こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

2010年07月03日 | 仏教

漫画を読んでましたら、
こんなくだりがありました。

k:「もし世界を巧みに支配している奴らがいて、
  僕たちは気付かないうちに搾取されている奴隷だとしたらどうします?」
b:「時という字を考えてみろ。時は、日に日に寺へ近づくと書くんだ。どんな金持ちでも
  いつかは寺の世話になる。  そう思えば気が楽だろう。」
k:「なるほどね~」

なんだか一人で吹き出して笑っちゃいましたけど、
まさかこれが本当の「時」の意味じゃないよなあ、
って思いながら手元の学研「漢字源」をパラパラと。
するとね、思わぬ収穫です。(笑
「寺」と言う漢字。この字は、「寸(て)+之(あし)」で、
手足を働かせて仕事をする、っていう意味とか。
時という字は、日+寺で日が進行するっていう意味になるらしいです。
之は(いく)と同系で、足が直進することをいい、日が流れていくことを時というと。
お~、なるほどお。

んで、やっぱり気になった「寺」という字。
もちょっと詳しく知りたいなっ、ってことで「寺」のところを覗いてみると、
②庶務・雑用を取り扱う役所。ってあります。
で、字の解釈には、手足を動かして働くこと。
侍る(はべる)や接待の待つという字の原型であると。
もともと雑用をつかさどる役所のことだったけれど、
漢代に西域から来たお坊さんを鴻臚寺という接待所に泊めたため、
あとに寺のことが仏寺の意味に用いられるようになったとか。

そっか~、寺って町役場だったんだあ。そういえば、
私が住職勤めるこの寺も、戦前までは、町議会の議場だったこともあるし、
当時の住民票もあったりするしね。
ああ、江戸時代にはお寺で絵踏みもやってた史実も残ってるしで、
そういう意味では、本来の役所の意味合いも含んでますねえ。

にしても、「寺」という字が手足を動かして仕事をする意味、ってのは面白い。
たとえば、言べんに寺というつくりで、
「詩」、ポエムですね。これは、言葉でもって思いの世界を多様に表現した(言葉を働かせた)文章、
って意味でしょうかしらね? う~ん、漢字って深いですねえ。
とすれば、ひどく気になりますのが、やまいだれへんに「寺」。
そう、「痔」という字。これはよく言われてますのが、
座っているのが仕事のお坊さんに最も多い病気だから、
という話も聞いたことがありますが、本当に僧なんでしょうか?(笑
でも、元来は役所の意味だったらしいので、事務仕事の多い役人さんならでは、
の病気だからか?
ただ、今回の字義に従いますと、「痔」とは、
「いつまでもしつこく悩ませてくれる働き者の病気」という意味かも知れませんねえ。
ほんとかなあ???
誰か知ってる人!教えて下さい。

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