ミーハーのクラシック音楽鑑賞

ライブ感を交えながら独断と偏見で綴るブログ

初めて聴くマーラーの交響曲「巨人」(1893年ハンブルク稿)

2015-06-06 22:36:39 | 海外オーケストラ
一昨日(4日)サントリーホールで開かれたハンブルク北ドイツ放送交響楽団の公園を聴いてきた。指揮はトーマス・ヘンゲルブロック。ヴァイオリンはアラべラ・美歩・シュタインバッハー。

【演目】(※はアンコール曲)
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調
※プロコフィエフ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタから第1楽章
   〜休 憩〜
マーラー/交響曲第1番ニ長調「巨人」(1893年ハンブルク稿)
※ワーグナー/オペラ『ローエングリン』から第3幕への前奏曲
《19時00分開演、21時10分終演》

1曲目。アラべラ・美歩・シュタインバッハーは何回も聴いているが、今回ほど清楚にして上品な演奏のは初めてかもしれない。肩の力が抜けていて、自然体で音を奏でているといった感じだった。そして、その彼女の演奏をサポートした木管陣の上手さに驚いた。特に低音域になるクラリネットとファゴットの艶やかな音色には目がテンならぬ耳がテンになってしまった。で、休憩時間に知人に、あのクラリネットは元ベルリンフィルの首席奏者であったカール・ライスターとのこと。御歳77歳になるというのにあの音色とは・・・。

2曲目。マーラーはこの「巨人」を何度か書き直しているが、今回演奏された「1893年ハンブルク稿」は第2稿なるもの。ただ、この第2稿は日本ではほとんど演奏される機会がなく、私は今回初めて聴いた。そして、これまで聴いてきた「巨人」とは似て非なるものという感じで、大編成のオケにもかかわらず、どことなくバロック形式というか古楽的な交響曲という印象を受けた。また、初めて聴く「花の章」(第2楽章になる)のトランペットはとても美しく、マーラーがどうして後にこの楽章全面カットしたのか理解ができない。この章があった方が次の第3楽章(普段は第2楽章)の唐突感がなくなると思うのだが。

しかしながら、第3楽章や第4楽章は普段聴く「巨人」よりはかなり粗粗しい部分もあり、やはり手直しをせざるを得なかったんだなあ、と思わざるをえなかった。それでも、初めて聴いた「1893年ハンブルク稿」は新鮮でありエキサイティングであった。そして、これを聴いていると、マーラーはワーグナー、ブルックナー、R.シュトラウスだけでなくメンデルスゾーンやシューベルトの影響も受けているんだなあと思わざる得なかった。

終演後は、クラシック音楽同好の志2人と麻布十番のレストラン「ナポレオン・フィッシュ」で食事。今回のコンサートの話はあまりせず、四川風辛い料理に舌鼓をしながら、ベルリンフィルや今後来日するオケや演奏家の話など情報交換に終始。ただ、酒と食事の話の比重も高かったが。(笑)

追記:この日の演奏会はNHKが収録していて、秋にEテレで放送予定らしい。


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