古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

内科学の展望2020 その1

2020-11-22 18:43:20 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

3連休ですが、管理人には相変わらず関係ありません。
今日は 珍しく当院の近くで 内科学会の講演会がありましたので
わざわざ行ってまいりました。

内科学の展望2020
https://www.naika.or.jp/meeting/118-info/prospect48/

新型コロナウイルスワクチンについて 少し触れられました。
勉強していなかったのですが、現在はアデノウイルスベクターワクチン1種類(アストラゼネカ)と
メッセンジャーRNAワクチン2種類(ファイザーとモデルナ(モデルナのワクチンは日本では武田薬品が販売))が 
日本で導入されようとしているワクチンなのですね。その他にも候補にあがっているワクチンがあるようです。

今までの鶏卵培養や細胞培養法により作成された不活化ワクチンのみならず
バイオテクノロジーにより作成されたワクチンが実用化されつつあるとのことで へえ~と思いました。

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アストラゼネカのワクチンについて

LANCETに治験の結果が載っています。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31604-4/fulltext

アデノウイルス自体が感冒のウイルスであり、感冒症状の副作用が目立ちます。

●新型コロナウイルスワクチン「AZD1222」の英オックスフォード大学との共同開発
・アストラゼネカと英オックスフォード大学は、Jenner InstituteとOxford Vaccine Groupが開発する新型コロナウイルスワクチン候補の世界的な開発・販売についての提携を2020年4月に発表しました。共同で開発を行い、臨床試験でワクチンが有効であることが示されれば、アストラゼネカが製造や供給を担うことになります。

・アストラゼネカとオックスフォード大学が開発を進めているワクチン「AZD1222」(以前の開発番号:「ChAdOx1 nCoV-19」)は、ウイルスベクターワクチンです。チンパンジー由来の風邪のアデノウイルスが複製できないように処理をし、それを利用して新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイク蛋白を形成する遺伝子を身体に入れます。スパイク蛋白への免疫を身体につけることによって、コロナウイルスの感染の防御を狙うワクチンです。

・アストラゼネカは世界的に公平なワクチンの供給を目指しており、世界中の政府や関係機関、製造業者とパートナーシップを締結し、ワクチンの開発、配分、供給に取り組んでいます。なお、パンデミック期間中においては、営利を目的とせずワクチンを供給することを考えています。

・2020年7月20日付けのLancetに、AZD1222の第I/II相試の中間結果が掲載されました。すべての被験者においてAZD1222の忍容性が確認され、SARS-CoV-2ウイルスに対する免疫反応を生成したことが示されています。

・2020年8月7日には、「AZD1222」ワクチンの日本国内における供給について、日本政府と基本合意書を締結しました。日本政府の要請に応えるべく、アストラゼネカは、薬事承認などを含めた接種環境が整い次第接種が開始できるように、2021年初頭より1億2千万回分のワクチンの供給が可能となる体制を構築します。

日本における安定供給に向けて、アストラゼネカはワクチン原液の調達については、JCRファーマ株式会社への製造委託と海外からの輸入を並行して進めます。これらのワクチン原液を用い、第一三共株式会社、第一三共バイオテック株式会社、Meiji Seikaファルマ株式会社、KMバイオロジクス株式会社によって、バイアル充填から保管・配送といった接種に必要な準備が行われる予定です。アストラゼネカは各パートナーと協力しながら生産能力の増強に全力で取り組んでいきます。

・9月6日、標準的な評価プロセスに則り、安全性データの第三者委員会および治験を実施している各国の規制当局による評価を可能にするため、臨床試験におけるワクチン接種が自主的に中断されました。その後、英国では英国医薬品庁による確認を受け、安全に配慮した試験再開が可能だとして、9月12日に臨床試験が再開されました。

日本国内においては、アストラゼネカは、英国における評価結果およびこれまでに得られた安全性データを評価し、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議の上で、被験者の安全性に配慮した形で試験を再開することが可能だとして、国内第I/II相試験の再開に至りました。

https://www.astrazeneca.co.jp/media/othernews/initiative.html  より 一部抜粋
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ファイザーのプレスリリース

https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2020/2020_11_19.html

タイトル:
ファイザーとBioNTech、COVID-19ワクチン候補の国際共同第3相臨床試験ですべての主要な有効性評価項目を達成
有効性に関する主解析において、BNT162b2は1回目接種から28日経過した時点以降のCOVID-19の予防に95%の有効性を示した。本解析は確定診断された170例のCOVID-19発症例を対象とし、プラセボ群で162例、ワクチン群で8例の感染がそれぞれ認められた。
有効性は年齢、性別、人種・民族で一貫しており、65歳を超える成人では94%を超える有効性が認められた。
米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可(EUA)に求めている安全性データの収集を達成した。
43,000人を超える参加者を組み入れ、すべての集団においてワクチンの忍容性は良好であることを示すデータが得られた。重大な安全性の懸念は認められず、グレード3の有害事象で頻度が2%を超えるものは、疲労3.8%と頭痛2.0%のみであった。
両社は数日以内にFDAにEUAの申請を行い、世界中の規制当局にもデータを共有することを計画している。
両社は2020年に最大5,000万回分、2021年末までに最大13億回分のワクチンを世界で生産することを見込んでいる。
ファイザーは豊富な経験、専門知識と既存のコールドチェーンのインフラを活用し、世界中にワクチンを流通できると確信している。

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武田薬品のプレスリリース

https://www.takeda.com/newsroom/newsreleases/2020/takeda-expands-covid-19-vaccine-supply-in-japan-through--partnership-with-moderna-and-government-of-japan/

2020年10月29日、大阪、日本武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)(「武田」)は本日、2021年上半期から5,000万回のモダナのCOVID-19ワクチン候補mRNA-1273を輸入・配布すると発表しました。この取り組みは、武田、県立、厚生労働省(MHLW)との三者間協定の一環です。Modernaは以前、米国の100 μg用量レベルでのmRNA-1273の30,000人の参加者フェーズ3臨床試験が完全に登録されていることを発表しました。これは、日本の施設でNovavaxのCOVID-19ワクチン候補を製造し、日本の人々に長期的な供給を提供する能力を確立するという武田の最近の発表に続くものです。
(自動翻訳による翻訳です)

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各々のワクチンの具体的な製造方法については 日経バイオテクの記事がわかりやすいです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61944150X20C20A7000000/

アストラゼネカ社のワクチンは 2名に多発性硬化症と横断性脊髄炎の発症があったので
随時 治験が中止になっていたようですが、その後 治験は再開されているようです。

ワクチンが輸入されたら 医療従事者と高齢者が優先で接種されるとのことですが・・・・

日本ではバイオテクノロジーによるワクチンの製造方法が珍しく、実績の乏しいワクチンなので、
いの一番に接種していただけるのはありがたいのですが、正直 あまり気が進まない・・とか書いたら
怒られるのかなあ・・。(講演会で聞いたところによると、副作用が出たら(ってどこまで?) 
国家賠償の対象になるとのことです)

https://komori-hp.cloud-line.com/

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