19日 | 女神
 狭い路地が続く街並み。パトカーがサイレンを鳴らしながら行き交ってます。さらに狭い道では、警官隊隊があたりを見回しながら小走りで移動してます。その後ろに女神がいます。
「おい!」
 その声に女神は歩みを止めました。女神が振り返ると、そこには倉見隊員が立ってました。その手にはレーザーガンが握られています。
「お前、何様のつもりだ!」
 これを見て、女神はこう思いました。「もう来たか」
「お前、テレストリアルガード辞めろ! お前なんかより橋本さんの方がずーっと使えるんだよ! テレストリアルガードは橋本さんが必要なんだよ!」
「私は・・・ 私はここを辞めません」
「なんだと?」
「私の居場所は今ここにしかないからです」
 と、これを聞いて倉見隊員は苦笑してしまいました。
「がははぁ、お笑いだぜ、エイリアンのくせして!
 なあ、知ってるか? 日本の法律てーのは、地球人を保護するためにあるんだぜ。お前みたいなエイリアンには適用されないんだ。今お前を殺したって、オレは完全無罪なんだよ!
 死ねーっ!」
 倉見隊員はレーザーガンの銃爪を引きました。光弾が女神に向かって行きます。が、女神の身体に光弾が当たる寸前、女神の前に青白いハニカム構造の光のガードが現れ、その光弾を弾きました。女神はバリアを張ったのです。倉見隊員は悔しそうです。
「く、くそーっ!」
 次の瞬間、女神はふっと消えました。倉見隊員はそれを見て唖然としてしまいました。
「テレポーテーション?」

「くそーっ、どこに行ったんだ?」
 複数の警官が路地を小走りに過ぎて行きます。警官隊が通り過ぎると、建物の影から1人の男が現れました。その顔は先ほどのタブレットに写ってた顔の1つです。
 男は警官隊が行った方向を見ています。その背後で空間に歪みが発生してます。それに合わせて、空間を引き裂くような不気味な音が。男はその音に気付き、ゆっくりと顔だけ振り返りました。そこにはヘルメット姿の女神が立っていました。
「うわぁ」
 男は女神に拳を振り上げました。
「うぐぁーっ!」
 が、女神は顔面に飛んできたその拳を避け、逆に男の足を蹴飛ばしました。
「うわぁっ!」
 男の身体はうつぶせのまま、思いっきりアスファルトに叩きつけられました。次に女神は左ひざでその男の背中を押さえつけ、右手を捻り上げました。激しい痛みで男は思いっきり悲鳴を上げました。そこに隊長と海老名隊員が駆け付けました。
「おお、ナイス!」
「すごーい!」
 さらに警官隊が駆け付け、男に手錠をかけました。先ほどテレストリアルガードの基地内で女神にかけられた手錠と同じ、手首のサポーターに鎖が付いた手錠です。警官に囲まれ、男が立ち上がりました。隊長はその警官を見て、
「じゃ、あとはお願いします」
「はい。
 ほら、歩け!」
 警官は鎖を思いっきり引っ張りました。そのせいで男の身体はよろけました。このとき男の眼が鈍く光りました。反抗的な眼です。男は全力で警官にタックルしました。警官の身体は無残に吹き飛ばされました。
「うぐぁ~」
 警官は鎖を離してしまいました。男は他の警官の手をかいくぐりながらダッシュしました。突き飛ばされた警官はそれを見て、
「ふっ、バカなやつ!」
 警官は手にしたスイッチを押しました。すると手錠に思いっきり電気が流れました。
「ぐあーっ!」
 男は崩れ落ちました。無残にも白目をむいてます。その一部始終を見てた女神は、恐ろしいものを感じてしまいました。もしあのとき手錠をかけられたままだったら、自分もこうなってたかもしれない。あのとき手錠を解いてくれた人は、今私の横にいる香川隊長。香川隊長がいなかったら、私はどうなってたんだろう?
 隊長が考え込んでいる女神に声をかけました。
「ん、どうした?」
 女神は倒れている男を見て、
「あの人、どうなってしまうんですか?」
「さーな、オレにもわからんな。ただ、逮捕後のエイリアンがどこに行くのか、見た者は1人もいないんだな」
 ここで女神は先ほどの倉見隊員のセリフを思い浮かべました。
「なあ、知ってるか? 日本の法律てーのは、地球人を保護するためにあるんだぜ。お前みたいなエイリアンには適用されないんだ。今お前を殺したって、オレは完全無罪なんだよ!」
 そうです。今女神に人権はありません。日本の法律の保護下にないのです。テレストリアルガードの隊員という身分だけが、女神を法的に守ってるだけです。誰がなんと言おうと、女神はテレストリアルガードを辞めるわけにはいかないのです。
 ここで海老名隊員があることに気づきました。
「そう言えば、もう1人のエイリアンは?」

