京都の闇に魅せられて(新館)

黒谷・金戒光明寺の夕陽と敦盛伝説





(記事中の写真はクリックで拡大します。プライバシー保護等の為、人の顔部分に修正を加えていることがあります)


 どうも、こんにちは。
 昨年12月29日からの「黒谷・真如堂の紅葉を巡る」シリーズの続きです。
 というより、これがこのシリーズ記事の最後になります。
 『平家物語』『源平盛衰記』や、それを元に創られた能や歌舞伎の『敦盛』などで描かれた、平敦盛(たいらのあつもり)と熊谷直実(くまがやなおざね)の物語。
 今回は、そのゆかりの地を、沈む夕陽を眺めながら巡ります。

 昨年12月29日記事から前々回記事までの間に、黒谷・金戒光明寺‘真如堂’真正極楽寺を巡り、最後に金戒光明寺の東側に広がる墓所へ。








 もう既に西の空へ日が傾きはじめています。
 なお、この蓮池の辺りには、出家して法然上人に弟子入りした「法力房蓮生(ほうりきぼうれんせい)」という人物の庵から始まったという「紫雲山・蓮池院(れんちいん)」という建物があります。
 この建物は「熊谷堂」とも呼ばれ、開基者の出家前の名、熊谷直実(くまがやなおざね)に因んでいます。
 この「熊谷直実=法力房蓮生」なる人物と、平敦盛(たいらのあつもり)という平家の若武者が、今回の主人公です。


 陽がさらに沈んでいく中で。







 広大な墓地の広がる斜面を登っていく途中に。







 浄土宗の開祖・法然上人の御廟前に。






 この御廟前に向かい合うようにして立っている、2つの墓があります。
 ひとつは、平家の若武者・平敦盛(たいらのあつもり)の墓です。








 ひとつは、元は源氏の武士・熊谷直実(くまがや・なおざね)、後に法然上人の弟子・法力房蓮生となった人物の墓です。








 昨年12月29日記事の復習にもなりますが、ここで これは『平家物語』『源平盛衰記』や、それを元に創られた能や歌舞伎の『敦盛』などで描かれた、平敦盛(たいらのあつもり)と熊谷直実(くまがやなおざね)のエピソードを少し紹介説明しましょう。
 かの源平合戦の有名な戦いのひとつ、一の谷の戦いでのこと。
 平家の若武者・平敦盛は、笛の名手でもあり、戦いが劣勢になり味方が海上の船へと敗走する中、愛用の笛を取りに戻った為に逃げ遅れ、追ってきた源氏方の武士、熊谷直実に追いつかれてしまいます。
 直実は身なりから「この武将は名と地位のある武将に違いない。こいつを討ち取れば手柄になる」と意気込んで、
 「あなたは名のある武将とお見受けした。敵に背を向け逃げるとは卑怯なり。戻られよ」
と呼びかけ、戦いを挑みます。
 実戦経験の差もあって、敦盛は直実に押さえ込まれます。
 しかし直実は、相手の顔を見て、自分の息子くらいの年齢の若者だということに気付きます。
 そして「殺したくない」という気持ちが沸き起こってくるのですが、味方の軍が追いついてきたので、立場上見逃すことは出来なくなって、泣く泣く敦盛の首をはねます。
 このこともあって直実は、武家の道に絶望し、後に出家、法然上人の弟子・蓮生坊(法力房蓮生)となります。
 この有名な物語の主人公二人の墓が、現在も法然上人の御廟前に向かい合って立っているのです。
 ちなみに、かの織田信長が合戦の前に歌い、舞ったことで有名な「人間五十年、下天のうちをくらぶれば夢幻の如くなり」という人の生の儚さを歌った曲は、幸若舞『敦盛』の一説だそうです。


 さらに広大な墓地の斜面を登り、上に立つ三重塔へ。







 階段の途中で振り返ると、大分陽が沈んでいました。







 三重塔の下には、私以外にも夕景を眺めようとしている人たちの姿も。







 私も三重塔の下から夕陽を眺めます。
































 法然上人や法力房蓮生など浄土宗門徒が目指すという極楽浄土は西方にあると伝えられています。
 そうです、夕陽が沈む西の空の彼方にです。


 果たして平敦盛と熊谷直実(法力房蓮生)の2人は、あちらの世界で和解することが出来たのだろうか。
 夕陽を眺めながら、そんなことを考えてしまいました。






 今回はここまで。
 また次回。





*金戒光明寺へのアクセスはこちら




*浄土宗大本山・金戒光明寺のHP
https://www.kurodani.jp/




*『京都妖怪探訪』シリーズ
https://kyotoyokai.jp/




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