形容詞・形容動詞
性質・状態・心情を主に表す用言で、終止形が「~し」で終わると形容詞。「~なり・たり」で終わると形容動詞になる。
形容詞
「なる」「て」をつけてシク活用かク活用かを識別する。次の表(終止形は除く)にシをつければシク活用(心情語が多い)である。
未然 連用 終止 連体 已然 命令
(く) く し き けれ ○
から かり ○ かる ○ かれ (ラ変型)(補助活用)(カリ活用)
☆ カリ活用=補助活用=ラ変型の部分は助動詞に接続するためにある。
「連用形の【「く」あり」の縮約】(「くあ」「くぁ」「か」と発音するようになった。「あり」の名残がラ変型となる)
☆ 「いみじ・すさまじ」などは「~じ」で終わるがシク活用(ジク活用ではない)
☆ 「多かり」は特殊な終止形。
☆ 体言を修飾する連体形が、上代には「同じき」「同じ」の両形が用いられ、中古に、は漢文訓読語には「同じき」が、和文脈の文には「同じ」が多く用いられた。
☆ あな+語幹=感嘆文 例 あなかしこ(ああ恐れ多いことよ。ああ慎むべきだ。)
☆ A+(を)+B(形容詞の語幹)+み(和歌内が原則)
AがBなので 例 川はやみ(川の流れがはやいので)
☆「~く+は」は仮定を表す。 ※「~ず+は」 も仮定で「ないならば」
☆ 連用形の「く」が「う」になることがある。これをウ音便という。
形容動詞 「な」を「た」にすればタリ活用。「な」のままだとナリ活用。「漢語+たり」(例 粛然たり)
※ 連用形の「に」(タリ活用「と」)を覚えればよい。あとは「~にあり」が「~なり」、「とあり」が「たり」になっただけでラ変と同じだ。
○未 ○用 ○終 ○体 ○已 ○命
なら なり なり なる なれ なれ (ラ変型)
に
物の状態・性質
あはれ・たくみ・まれ
~か(清らか)
~げ (おぼろげ)
~ろ(すずろ) + なり
~がち(あながち)
~ら(清ら)
漢語(「いと」をつけられる)
※呪文「あはれ・か・げ・ろ・がち・ら・漢字」
(例)漢語+なり
優なり →いと優なり○→形容動詞
艶なり →いと艶なり○→形容動詞
机なり →いと机なり×→名詞+断定の助動詞
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