京都の闇に魅せられて(新館)

京都妖怪探訪(45):祇園祭宵山・その2




 シリーズ前々回前回に続いて、今月16日の祇園祭……いや、祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)の宵山についての記事です。

 まずは前回の「役行者山」のあった室町通りの周辺から、その辺りにあった山鉾をいくつか紹介します。
 まずは、室町三条からしばらく南へ下がって、「鯉山」という山鉾に。





 鯉が竜になるために滝登りをするという伝承をもとに作られた山鉾だそうです。
 ところで、確かこの辺りだったでしょうか?
 創業から270年以上という老舗のお店が次のようなものを飾っていました。





 この中に2匹だけ金色の鯉が描かれていて、それを「みつけたら幸せになるかも?」ということですが……。


 さらに室町通りを南下して、蛸薬師通りをちょっと東に入ります。
 以下は、町屋のひとつで公開されていた「橋弁慶山」の一部です。





 「橋弁慶山」という名からもお気づきかもしれませんが、源義経と弁慶が五条橋で戦った時の物語にちなんで作られた山鉾です。
 義経と弁慶の像もあるはずなのですが、この時は橋しか公開されていませんでした。
 本当は完全公開される17日の山鉾巡行も見たかったのですが、今年は仕事の都合で行けませんでした。
 残念、また来年。


 さらに室町通りを南に下って、錦小路通りに行きます。
 錦小路通りをさらに東に行けば、シリーズ第28回でとりあげました錦市場と錦天満宮があるのですが、今回の目的は錦小路・室町をちょっと東に入ったところにある「占出山」です。








 神功皇后が肥前国松浦で鮎を釣って戦勝の兆(しるし)としたという伝説に基づいて作られたという山鉾です。
 これもきちんと、御神体の神功皇后像くらいはみておけばよかったな、と思います。

 ところで朝鮮半島に出兵したという神功皇后は、我々日本人からすれば英雄であっても、朝鮮半島の人たちにとっては侵略者だよな、などと余計なことを考えたりしましたが……。
 ……っと、ここではそんな野暮なことは言わない方がいいかな(笑)。

 
 さらに南下して、四条通りに出る少し手前のあたりにある「菊水鉾」です。











 ここで祀られている御神体は、800年以上生きたとされている古代中国の仙人・彭祖(ほうそ)です。
 む? 彭祖といえば確か……「房中術」とかいうものを伝えた仙人……つまり、いわゆる「男女の営み」のノウハウを作った人……というイメージがまず第一に思い浮かんでしまいました。
 より正確にいえば、特殊な呼吸法や「医食同源」など、後世の養生法も元にもなった長寿法を伝えた人物であり、「房中術」もそれらの長寿法のうちのひとつに過ぎなかったのですが……。
 こんな発想が真っ先に出てくるとは、やっぱり駄目だ。俺……(汗)。


 四条通りを烏丸通りにまで出て、烏丸四条の交差点を少しだけ北上したところには、「孟宗山(もうそうやま)」が。
 




 「孟宗山」に御神体として祀られている孟宗という人物は、三国時代の中国・呉の高官となった人物で、自分の地位等も省みずに母を尽くしたという人物としても知られています。
 人形は宵山で公開されていなかったようですが、この山に乗せられる孟宗像は、母のために冬の竹林から筍を掘り出してきた時のエピソードを元に作られたそうです。

 ところで「山」が置かれているすぐ傍に、「孟宗山」と書かれた提灯がある、何かの入り口が。
 ちょっと中に入ってみることにします。








 中にはたくさんの人が。
 御神体や、山にかける錦綴などがあるようです。
 ちょっとお参りをしていきます。








 残念ながら、この時孟宗像は完全公開はされていなかったようです。
 ところで、隅の方に祠が。
 そこにもお参りをして行こうかと思ったら、なんとシリーズ第20回『三年坂』シリーズ第30回『六道珍皇寺』でも見られた、「延命地蔵大菩薩」の祠でした。





 実は、結構メジャーな神仏なのでしょうか?
 
 ちなみに、ここではあの平山郁夫画伯が原画を描いたという2枚の綴織も。
 これは思わぬものをみることができました。






 以上、ここまでざっと、祇園宵山で公開されていた山鉾をいくつかめぐりました。
 
 長くなりましたので、今回はここまでとします。
 続きは、また!
 



*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm


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