コマメディア ー史上最弱の仏弟子 コマメー

仏教ファン、瞑想バカのフリーライター森竹ひろこ(コマメ)の仏系ブログ。最弱なので、おてやわらかに!

【報告】プラユキ師「夜のお話と瞑想の会」 2015年6月19日(金)

2015-06-26 | (報告・感想)気になるイベント、講演会



 2015年6月19日(金)、お茶の水の昇龍館ビル(通称サンガビル)で、タイで出家された日本人僧プラユキ・ナラテボー師をお招きして「夜のお話と瞑想の会」を開催いたしました。この日は梅雨らしい降ったりやんだりの天気でしたが25人ほどが参加され、週末の夜のリラックスした雰囲気のなかで会が進みました。

 今回のお話のテーマは事前にリクエストを募り、「どうすれば、日々やる気を継続した ”仏教モードON” の状態で生活してけいますか?」といった大阪のaさんからの質問を受けて、「仏教モードONで日常を生きる」に決定しました。

 そもそも日常生活における「仏教モードON」とは、どんな状態でしょうか。プラユキさんはそれを「八正道」と「正念正知」の実践だと定義されました。そしてお話は、実践のためのポイントである「意欲(チャンタ)」と「精進」について、瞑想から日常生活の例などをまじえながら、わかりやすく解説されました。


 なかでも、怠け者の私にはとても身につまされた、私たちを「仏教モードOFF」に向かわせる心のトリックについてのお話をシェアします。
プラユキさんによると、自分で怠け者とラベルを貼ること自体が、心のトリックにひっかかる前段階だそうですよ。(ギクッ!)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




気分の奴隷

私たちは「やる気がないからやらない」と、よく言ったりしますね。
実は、これは気分の奴隷になっている状態といえます。
でも、私たちは心の奴隷ではありません。
やる気がなくても行動を起こすことはできますよ、これがミソです。
行動するうちに、だんだんやる気もわいてきます。

私たちは生まれ育ち、その環境のなかで、自分なりの習慣といってもいいし、
脳機能ともいえるものを作ってきました。
たとえば、何度も意欲を起こしてやっていくという習慣をつくれば、
やる気が自然とやってくる体質になります。
あるいはやる気がなくても、やる習慣ができてきます。

ある人が「やる気はエンジンではなくて、速度メーターだ」と言っていましたが、
これ、おもしろいなぁと思いました。
たしかに最初にやってしまえば、メーターが上がります。

仏教的に意欲は自分で培っていけるとされていますが、
精神医学でも、これを運動興奮(作業興奮)という言葉で説明しています。
まったくやる気がなくても、強制的に体を動かすことで、
脳のドーパミンの分泌が促され、やる気がでてくるそうです。
例えば、お掃除をやる気がなくても、やると夢中になったり、
ジムに行くのが面倒でも、行って体を動かすと心身が元気になったりする、
ということです。


概念の奴隷

もうひとつの心のトリックは、「私は怠け者だからやらない」です。
このトリックも、はまりやすいよね。
実は、この「怠け者」はラベルにすぎず、
私たちはそうしたラベルとは無関係に行動することができます。
でも、このようなラベルをはって抽象化すると、
自身の行動の可能性をうばうことになりますよ。
「私は怠け者です」「私はダメ人間です」「私は悪人だ」「私は自信がない」
……全部ラベルです。
私たちの過去の失敗体験にフォーカスを当てて私の特性と認識し、
それが自身の行動を支配する内的な原因と理解してしまうと、
本当はできる行動もできなくなります。

これは仏教的な言い方をすれば、自己概念(自我)にもとづいた思考への執着です。
自我は、「私はこうである」という認知をまとめたものです。
それは喩えると、お花をまとめたブーケ(花束)のようなものです。
ブーケがお花が育つ原因になっているわけではないし、
ブーケがお花をまとめあげることもできません。
同じように、概念は私の行動を制限したり、支配したりすることはできません。
だから概念に囚われなければ、今ここで本当にやるべきことができますよ。

このように、できないようにしちゃう心のトリック、
気分の奴隷、概念の奴隷にならないということを、まずおさえてください。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


プラユキさんのお話を聞いて仏教モードがONになったところで、手動瞑想をメインに、合わせて歩く瞑想の指導が行われました。こうして、仏教モードのメーターがさらにアップしたところで、今日の「お話と瞑想の会」は終了です。


 終了後の懇親会は十数人が出席。自己紹介のあとは、質疑応答をまじえながらのフリートークになりました。アットホームな雰囲気のなか、21才大学生男子の恋愛に関する質問から、いつしか恋愛トークに。プラユキさんはもちろん恋愛を否定しません(というか、むしろ不邪淫戒をおかさなければ推奨か!?)。自分を、そして相手も育てる仏教的な視点に立って、ユーモアを交えながらお話をされていました。
 そういえば、上座仏教の僧侶をお招きした仏教瞑想会で、このように和気あいあいと恋愛話で盛り上がることはほとんどありませんね。でも現代社会を在家で生きる私たちにとって、恋愛はとても切実なもの。本当は仏教の文脈のなかで、もっとオープンに聞きたいし、話したいことなのかなと感じました。
 いつか恋愛をテーマにした「お話と瞑想の会」を、プラユキさんにお願いしてみようかな……


ところで、大阪のaさんは遠方のため参加がかないませんでしたので、法話の音源データをお送りしました。その感想が届きましたので、本人に了解いただき、その一部を掲載します。aさん、学びのシェアを、ありがとうございます。

ーーーーー

音源データ、無事にダウンロードして、
添付して頂いたテキストを片手に勉強することができました。
いつも本で読んでいるプラユキ師の、生の法話が聞けて嬉しかったです。

想像していた通り、とても優しくておだやかな口調で、
聴いていて心が落ち着きました。

私は仏教モードが途切れた時、その思考に気付くことを放棄してしまっていました。
それが仏教モードOFFの状態だったのかと思います。
“実践編”でお話があったように、
その思考に気付き「すぐにリベンジ」することが自分には欠けていたと思います。
そして何より「行動」する大切さを学びました。
「やる気がなくても行動はできる」は、
なかなか厳しい言葉であり真理でもあるなと唸ってしまいました。
この言葉を胸に、日々実践したいと思います。


ーーーーーー




にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へにほんブログ村


最新の画像もっと見る