古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

医学部ブーム?

2018-05-26 22:31:05 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

最近色んな場面で
学生さんの進路で医学部が
人気(?)ということを聞く機会が増えました。

(業界が泥船とも知らずに・・・(笑))

医療は公的保険で賄われており、規制産業なので
「今のところは」希少価値があるのかもしれませんが
社会保障が膨らみ続ける昨今、
少なくとも収入面の先行きは
明るいとはいいがたいです。
もっともこの話は保険診療の範疇の話であり
社会保険とは関係ない自由診療 
あるいは人造細胞による治療、
遺伝子治療や創薬研究などで
ベンチャー企業などを立ち上げ
上手くいけばストックオプションで
安泰という道を選べば 
経済的な先行きが明るい可能性は
ゼロではありません。

それはさておき

医者に高い偏差値が必要なのか

ということについて 管理人が最近思っていることを
書いてみたいと思います。

医者はまず、患者様の雲をつかむようなお話をお伺いしつつ たくさんある疾患の中から
何の病気なのか どういう処置や投薬が必要か 少なくともその日に家に帰してよいか
家に帰すならどの点に注意を払わないといけないか
ということを考えないといけません。

ですので、優秀な医者になろうと思うのなら 
調べるということを厭わない能力や忍耐力 好奇心が必須です。

外科系や内視鏡治療、カテーテル治療を行う医師であれば、
上記の能力に加え どこに何の血管や神経、臓器があり 
何を損傷してはいけないかという記憶力も必要です。

高等学校までの科目では 英語や
確率統計は医学論文を読み書きする時に必ず必要な知識ですし
倫理学は医学上の人道的な様々な問題に絡んできますし、
化学や生物学(しいて言えば物理学)も 薬学や医学を理解するうえで重要な知識ですが

歴史や地理、数Ⅰ、数Ⅱ(今でもこの分類?)、微分積分などは理解していなくても 臨床医学上はたいして困りません。副教科についても同様です。
国語については、対人産業なので
医学そのものというよりも 仕事をしていくうえで
論理読解力などはある程度はできていないと難しいでしょう。

しかし・・・

同僚や患者様と打ち解けるという点では
古典や歴史や地理や芸術に造詣が深いほうがいいに決まっていますし

数ⅠⅡ微分積分を理解できるなら
物事のポイントをいち早くつかんだり、異なるものを見ても、すぐに共通点を見出すといった
ことも簡単に出来るでしょう。
(微積ができなくても こういうことができる人はいますけれど・・)

医師の中で高偏差値の学歴の人を見ていると
そうでない人に比べて
研究論文を読んだり 
わからないことを調べることを
厭わない人が多いような
気がします。受験勉強の中で、
そういう力を養ってきているからだろうと思います。
試験問題丸覚えで 
たまたま高偏差値の大学を卒業した人もいますが、
そういう人はパターン化された事象しか
強くありません。
本当に頭の良い方は いろいろなことを思いつき
かつそれを速やかに実行するということに長けており、医者でなくても
どの業界でも頭角を現して 
やっていくだろうと思います。

というわけで・・・

好奇心と忍耐力、理解力があれば
(高偏差値の人にこのような能力が高い人が多いが、
必ずしもそうとは限らない) 
優秀な方の医者になれます。
これで謙虚さがあって
コミュニケーション能力が高ければ無敵でしょう。

泥船業界ではありますが(笑)医者をめざす
若い方の参考になりましたら 幸いです。

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