京都の闇に魅せられて(新館)

北野天満宮の飛び梅 @ 京都妖怪探訪(538)





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 どうも、こんにちは。
 今年もまた梅の季節がやってきました。
 そこで『京都妖怪探訪』シリーズでは、今年もまた『霊場魔所の梅花』シリーズをやりたいと思います。
 怪しげな伝説・伝承が残る霊場魔所の花こそ美しい。
 私はそのように考えております。

 今年(平成30年、2018年)最初の霊場魔所の梅は。
 定番と化してはいますが、京都・北野天満宮の梅園の梅と、伝説の「飛び梅」とを観ていきます。

 まずはいつもの通りアクセスから……と言いたいところですが、本シリーズで何度か訪れましたので、今回は省きます(笑)。
 まずは、毎年梅の時期に公開される梅園から。








 私が訪れた時は、満開にはなっていなかった。
 まだ蕾の花も見られる、五分咲きか七分咲きくらいだったかな、と思います。
 しかしこういう梅の光景もまた、いいものです。












 晴れ渡った空を背景に、梅の花が映えて見えます。












 本殿へと礼拝に行きます。






 本殿前に咲く梅は「飛び梅伝説」の梅だそうです。
 飛び梅伝説。
 本シリーズでは、第399回第475回で菅大臣社を訪れた時にとりあげましたが、ここで改めて紹介します。

 菅原道真が藤原時平らの謀略によって太宰府へ飛ばされる時のこと。
 屋敷の庭木のうち、日頃から特に愛でてきた梅の木・桜の木・松の木との別れを惜しみました。
 そのときに梅の木について、次のような歌を読みました。

「東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅花(うめのはな) 主なしとて 春な忘るな」

あるいは、

「東風ふかば にほひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ」
 
 現代語に訳すますと「梅の木よ。主(私)がいなくなっても、春が来るたび忘れること無く、芳しい花を咲かせておくれ」という意味になるそうです。
 3本の木のうち、桜の木は悲しみのあまりみるみるうちに葉を落とし、ついに枯れてしまいました。
 松の木は、道真の後を追おうと空を飛びましたが、摂津国八部郡板宿(現在の兵庫県神戸市須磨区板宿町)辺りで力尽きて、その地に根を降ろします。その地は後に「飛松岡」と呼ばれるようになります。
 梅の木は、道真の居る太宰府へ飛んで、その地に根を下ろしたと伝えられています。
 太宰府天満宮に、飛んでいった方の梅が御神木して祀られているそうです。 
 で、元あった方の梅の木が、菅大臣社とここ北野天満宮の本殿前に現在もたっているというわけです。
 一本の梅の木が千年以上も生き続けるということは現実には考えられませんので、今ある「飛び梅の木」はいずれも、その何代か後の子孫の木でしょう。
 飛び梅伝説も、「道真の縁者や関係者の誰かが、その梅の苗木か種を太宰府まで運んで、それが後に“飛び梅”伝説になった」とする説もあるようですが、真相はわかりません。





 伝説の真相はともかくとして。
 おそらくは千年以上前から人の世の移ろいや悲喜劇を観続けてしたであろうこの木は、今も咲き続けている。
 この木と、菅大臣社にある飛び梅の木を観る度に、何か感慨深いものがあります。





 今回はここまで。
 また次回。




*北野天満宮へのアクセス・周辺地図はこちら


*北野天満宮のHP
http://www.kitanotenmangu.or.jp/




*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




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