皆さん、こんにちは。
今回も前回の続きで、毎年1月24・25日に大阪天満宮の梅花祭で行われる神事についてとりあげます。
菅原道真といえば、現在では「学問の神様」「受験の神様」として有名です。
梅花祭でも、「受験の神様」としてのご利益にあやかろうという行事が行われます。
それが、前回の「うそ替え神事」の後に行われる「通り抜け参拝」です。
本殿内を通り抜けて参拝し、「志望校、難関校の入試も通り抜ける」ように祈願するという、受験生のための神事です。
去年の1月末、「うそ替え神事」に参加した後、その神事も観ていきました。
「うそ替え神事」が終わった後でも、本殿横にある「登竜門」が開放されています。
シリーズ第93回でも少し取り上げましたが、「大河の上流にある竜門と呼ばれる高い滝を登り切った鯉は、竜となって天に登ることができる」という中国に伝わる故事にちなんで作られた門です。
屋根や灯籠にその故事を表した彫刻があります。
出世への関門を表す言葉としても使われる「登竜門」。
本殿の両側にある2つの登竜門から本殿内を通り抜ける。なるほど、受験生の縁起を担ぎ、健闘を祈るにはふさわしいですね。
「通り抜け参拝」の前になりますと、大勢の参加者が登竜門へ向かって並び出します。
受験生のための神事ではありますが、よく見ると受験生本人よりも、保護者の方が多いようです。
もっとも、考えてみればそれも当然で、平日昼間の時間帯に受験を控えた高校生や予備校生が来られるとは限らないでしょうから。
ところで、通り抜け参拝が始まるまで待っていて気づいたのですが。
本殿と他の建物とをつないでいる渡り廊下についてですが。
よく見ると、渡り廊下の下にもこのように精巧な彫刻が。
普通なら誰も目にしないどころか、気にもとめないような場所にも、こんな装飾が施されている。
こんなところにも私は、妙に感心してしまったのですが。
話を元に戻します。
通り抜け参拝が始まり、2つの登竜門のうち片方から、参拝者が本殿へと入っていきます。
もう一方の登竜門から出てきます。
ここで、もうひとつを余談を。
この通り抜け参拝を見ていて、私はついつい自分の学生時代(高校生から大学生だった頃)を思い出してしまいました。
……とは言っても、当時の私も同じように神仏に合格を祈願していたわけではありません。
実を言いますと、当時の私は左翼思想の影響を強く受けていた、そんな学生だったわけです。
左翼思想・共産主義思想の根本にあるのは、唯物論、徹底した近代合理主義(無神論、近代科学史上主義など)。
そんなものの熱烈な信望者だったわけですから、合格祈願など神仏に祈ったり頼って自分の運命を託してみようなどとは、夢にも思わなかったのです。むしろ、そういったものを蔑視すらしていた。そんなイヤな学生だったわけです(笑)。
そんな私が今では、『京都妖怪探訪』などと称して、暇さえあれば寺社仏閣や曰く付きのスポットなどを巡り、写真を撮りまくり、こんな記事を書きまくっている。
もしかしたら、今私がこうしているのは、単に現在の私がオカルトマニアだというだけではなく、若い頃には蔑視すらしてきた自分の「日本人としての部分」、かつて切り捨ててきた「何か」を埋め、渇望し、取り戻そうとしている行為なのではないか。
合格祈願をする学生やその保護者たちの姿を見ていて、ついついそんなことを考えてしまいました。
さて、余計な話をしてしまいましたが、梅花祭の話に戻します。
本殿横にたくさんの合格祈願の絵馬が奉納されます。
それと「うそ替え神事」の時から姿を見せている、ぬいぐるみのキャラクターが。
この他にも梅花祭では、在阪プロ野球選手(阪神・オリックス)など有名人や年男による福玉まきや、書き初め展覧会などのいろいろな催し物が行われます。
今年の梅花祭は、もう来週に迫っています。
今年の私は、仕事の都合等で行けそうにもありませんが、ご興味ある方は参加されてみてはいかがでしょうか。
それでは、今回はここまで。
シリーズ次回も、あともう1回だけ大阪天満宮についての記事を書きます。
それでは、また次回。
*大阪天満宮へのアクセスについてはこちら。
*大阪天満宮のHP
http://www.tenjinsan.com/index.html
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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