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どうも、こんにちは。
京都の「祇園祭」は、7月31日の「夏越祭」まで続きますので、あと1回、今年の祇園祭の記事を。
今回と次回とで、今年の前祭(さきまつり)の宵山の様子をお届けします。
まず、今回のスタートは、京都市のほぼど真ん中、「四条烏丸」の交差点です。
ここには京都市の中心部だけあって、京都市営バス「四条烏丸」停留所、京都市営地下鉄「四条」駅、阪急電車「烏丸」駅などの交通手段があります。
まずは、四条烏丸から烏丸通りを少し北へ。
祇園祭の山鉾のひとつ、「孟宗山(もうそうやま)」と会所が見えてきます。
この山鉾で祀られている「孟宗(もうそう)」という人は、「中国・二十四考」の一人にあげられている人物です。
三国時代の中国・呉の高官となった人物で、自分の地位等も省みずに母を尽くしたという人物としても知られています。
孟宗の母が病になり、「筍が食べたい」と言い出します。しかしその時は冬、筍が生えているはずがありません。それでも孟宗は、雪が降り積もる中、必死で筍を探し続けます。するとその祈りが通じたのか、孟宗は雪の中から筍を掘り当てることができ、それで汁物を作って飲ませたら、たちまち母の病が治った。
「親孝行の心が天に届いて奇跡を呼んだ」という話ですが、この故事から「雪中の筍」という言葉も生まれたくらい、東寺は有名だった話です。
会所の中にも入っていきます。
故・平山郁夫のらくだの絵など、山を飾る宝物も。
奥にはご神体の、孟宗の人形が。
この時は幕が掛かってよく見えませんでしたが、雪の中で筍を探す姿を表現しています。
以下は2013年の山鉾巡行での写真ですが、孟宗山が巡行する様子です。
この「孟宗山」の様に、祇園祭の山鉾には、それぞれ東寺有名だった故事や物語、人気のキャラクターなどが使用されていて、ある種のストーリー性やエンターテイメント性があります。
現在で言えば、ミッキーマウスやディズニーランドのパレードのようなものです。
今年のそんな山鉾のうち、いくつかを回ってみます。
次に、四条烏丸の交差点に戻り、四条通りを西へ。
「函谷鉾(かんこぼこ)」です。
この鉾のテーマは「個性派君主とゆかいな仲間たち」というべきでしょうか。
この鉾は、「古代中国(春秋戦国時代)・済国の孟嘗君(もうしょうくん)による函谷関(かんこくかん)脱出」の故事をモチーフに創られています。
古代中国(春秋戦国時代)・済国の君主・孟嘗君は、「どんなものでもいいから何か一芸に秀でた者を採用し、食客として迎え入れる」という、現代から見ても非常にユニークな人材登用の方法をとっていました。その数は数千とも言われていました。
ある時、孟嘗君は秦国で事実上囚われの身となりましたが、食客の一人に「狗盗(犬のように素早い盗みの名人)の活躍によってひとまず脱出に成功します。
しかし、秦国に国境にある「函谷関(かんこくかん)」という鉄壁の防御を誇る関所に行く手を阻まれます。秦の追っ手が迫り、すぐにでも逃げなければならないのに、函谷関は夜間は閉じられています。その時、食客の一人である物真似の名人が名乗り出て、鶏の鳴き真似をします。すると、他の鶏たちもつられて鳴き始め、「夜が明けた」と勘違いした門番は函谷関を開き、孟嘗君は無事秦国から逃げ出し、済へと生還することができました。
日頃、孟嘗君の人材登用に批判的だった学者や武人なども、この時ばかりは孟嘗君の見識に感心せざるをえなかった、という話です。
この故事から、「鶏鳴狗盗(けいめいくとう)」という四字熟語が生まれました。
こういう面白いエピソードもあった山鉾なのですが、今回は残念ながらゆっくりと訪れることが出来ませんでした。
また来年以降の楽しみにとっておきます。
以下も2013年の山鉾巡行での写真ですが、函谷鉾が巡行する様子です。
四条通りから室町通りに。
そこから室町通りを少し北上すると「菊水鉾」があります。
この山鉾のテーマは、「永遠の美少年」。
この町内にあったという「菊水井」という名水の出る井戸と、不老長寿になったという伝説上の美少年「菊慈童(きくじどう)」に因んで創られた山鉾です。
この山鉾にも、非常に面白いものがいろいろあるのですが、詳細はシリーズ第409回をご覧ください。
あー。
でも。
ここの会所で売られている、お茶菓子とお皿ぐらいはいただいておけばよかったかな、と今更ながら思いますが。
以下も2013年の山鉾巡行での写真ですが、菊水鉾が巡行する様子です。
次は室町通りから錦小路通りへ。
通りを少し西へ行き、「霰天神山」へ行きますが、記事がそこそこの長さになりましたので、今回はここまで。
続きはまた次回。
*八坂神社のアクセス・周辺地図はこちら。
*祇園祭のHP
http://www.gionmatsuri.jp/
*八坂神社のHP
http://www.yasaka-jinja.or.jp/
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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