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京都の闇に魅せられて(新館)

2018年・霊場魔所の初詣 @ 京都妖怪探訪(529)





(記事中の写真はクリックで拡大します。プライバシー保護等の為、人の顔部分に修正を加えていることがあります)


 どうも、こんにちは。
 今年の正月も初詣に行ってきました。
 ただ初詣は、普通の初詣だけじゃあ面白くない、 『京都妖怪探訪』シリーズを続けている私にふさわしく(笑)、シリーズでとりあげた霊場魔所でもめぐろうかと、思い立ちました。


 京都市営バス「清水寺」停留所から。
 松原通りを歩きます。





 この通りはシリーズ第202回等でも紹介したように、平安京時代から葬送地(への道)だった。しかも、三途の川(鴨川)から向こうのあの世に見立てられていたという、一種の異界だったのです。
 今でもその当時の遺構や痕跡がいくつも遺されてということは、本シリーズで何度か紹介しましたが。
 
 バス停のある東大路通りからしばらく松原通を西へ歩くと、「六道の辻」と呼ばれるT字路に。





 その名の通りここは、仏教の“六道輪廻転生”の分岐点に見立てられた場所なのです。
 この辺りが京都の葬送地として使われていた時代では、だいたいこの辺りで死者とお別れしていたそうですから。
 なお、シリーズ第31回等で紹介しましたが、ここには「子育て幽霊」伝説で、幽霊の母親が幼子に買い与えたという飴が現在でも売られているというお店もあります。
 また、その斜め向かいには西福寺という古刹があります。





 ここは一見、どこにでもあるような小さなお寺に見えますが、ここは空海の時代から続き、嵯峨天皇の后・檀林皇后がここで空海に帰依したと伝えられています。
 また、シリーズ第53回第203回などでもとりあげましたが、ここには地獄絵が古くから遺されており、毎年8月8日~10日の「六道まいり」の時期だけ公開されています。
 専門の研究者の方による、地獄絵の解説もあります。なお、第203回には、妖怪絵師・伝道師の葛城玄幽氏による地獄絵解説の動画も貼っていますので、興味ある方はどうぞ。
 西福寺に祀られている不動明王にも礼拝。





 「子育て地蔵尊」とも呼ばれるように、ここには地蔵尊も祀られ、そして多くの水子や子供の霊も祀られています。
 昔は医療技術や福祉制度などもなかったので、子供の死亡率も高かったようですから、多くの子供の霊もこうして祀られているのでしょう。
 「子育て幽霊飴」伝説が遺されているのも、こういう事情が関係しているように思われます。
 ここを訪れる度に、少し感傷に浸ってしまいます。


 六道の辻から南へ少し歩くと、六波羅蜜寺へ。











 元旦から三日まで、弁財天堂での初稲穂の授与、皇福茶の授与などの行事があるので、多くの参拝者で賑わっていました。
 この六波羅蜜寺は、平安時代の高僧・空也上人によって開かれた古刹ですが、本シリーズで何度も取り上げたように、ここには面白いものがたくさんあります。





 まず、ここの宝物館には、貴重な、面白い仏像がいくつも安置されています。
 上記写真の様に、日本人のほとんどが教科書などで一度は目にしたことがある平清盛像とか。
 また、シリーズ第158回で少し紹介しました、「僧となって貧しい娘を助けた」という伝説のある通称「髪掛地蔵」とか。
 口から七体の阿弥陀仏を出している空也上人像とか。
 さらに「平安時代にかつて三途の川より向こうの世界を模して作られた」という松原通りに祀られていたと考えられる閻魔大王像や奪衣婆像など。
 重要文化財の薬師如来像と四天王像も。実はここを元旦に訪れた目的のひとつが、薬師如来像を拝むためなのです。
 確か何年か前、この宝物館を訪れた時、宝物館の方から「正月に薬師如来さんを拝むと、薬師如来さんを千日拝んだのと同じくらいの功徳が得られますので、正月は是非ここに拝みに来てください」と言われましたので、それを真に受けて(笑)、毎年の正月にはどこかで薬師如来さんを拝むようにしております。
 他、本堂には国宝かつ秘仏とされる本尊・十一面観音菩薩像もありますが、これは辰年にしか公開されません。
前の辰年にお目にかかれましたが、その当時の様子はシリーズ第247回をご覧下さい。しかしあれからもう4年以上経ちましたか。次のご開帳まであと7年と10ヶ月ほどになるでしょうか。

