どうも、こんにちは。
もう桜の時期は過ぎた……などと思われがちですが、まだ桜の美しい場所は残っているものです。
桜の中でもソメイヨシノなどはもう盛りを過ぎてはいるのですが、八重桜など遅咲きの桜がまだ咲き誇っている場所もあるようです。
今回の『霊場魔所の桜シリーズ』では、本シリーズでも何度か取り上げました、「千本ゑんま堂の普賢象桜の、今年の様子をお届けします。
千本ゑんま堂へのアクセスは、以前にも紹介したことがありますので、今回は省略します。
アクセスについての詳細は、こちらをご覧ください。
この時期のソメイヨシノなどは既に見頃を過ぎていましたが、ゑんま堂の庭には、「普賢象桜」という八重桜が咲き誇っていました。
ここで少しばかり、「普賢象桜」について説明を。
千本ゑんま堂HPの「普賢象桜」のコーナーには、次のように書かれています(以下、引用)。
>往古の朱雀大路頭(すざくおおじがしら)船岡山の刑場の麓に植えられた当山発祥の桜です。一ひら二ひらではなく、花冠のままぼとりと落ちるこの桜の散り様が、さながら斬首される囚人の姿に似てるため、中世の所司代は、この花を獄舎の囚人に見せ、仏心を起こさせたとも伝わっています。応永 15年(1409)、後小松天皇の薦めで当山を参詣した将軍・足利義満は、境内に咲き誇ったこの桜に感服したそうです。
花の中心からみどりの葉が二本伸びていて普賢象菩薩の乗る象のきばのように見えると言うのです。
(引用ここまで)
姿形だけでなく、その歴史も随分とユニークな桜です。
しかし考えようによってはちょっと怖い感じもします。
「花冠のまま落ちるこの桜の様子が斬首される囚人の姿を想起させる」という話ですが、これを見た囚人は「仏心」だけでなく、「恐怖心」や「無常観」をも起こさせたのではないかという気がしてくるのですが……。
桜にはどことなく死のイメージがつきまとうようですが、この普賢象桜も、閻魔大王と地蔵菩薩を祀るこの場所にふさわしく、死や無常のイメージがどことなく感じられるようです。
普賢象桜と紫式部の像。
紫式部といえば、『源氏物語』の作者として有名ですが。
そんな紫式部の像と供養塔が何故、このような場所にあるかといいますと。
ひとつは、「紫式部が千本ゑんま堂を開基した小野篁に憧れていたから」という説。
もうひとつは、「紫式部が地獄に落ちて苦しんでいたのを、小野篁が救った」というもの。
何故、紫式部が地獄に落ちたかといいますと。
『源氏物語』という当時としては、あまりにもエロい小説を書いてしまったので、地獄に落ちたとか。
しかしそれならば……。
官能小説家とか、エロ漫画家とか、エロゲー制作者とか、AV制作者とか、やおいやBLの同人作家などもみんな地獄行き。現代社会は地獄行きになりそうな人であふれかえっているような気がするのですが(苦笑)。
さらに『今鏡』という歴史文学書の記述によれば、紫式部は「源氏物語という架空の愛欲小説を書いて人々を惑わした」ことが、仏教の「不妄語戒(嘘をついてはならない)」に反したので、大焦熱地獄に落とされたという話ですが。
それならば、小説や演劇、漫画、アニメなどのフィクションを創っている人たちも皆、地獄行きということになるのではないか、という疑問が。
最近、世界の地獄などについて少し勉強し始めているのですが、仏教の地獄行きの基準は結構厳しくて、現代人のほとんどは地獄行きになりそうです(苦笑)。
話を境内の庭散策に戻します。
普賢象桜以外の花も咲いていました。
そして、境内庭に祀られている‘わらべちゃん’こと「童観音(わらべかんのん)」と普賢象桜です。
実は、2年前(シリーズ第179回の時)にも、ここの普賢象桜を撮っていました。
あの時と変わらず、春になると美しく咲き誇ってくれる普賢象桜も、私にとっての楽しみのひとつです。
こういう四季毎の自然の美しさとたくましさを目にする時が、私は「日本人に生まれてよかったな」と思える瞬間のひとつです。
それでは今回はここまで。
また次回。
*白千本ゑんま堂へのアクセス・周辺地図は、こちらをご覧ください。
*千本ゑんま堂のHP
http://yenmado.blogspot.jp/
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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