~この国では木の葉が落ちて風が冷たくなるころ、寒々と曇り日が続く、雪催ひである。遠近の高い山が白くなる。これを獄廻りと畏怖。また海のあるところは海が鳴り、山の深いところは山が鳴る。遠雷のやうである。これを胴鳴りといふ。獄廻りを見、胴鳴りを聞いて、雪が遠くないことを知る。・・・
~年の寒暖につれて時日は定かならねど、だけまはり、どうなりは秋の彼岸前後にあり、毎年角煮ごとし・・・
越後の雪の民俗誌である『 北越雪譜 』 鈴木牧之 著 より
北海道では初雪を見たが、まだ本州の方では初雪が降ったという報道は聞かない、この著作にあるように秋の彼岸前後に云々とあるが、天保年間本であるから、現在より越後方面などでは降雪が早かったのかもしれない。ボクがつい近年までその在所に棲んでいたがぎり秋の彼岸の降雪は一度もありませんでした。もう半世紀前だったかな、11月の下旬に大雪になったことはあり、暫く生活に難渋したのを覚えています。この本の書かれた江戸時代の天保年間あたりは冬のと往来は早かったのか。外山家気象台統計記録では、越中・立山の最も早かったのが初冠雪は昭和26年9月18日とあるから、名著・北越雪譜でいう秋の彼岸前後も納得いくのであります。
大勢に 一人別るる 霜夜かな 松本 たかし 句