 ここは同じ地区の別の路地です。今寒川隊員がもう1人の男を追いかけてます。
「待てーっ!」
 男は角を曲がりました。が、袋小路、行き止まりでした。寒川隊員がレーザーガンを構え、1歩1歩迫ってきます。
「ふふ、終了だ。おとなしくお縄についてくれよ」
 男はほぞを噛みました。そして・・・ 男の身体は鈍く光り、そのシルエットはあっという間に巨大化しました。寒川隊員はそれを見て、腰を抜かしてしまいました。
「う、うわーっ!」
 再び隊長、女神、海老名隊員です。3人は破壊的な音を聞いて、その音がした方向を見ました。そこには巨大化した男がいました。巨大化したとき服は一瞬で砕け散ってしまったらしく、素っ裸です。海老名隊員はそれを見て、びっくりしてます。
「うわっ、すっごーい!」
「おいおい、マジかよ。巨大化するエイリアンは、初めて見たぞ」
 それを聞いて女神が隊長に声をかけました。
「あ、あの・・・」
 隊長は女神を見ると、こう言いました。
「ああ、2人目か」
 巨大化した男は、眼の前にある木造建ての家を蹴飛ばしました。家は空中でバラバラになり、その破片が3人の頭に降ってきました。
「うわっ!
 くそーっ、ストーク号でくればよかったなあ・・・」
「隊長、私が行きます!」
「巨大化するのか?」
「はい!」
「巨大化したら、宇宙人だってことがばれるぞ」
「ふっ、いつかはバレます。構いません」
「ふふ、そうか、じゃ頼む!」
「はい!」
 女神は巨大な男に向かって駆け始めました。
「あの~、隊長。あの人、巨大化したら素っ裸になっちゃうんじゃないですか?」
「ああ、そう言えば・・・」
 でも、海老名隊員はとっても期待してます。巨大化すれば間違いなくヘルメットが砕け散ります。そうなれば女神の巨大な単眼を見ることができるからです。

