古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

エピソードから見る内科診療

2020-10-12 09:14:29 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

内科診療で問診は非常に重要とされますが

管理人は間違いなく、問診が結構しつこい医者のうちに
入ると思います。
そのしつこさで 過去何回か
疾患の発見につながったこともあり うざがられつつ
更に問診がしつこくなるという無限ループへ・・(笑)

そのうちの一つを披露します。

昔 勤務していた病院で
ある大学生が、「ここ1か月ほど 食欲が低下している」という主訴で
1か月以内に 3回受診してきました。
3回目は管理人の外来でしたが、管理人にとっては、
初めての患者様です。
前の2回は 同じ病院の他の内科医師が診察して、採血上も異常なく、
特に問題は認められないということでした。

3回目にお会いした時、その大学生は親御さんとの受診でした。
親御さんは他県に住んでおられたのですが、お子の受診に付き添うために
遠路来られたのです。

問診でそれがわかったので、「確実に何かある」と思い
さらに問診を重ねました。

「病院にはめったにかかったことがない(病気をしたことがないので)」

「おなかはすく」んだけど、「食べているうちに食べたくなくなり
半分くらいしか食べられない」。

一貫して 熱はありませんでした。

「おなかは痛くない」
「便秘も下痢もしてない」
「お酒は飲まないし、たばこも吸わない」
「うつ症状はない」

腹部の診察で唯一の所見は、「鳩尾をおしたら 少し痛い」
「押さなかったら特に問題ないし、鳩尾が痛かったことはない」

正直 何の病気か 検討もつきませんでしたが、
訴えに切迫感がありました。

その日は食事をしてこられており、翌日絶食で来るよう指示して 
画像検査のオーダーをかけました。
「腹部エコー」と「胃カメラ」です。

後日、内科部長から
「先生!!あの子!!!!」と言われ
大変珍しい病気が 腹部エコーで見つかったことを
教えて下さいました。

検査を受けた日には管理人はいなかったので、検査所見をみた他の医師が 
大学病院を紹介し、その後 治療を受けたとのことでした。

「腹部エコーをよくオーダーしたね」
「あの若さで、あの主訴なら 普通 内服か
せいぜい 胃カメラしかオーダーしないよ」

と 褒め上手の内科部長に言われました。

緊急性を要しない主訴で
病院に通常来ない人(病院嫌いを含め)が しつこくやってくるときは
実際に何かあることが多い

というのが、管理人の経験上 何回か。

ちょっとトリビアっぽいですが・・・(笑)。

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