会社を悩ます問題社員の対応

会社を悩ます問題社員の対応,訴訟リスクを回避する労務管理

残業代請求を受けるリスクが特に高い業種

2013年10月31日 | 残業代

残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高い業種を教えて下さい。

 

 最近では運送業を営む会社がトラック運転手から多額の残業代請求を受けるケースが非常に多くなっています。
 おそらく,「○○さんは,弁護士に頼んで○○○万円も残業代を払ってもらったらしい。」などと,トラック運転手同士で情報交換しているものと思われます。
 運送業の次の多いのが,飲食業における残業代請求です。
 その他の業種においても満遍なく残業代請求がなされていますので,残業代を支払っていない場合は,常に残業代請求のリスクにさらされていると考えるべきでしょう。


残業に関する相談にはどのようなものが多いのか

2013年10月31日 | 残業代

残業に関する相談にはどのようなものが多いですか?

 

 以前は,残業するよう指示しても残業してもらえなくて困っているといった紛争が多かったようですが,最近ではそういった相談はほとんどありません。
 最近多いのは,(不必要に)残業をして残業代を請求してきたり,長時間の残業によりうつ病になったから損害を賠償して欲しいと請求してきたりする(退職した)社員の対応などです。
 つまり,最近の経営者は,社員にどうやって残業してもらうかで悩んでいるのではなく,残業した(と主張する)社員からの残業代請求や,うつ病になった(と主張する)社員の対応で悩んでいるというのが実情です。

 日本経済の実情を反映してか,最近は残業して残業代を稼ぎたいという社員が多く,残業禁止が組合差別であるといった主張さえされることがあります。
 社員が,所定労働時間外に長時間,オフィス内に残っている状態は,使用者にとって「リスク」であるということをよく理解する必要があります。

 


社員からの残業代請求

2013年10月31日 | 残業代

 残業代請求は,解雇退職勧奨の問題と同様,訴訟や労働審判になりやすい類型です。
 残業代請求は,退職後になされるケースが多く,解決金の額が多額になりやすいという特徴があります。
 残業代請求がなされるリスクがあるのは特定の業種に限定されるものではありませんが,特に運送業,飲食業については,長時間労働が常態化しており,完全週休2日ではないことが多いこと等から,多額の残業代請求がなされることが多くなっています。
 残業代請求は,会社に対する貢献度が高く,会社経営者が多額のボーナスを支払いたくなるような社員からではなく,会社と迷惑をかけて辞めたような問題社員からなされることが多いため,そのような問題社員に対し多額の残業代を支払う結果になった場合,会社のために頑張って働いている社員に不公平感が蔓延するリスクが高いところです。
 残業代請求対策は,事前の対策が決定的に重要であり,事前に十分な対策を取らずに放置していると,紛争が表面化してから弁護士に相談しても手遅れの場合があります。
 その場合は,他の社員について残業代請求対策を施し,残業代請求が他の社員に波及するのを防止することが,中心的課題となります。
 複数の社員から合計1000万円を超えるような多額の残業代請求がなされる事案の多くは,それに先だって1人の社員から残業代請求を受けた際に,十分な残業代対策を取らないまま放置していた会社の事案であることが多いという事実を知っていれば,自ずから取るべき行動は決まってくるはずです。
 弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京)は,運送業,飲食業その他幅広い業種における残業代請求の対応,残業代対策を数多く行ってきました。
 多額の残業代請求を受けたために,苦境に立たされた会社経営者を数多く知っています。
 会社経営者が少しでも残業代請求のリスクを下げるお手伝いをしたいと考えていますので,残業代請求の対応,残業代対策は,弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京)にご相談下さい。


退職勧奨を社員に行わせる場合の注意点

2013年10月31日 | 退職勧奨

退職勧奨を社員に行わせる場合の注意点を教えて下さい。

 

 退職勧奨は労使紛争の契機となることが多いですので,相手の気持ちを理解する能力を持っている,コミュニケーション能力の高い社員が退職勧奨を担当することが望ましいところです。
 同じようなケースであっても,退職勧奨の担当者が誰かにより,紛争が全く起きなかったり,紛争が多発したりします。
 適性のある担当者が必要な人数集められない場合は,マニュアルを作成して遵守させるなどして対処せざるを得ませんが,マニュアルだけでは十分な対応ができないかもしれません。
 直属の上司は,日常的に部下とともに業務を遂行すべき立場にありますので,退職勧奨を行わせるのは酷なケースが多く,原則として退職勧奨の担当者にはしない方が無難だと思います。
 退職勧奨を受ける社員と仲の悪い上司が退職勧奨を行うようなケースは非常にトラブルが多いので,できるだけ避けたいところです。

 退職勧奨を担当する社員に対しては,どうして退職勧奨しなければならないのか,その理由についてよく理解してもらう必要があります。
 退職勧奨される側に大きなストレスがかかるのは当然ですが,退職勧奨する側にも相当大きなストレスがかかります。
 退職勧奨を行う必要性について十分に納得してもらわないと,退職勧奨する側が嫌になって会社を辞めてしまうということにすらなりかねません。


退職勧奨して辞めてもらう場合に,解雇予告手当を支払う必要はあるのか

2013年10月31日 | 退職勧奨

退職勧奨して辞めてもらう場合に,解雇予告手当(労基法20条)を支払う必要がありますか?

 

 退職勧奨は合意退職を目指すものであり,解雇ではありませんので,解雇予告手当(労基法20条)を支払う必要はありません。
 合意退職に向けた退職条件の話合いの中で,一定額の金銭給付の交渉がなされることは珍しくありませんが,解雇予告手当とは性質の異なるものです。