前回まででとりあげた宝鏡寺。
宝鏡寺がある堀川寺之内付近から堀川今出川付近までの堀川通り沿いには、宝鏡寺の他、一条戻り橋、白峯神宮、水火天満宮、そして晴明神社など、いくつもの面白い妖怪スポット、不思議スポットがあります。
今回はせっかくですので、また晴明神社を訪れてみます。
覚えておられる読者の方もおられるかもしれませんが、『京都妖怪探訪』シリーズではこの神社を、第1回と第14回とでとりあげまています。
今回は、晴明神社にいくつもあるスポットの中から、「晴明井」と「千利休屋敷跡の石碑」に注目してみます。
堀川通り沿いにある晴明神社の入り口、一の鳥居。
最寄りの交通機関は、京都市営バスの「一条戻り橋」か「堀川今出川」のバス亭です。
なお、鳥居の向こう側に狛犬が見えますが、現在私がツイッターなどで使っているアイコンは、この狛犬の顔なのです(笑)。
そのさらに奥にある、二の鳥居です。
その二の鳥居の横に、小さな石碑があります。
恥ずかしながら、最初に訪れた時には、見落としていました(汗)。
どうやら、あの千利休の屋敷跡であることを示しているようです。
石碑の側面には、「晴明神社の地は千利休宗易居士が聚楽屋敷を構え 茶事を催し茶湯に用いたとされる井戸が現存する旧跡である」と書かれています。
これは驚きです。
晴明神社ホームページの境内案内によれば、近年に江戸時代の茶書から境内にあたる場所に千利休の屋敷があったことが確認された、ということらしいです。
また、千利休はこの辺りで自害した、とも伝えられています。
二の鳥居から入ってすぐ右に、不思議な形をした井戸を発見しました。
これが、安倍晴明が念力により湧出させたという伝説の残る井戸、「晴明井」です。
井戸の横には、北斗七星も。
水の湧きでるところに注目すると、その年の恵方(縁起の良い方向)に向けられているそうです。恵方は毎年変わり、毎年の立春の日にその向きを変えるそうです。
この水は現在でも飲むことができ、病気平癒などの信仰があります。
京都盆地の下には、良質で豊かな地下水脈があるため、多くの井戸がありました。
現在でも、良質の水が湧き出し、実際に使われている井戸が、京都市内にはたくさんあります。
水火天満宮の「金龍水」や、錦天満宮の「錦の水」、下御霊神社の「霊水」など、神社の境内から湧き出しているご利益のありそうな名水・霊水も、いくつもあるのです。
千利休も、晴明井から出る水を使用していたそうです。
なお、この地に千利休の屋敷があったというのは、単なる偶然ではないのかもしれません。
「武士にとっての茶の湯には、戦い続ける人生の中における心の支えであるだけでなく、心を魔を払うという意味合いもあった」
こんな説もあるのです。
それにしても、『京都妖怪探訪』シリーズを始めてからというもの、京都・日本の歴史と闇の世界(呪術や鬼や妖怪、異界など)との関係について、私なりに少しはかじってみたのですが‥‥両者が実は密接に関わりあってきたことが、学べば学ぶほど明らかになってきて、正直驚いています。
普段は何気なく行っている習慣。
毎年行われ、お馴染みになっている行事。
市民生活や日常風景の中に溶け込んでいる旧跡や寺社仏閣など。
そういった様々なものの中に、調べてみれば(呪術や鬼・妖怪などの)「闇の世界」との関わりの深いものがたくさん見つかりました。
いや、極論すれば‥‥。
人間の歴史や生活は、そういった「闇の世界」と共にあるもの、密接不可分なものなのかもしれない。
いつの時代でも、どんなに科学技術等が発達し、合理主義が広まったとしても‥‥。
そんなことを考えてしまいました。
だから、『京都妖怪探訪』シリーズも、もう60回を超えるまでになってしまいましたが、まだまだネタが尽きることはありません(笑)。
ですから、このシリーズもまだまだ続きそうです。
それでは、今回はここまで。
また、次回。
晴明神社のホームページ
http://www.seimeijinja.jp/
余談ですが、晴明神社のホームページって、かなり金と手間がかかっているようですね。
やっぱり儲かっているのかな?(笑)
特に晴明神社ホームページの境内案内のコーナーとか。
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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