
どうも、こんにちは。
今回も、今年の祇園祭「後祭」に登場する山鉾を紹介していきたいと思います。
今回は特に人気のある山のひとつ、「鯉山」を紹介します。
鯉の滝登り伝説。
中国・黄河の上流にある竜門山から流れ落ちる滝、竜門を登りきった鯉が竜になるという伝説。そこから「登竜門」などという言葉も生まれたという。
鯉山はそんな伝説をモチーフに創られた山鉾です。
まずはシリーズ前々回の「黒主山」と、前回の「浄妙山」の場所から、室町通りをさらに南へ。
六角通りと室町通りとの交差点を少し南へ下がった場所です。


この記事がアップされている現在は、祇園祭・後祭の宵山でしょうから、もうこのように山鉾が建てられている頃でしょうか。
会所の中へ。



鯉山を飾る豪華な懸想品の数々が展示されていました。




例えば、このタペストリー。

このタペストリーは、16世紀頃にベルギーのブリュッセルで製作されたそうです。
古代ギリシャの詩人ホーマー作の叙事詩「イリアス」の一場面を表現したものだそうです。
さらに昨年、NHKの番組で、このタペストリーは元々徳川家に献上されたものだそうですが、それが人知れず大商人の手を経て、京都の町一番の晴れ舞台である祇園祭の山鉾で使われるようになったという話です、確か。
これは世界的に見ても極めて貴重なもので、重要文化財として指定されているそうです。
そして御神体である鯉人形です。


この鯉人形も、非常に貴重なもので、伝説的な職人・左甚五郎の作品のひとつだと伝えられています。
日光東照宮の「眠り猫」や、シリーズ第8回の三井寺・閼伽井堂の竜など、有名な作品や不思議な伝説の遺る作品をいくつもの名作を遺している職人です。
この鯉もこうして観ますと、何かご利益といいますか、曰くがありそうです(笑)。
なおこの鯉山とその御守りには、「登竜門」の伝説の通り、立身出世のご利益があるそうですが。
まあ私は……遠慮しておきますわい。
30過ぎて中途採用されて、あまり出世の見込みとか無さそうな私が今更立身出世とかを願ってもねえ(苦笑)。
それはともかく。
こういう一般市民の生活空間の中に、世界的に見ても歴史的・芸術的のあるような遺産があり、しかもそれが町衆(一般市民)の手によって守られてきたという。
いつも思うのですが、こういうところも京都という土地の面白いところです。

それでは、今回はここまで。
シリーズ次回も祇園祭の特集をします。
*「祇園祭」のHP
http://www.gionmatsuri.jp/
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