 人々が次々と家から逃げるように出てきます。それを追いかけるように巨人になった男が道をのっしのっしと歩いてます。寒川隊員がレーザーガンを撃ち、それが男の背中にヒットしますが、あまり効いてません。男が振り返りました。その殺気だった眼にビビッて、寒川隊員はまたもや後ずさりです。
「うわーっ!」
 その男の背後で巨大化した女神が現れました。女神は隊員服もヘルメットもそのまま巨大化してます。それを見て海老名隊員は残念がってます。
「ええ、ウソ! 服もヘルメットもそのままじゃん!」
女神はジャンプして男の背中にドロップキック。
「うぐぁっ!」
 男はよろけて木造家屋を蹴飛ばしながら2・3歩動き、ついに転倒。そのとき、3階建てのコンクリート造の建物に顔面を強打。痛みでのたうち回ります。そのせいでさらに木造家屋が壊れていきます。隊長はこれはまずいと思ったのか、女神に大声で声をかけます。
「おい、一気にたたみかけろ!」
「はい!」
 どうやらフルフェイスのヘルメットに内蔵された自動翻訳機もそのままのようです。
 女神は先ほどの手錠の電気ショックで悶絶した男を思い出しました。
「この男は私が葬ってあげないと!」
 女神は両手をL字に曲げ、両肘を腋に付けました。その手には光が集まってきます。女神は光に満たされた両手を一気に前に突き出しました。その掌が合うと強い光線が生まれ、その光線がのたうち回ってる男の身体を直撃。とてつもない火花がさく裂。それが収まると、そこには男の巨大な死体が転がってました。
 しかし、たくさんの木造家屋が壊れてしまいました。女神はそれを見て、こいつは自分が恨まれるなあと心配しました。けど・・・
「やったーっ!」
「すごぞっ!」
 人々が歓声を挙げてくれてるのです。
「ニューヒーロー誕生だ!」
 それを言った男の子に、その隣にいた女の子が、
「バカねぇ、ヒロインでしょ」
「あは、そうか」
 それらを聞いて女神は戸惑ってます。こんなに歓迎してくれてるなんて、まったく想像してもなかったからです。これを見ていた倉見隊員も戸惑ってるようです。
「おいおい、そいつはエイリアンなんだぞ・・・」
 女神はその倉見隊員を見つけ、縮小化して、倉見隊員の前に立ちました。
「な、なんだよ!」
 倉見隊員はレーザーガンを構えました。
「私の居場所は今ここにしかありません。あなたには都合が悪いのかもしれませんが、しばらくはここにいさせてもらいます」
 倉見隊員はレーザーガンを降ろしました。女神にそれは効かないとわかってるからです。
「す、好きにしろよ」
 倉見隊員は後ろを向いてしまいました。と、遠くに数人の市民が現れ、女神に指さしました。
「おっ、いたぞーっ!」
「あ、まずい」
 女神は細い路地に入り込みました。
「ちょ、ちょっと待ってー!」
 市民たちもあとを追って路地に入り込みました。が、なぜか女神の姿は消えてました。
「あれ、どこに行ったんだろ?」
「あの人、なんだったんだろ?」
「さあ、宇宙人か、ミュータントか・・・」
「人造人間かも・・・」

 テレストリアルガードのサブオペレーションルームです。今隊長がテーブルのイスに座ってる女神に数枚の資料を渡しました。
「あんたの生体データが出たよ」
 隊長はイスに座り、
「この星のばい菌はなんら問題ないらしい。あんたが持ってるばい菌も、この星にはすべて無害だそうだ。もうヘルメット取っても大丈夫だぞ」
「そうですか」
 女神は首筋のボタンを押しました。そして両手で挟むようにヘルメットを掴みました。それを見て海老名隊員がドキドキわくわくしてます。上溝隊員も初見なので、かなり注目してます。でも、倉見隊員は見たくないらしく、横を向いてしまいました。
 ついに女神はヘルメットを脱ぎました。巨大な一つの眼。鼻はなく、口は巨大。海老名隊員はそれを見て思わずイスから立ち上がってしまいました。
「すごーい!」
 女神はちょっと苦笑してるようです。そして何かを言いました。が、地球人には理解不能な言語です。女神は慌ててヘルメットを被り直しました。
「あれ、なんでまたヘルメット被っちゃうの?」
 ここで隊長が一言。
「言葉だよ」
「え?」
「ヘルメットには自動翻訳機が仕込んであるから、ヘルメットを被ってる方がいろいろと便利なんだよ」
 今度は女神を見て、
「ま、どっちにしろ外出するときは、まだヘルメットを被ってた方がいいな」
「わかりました」
 こうして女神隊員のあまりにも長い一日が終わりました。

※第2話はプロットはできてるんだけど、まだ1ページもできてません。完成はたぶん2か月先になると思います。
ジャンル:
小説
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