その他の爬虫類
オビエード(1535)はイグアナを見たようで図示している。またワニも見たと思われるが、イグアナの記録とごちゃごちゃになっているようでわからない。
なおエンリキッジョこにはアメリカワニCrocodylus aeutus)が生息しており、湖の中にある長さ12kmのカブリートス島に船で渡ると野生に近いワニをみることができるという。かつては2000頭もいたが今はせいぜい200頭いる。大きな個体は6m近くに達するが、4m前後のがふつうだ。なおこの湖は水面が海水面より40mも低い塩水湖である。このワニはおそらくオビエードの時代にはもっと広く見られたのではなかろうか。なおアメリカワニはキューバやフロリダ半島に分布しており、マイアミではこのワニをモデルにしたグッズが売られている。
巨大なイグアナも産し、かつてはタイノの重要な動物性蛋白質源であり、イグアナも絶滅したタイノ呼称である。現在では絶滅の危惧がある動物として、捕獲禁止になっており、エンリキッジョ周辺もその多産地である。小学校の教科書には食っても美味いものではないと書いている。そう書かないと食われてしまい絶滅の恐れがあるらしい。またイグアナが産する土地から出てくる車は警官に停止させられ、イグアナを隠していないかトランクの中まで調べられるという。イグアナはペットとして高く売れるので、国外に持ち出される例もあるそうだ。ドミニカのイグアナは次の2種あり、上述の種はサイイグアナCyclura cornuta(図版の種)で体長120cmもあり、英名Rhinoceros Iguana)で、吻の上に英名の由来になった2~3本の小さな角があり、また後頭部に瘤がある。イグアナは主に乾燥した土地に住み、サボテンの葉や果実を食し、かた昆虫なども食べる。雌は年に10~23個の卵を産む。
もう1種はCyclura ricordiiリコルディイグアナで体長は前種の半分ぐらいで、明るい灰色、頭部や胴部は部分的に青みを帯びる。島の東南の乾燥地帯主に産する。