登山家・竹内洋岳、日本人初8000M峰14座完全登頂した偉大な方です。
見ましたよ!BSプレミアムの“グレートサミット”で彼が登頂する雄姿を・・・・
その憧れの方が、本日秋田にお出でになりました。
楽しみにしていました。
14時開場でしたが、まじかで拝見したく1時間前に並びました。
山の会のお仲間を3人見つけました。山愛好家が多い様子でした。
開始15分ほど、竹内氏持参の登頂DVDが流されました。
登場した竹内氏は、ダンディー、ほんとに素敵な雰囲気です。
温厚な口調で、トークはよどみなく流暢です。人柄がにじみます。
秋田の作家、塩野米松氏とのトークの様子を紹介します。
記憶の範囲内で、要点を記してみます。
Q; 8000Mの山、とはいかなるものか。
T: 山とは地球のでっぱりである。人間が登ることにより、名前がつき、高さが
測られた。我々が飛行機に乗ると8000M上空を経験している、が、
その外に放りだされると5分で意識を失い10分で死に至る。その高さに
順応するべく人が山に、山のありようを作り出していった。
大きい手だが、綺麗な白い手。両手に指輪をしているのがお洒落。
Q: ふだんはトレーニングをしていない、とか。
T: しません。普通スポーツ選手は走りや水泳をしている。水泳選手は水泳をする。
走者は走りを。私は山に登ることでトレーニングとする。一年サイクルで登山をするから日本にいる時は、極力体を休めている。
Q: 立って見て下さい。こんなに細い体でハードな登山をするとは・・・
T: 180cm、62kg、これは8000M級をクリアするために作り上げた体。
Q: 健康診断では、人並みの数値とか。
T: 周囲は特殊能力があるのかと、色々調べるが数値が“並み”なので失望している
ようだ。むしろ弱い位だ。
ところが変わっていることと言えば、高所ではヘモグロビンがあがり、地上に下りると 正常値になるのだが、自分の場合、登山の準備を始め出すと再び上がってくる。
Q: あのDVDでは下山時にかなり咳こんいたが、あれは?
T: 高い山では酸素が1/3になり、寒く乾燥して、咳き込むのだ。ゼ~ゼ~咳き込む。
一歩、足を踏み出すのに100歩ほどの体力がかかりゲホッっと気管支に負担がいく。
Q: 8000M級を登るということ。
T: 太古から人間のもつ潜在能力では、7000Mまでは耐えうる体力がある。
8000級を制覇することは人間の能力の進化である。
どのように進化していくのが楽しみで、自分の体で挑戦しているのだ。
Q: なぜ14座まで登り切れたのか。
T: 今だから登れたのだ。装具、情報、天候予測・・が充実してきた。
それに2~3人で登ること。昔は集団で長い時間、金、荷物、手間がかかり、
登山中にアクシデントがあってもパーティーの誰かが登って、日本の旗を掲げたものだ。
今は、シェルパも酸素も重い荷も持たず、カトマンズからベースキャンプにヘリを飛ばす。
ベースキャンプに入り、まず眠る。頭痛、吐き気に襲われながら馴らしていく。
Q: なぜ、早く登れるのか?
T; 危険を避けるためだ。自然は予測できない、雪崩もある。登頂を果たしたら
一刻も早く危険に遭遇しないようにする。
登山史はまだ60年の実績にすぎないそうだ。
こんな短期間で山に魅せられた人々は次々に制覇していった。
山に夢を託した多くのクライマー・・・幸せだろうなあ。
まだまだヨチヨチ登りの私にも、感じることが多くありました。
所用があり、中座して帰りましたが、最後までいて握手したかったです。