(記事中の写真はクリックで拡大します。プライバシー保護等の為、人の顔部分に修正を加えていることがあります)
どうも、こんにちは。
毎年1月10日は「十日戎(えびす)」。
今回は、今年(2019年、平成30年)の「十日戎」で参拝したえびす神のうち、一番優しいえびす様と、一番怖いえびす様とを紹介します。
いや、より正しく言えば一番優しい笑顔のえびす様と、一番怖い顔のえびす様とを紹介します。
まず、一番優しい顔のえびす様の方から紹介します。
それはシリーズ過去記事(第257回と第530回)でも紹介したことのある、粟田神社の「出世えびす」様です。
最寄りの交通アクセスは、京都市営バス「神宮道」停留所。あるいは、京都市営地下鉄「蹴上(けあげ)」駅か、同「東山」駅。
三条通りに面した入り口から。
この坂道脇に立つ境内摂末社、鍛冶神社にも参拝。
絵馬がかっこいいですね。
ちょうどえびす祭の真っ最中。
境内の一角には、今年の粟田神社のねぶた(のミニチュア版)が。
その中にはえびす様も。
実物には、今年の京都東山花灯路でお目にかかれるでしょうか。
本殿に礼拝。
本殿横の摂末社の中に、境内摂末社「出世えびす社」が建っています。
以下は、昨年大ずれた時に撮影したものですが。
いい笑顔のえびす様ですね。
この笑顔を見る為に、毎年参拝に訪れているのです。
参拝後は、甘酒と御朱印を頂き、粟田神社を後にしました。
さて、次は怖い(顔の)方のえびす様。
それは「熊野若王子神社(くまのにゃくおうじじんじゃ)」のえびす様です。
最寄りの交通機関は、京都市営バス「東天王町」停留所もしくは同「南禅寺・永観堂道」停留所です。
熊野若王子神社です。
永暦2年(1160年)、熊野信仰が盛んだった時代に後白河上皇が永観堂の守護神として、紀州熊野権現を勧請して創建した神社。
そして紅葉名所のひとつとしても有名です。
この写真も、昨年の紅葉の時期に撮ったものですが……今年の紅葉は今ひとつ赤に染まりきらず。ご覧のようにムラが見られます。
また境内には、昨年関西地方に歴史的な被害をもたらした台風21号の被害の痛々しい爪痕も見られました。
まずは本殿へと参拝。
牛の像、ということは、菅原道真も祀られているようです。
そしてこちらの「えびす社」に礼拝します。
さて、ここで。
何故、紅葉を見るついでだったとはいえ、何故ここ熊野若王子神社のえびす様に注目したかと言いますと。
だいぶ以前読んだ『怖いこわい京都(入江敦彦著・新潮文庫)』の「怖いこわい異形」の章の一番目に、ここのえびす様が紹介されていたからです。
同著では、両親からも棄てられて流されてきたという異形の神としてのえびす神の由来について語り、本シリーズでも紹介した京都ゑびす神社のえびす様が紹介された後、最後にここ熊野若王子神社のえびす様も紹介しています(以下、引用)。
>京都でエビスといえば〈熊野若王子神社〉にある神像も忘れられない。木像寄せ木造りで江戸初期の作とされているが、この人が(人じゃないけど)一目観たらその晩は夢に現れてきそうなくらいキョーレツに怖い。七福神デビュー以前の姿が偲ばれる。
>そもそも永観堂の〈熊野若王子神社〉は永観堂の守護神として勧請された〈若王子〉の鎮守社。主祭神はイザナギ・イザナミ。自分を棄てた薄情な親を恨んでいるのか。不幸な出生を呪うごとき異形のオーラを放っている。いやあ、やっぱりエビスはこうでなくちゃね。
引用ここまで。
この文章を読んで以来、熊野若王子神社のえびす様に参拝し、そのお顔を拝見したいものだと思ってきたのです。
案内板を観ますと、元々は「西洞院中御門(今の桜木町)」に祀られ、恵比寿川の(さらに後の「夷川」の)地名の由来にもなったのに、応仁の乱以後、残された神像だけが流転してここへ……。
まるでえびす神自身の流転の人生(いや、神生というべき?)にも似ているかのようです。
ということは、熊野若王子神社のえびす様は、流転の末に、自分を棄てた両親の元に帰ってきたことになりますが。
これは因縁か?
それとも、両親の元に帰してあげようと考えた先人たちの優しさと心遣いだったのでしょうか。
いよいよ、えびす様に礼拝。
不敬とは知りつつも、「怖い異形」と評されたそのお顔を撮影させていただきました。
いかがでしょうか。
確かに、粟田神社のえびす様の笑顔とは対照的に見えますが。
おそらくどちらのえびす様も、数あるえびす様の顔のひとつに過ぎないのでしょう。
我々人間にもいろんな顔があるように。
そんなことを考えてしまいました。
今回はここまで。
また次回。
*熊野若王子神社へのアクセス・周辺地図はこちら
*粟田神社へのアクセス・周辺地図はこちら。
*粟田神社のHP
https://awatajinja.jp/
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
最新の画像もっと見る
最近の「妖怪スポット」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2008年
人気記事