 本堂の梁に描かれた龍の絵です。





 シリーズ第247回で取り上げましたが、昔この辺りに棲んでいた悪竜を、空也上人が打ち負かして改心させ、この寺の守護者としたそうです。
 その伝説に基づいて描かれたのが、この絵です。
 ファンタジーRPGオタクな私は、「竜(ドラゴン)を屈服・改心させるとは、空也上人は一体何レベルだ!?」とかアホなことを考えてしましましたが……。


 何故か境内の一角にある「なで牛」の像。





 「あれ? こういう牛の像は、天満宮とか菅原道真を祀っている神社にあるものでは?」とか、疑問に思いましたが。
 “妖怪絵師・伝道師”葛城玄幽氏の仮説によれば、「かつて六波羅蜜寺境内にも天満宮か天神社があって、その名残ではないか」ということですが、さて?

 あと弁財天も祀られているのですが、それについては理由があってまた後日にとりあげます。

 そして今回の目的のひとつ、「皇福茶」をいただきます。





 一見すると、梅干しと結び昆布が入った普通のお茶ですが、シリーズ第246回でも紹介しましたように、これには「飲めば疫病すら治癒する」という伝説が遺されています。
 毎年の正月3日間のみ授与され、私もほぼ毎年の正月にはこれを飲みに訪れることにしています。
 ちなみに、ファンタジーRPGバカである私は「まるで優れた効果を持つ回復アイテム、重度のステータス異常をも回復してしまうスーパーヒーリングポーションみたいだな」だとか、「このネタ・アイデア、和風ファンタジーとかで使えないのかな」だとか、やはりアホなことを考えております……。


 元旦での目的を果たして六波羅蜜寺を後にした私は、次に「小野篁が地獄へと通っていた」という伝説の井戸が遺されている「六道珍皇寺(りくどうちんのうじ)」へ。





ここはシリーズ第29回第206回第460回など、今まで何度もとりあげた面白いスポットですが……。
 もう17時近くになっていたので、既に閉まっていました。
 ここのご本尊も薬師如来さんだったので、拝んでいこうかとも思ったのですが……残念、また次回。
 とりあえず薬師如来さんは、六波羅蜜寺で拝んでおいたから、今回はよしとするか。


 元旦の最後に、あと一カ所参拝を。
 京都・祇園の八坂神社へ。





 京都の事実上の中心街にあり、有名神社のひとつであるだけあって、元旦はご覧の通り多くの人で賑わっている……というより、ごった返しています。












 人混みにもまれながら、何とか本殿に辿り着き、礼拝を済ませました。


 なお今年の初詣で。
 あえて六波羅蜜寺、西福寺、六道珍皇寺、そして近所の小さな神社を選んだのには、私の個人的な思想信条上の理由がありますが、本シリーズを始めて以来「こちらのブログではなるべく政治的な話はしない」と決めておりますので。
 本記事内で直接言うのは遠慮しておきますが、こちらのTwitter発言及び続きのスレッドに書いてありますので、興味あるという物好きな方のみご覧下さい。

 最後にもうひとつ。
 今年の初詣で何を願ったからですって?
 弊ブログ及ぶ本シリーズを長く読み続けてきた方ならご存知かもしれませんが。
 何もお願いをしませんでした。
 というより私は、神様や仏様には滅多なことではお願いをしないことにしています。
 その理由はこちらの過去記事に書いてあります。






 こうして今年の初詣を終え、安心して帰路につきました。






 今回はここまで。
 また次回。




*六波羅蜜寺へのアクセス・周辺地図はこちら


*六波羅蜜寺のHP
http://www.rokuhara.or.jp/




*八坂神社へのアクセス・周辺地図はこちら


*八坂神社のHP
http://www.yasaka-jinja.or.jp/




*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




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