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暮らし研究家『暮らし家』の古民家・田舎生活

豊かな暮らしってなんだろう。モノではない「何か」。残し、守り、伝えたいモノや事柄を岡山県西粟倉村から発信します。

2016年 正月三が日。

2016年01月04日 | 日々のこと
明けましておめでとうございます。

今年の三が日は天候に恵まれ、暖かいお正月でした。




2016年 1月1日
お義父さんにご挨拶。

お義父さんがいつも見ている景色。
お墓参りの日はほとんど晴れていて、雨模様でも車からおりると雨が止みます。
私たちがお墓参りで傘をさしたことは今まで一度もありません。



お義母さん、もうすぐ74歳になるのですが後姿もさっそうと、本当におしゃれでセンスのある方です。
私、お義母さんの影響を多大に受けております。




お義母さんの住むマンションでしばし談笑。

玄関先のしつらえを見るのがが私のひそかな楽しみ。







1月2日
私たちが西粟倉村に住むきっかけを作ってくれた隣町に住む私の親友のお宅へ。
総勢20名ほどの親戚が集まり大賑わい。
ちょうど1歳を迎えた女の子が一升餅のお祝い。

一歳のお誕生日である「一升餅のお祝い」は、一升餅の一升(いっしょう)と、お子様のこれからの人生=一生(いっしょう)を掛け
一生食べ物に困らないように
これからの一生が健やかになるように
との願いを込めて、お子様の一歳までの成長を祝うとともに行われるお祝いです。
そしてそろばんや筆記用具や本など、将来の職業を連想させるものを置いて、何を選ぶかで将来を占う「選び取り」。

アンリちゃん、休憩しつつもペンを掴み取り、しかも鉛筆持ちをして畳に書く真似までしていましたヨ。
将来有望です






1月3日
お誘いいただいたお宅へお年始訪問。
この時期、お雑煮談義が各方面で繰り広げられるのですが
西粟倉村のお雑煮は私もいまだかつて聞いたことが無かったお出汁。



ご家庭によって様々、とは聞きますが
だいたいはスルメとハマグリで取るお出汁。
贅沢です。
こちらのお宅はそれにいりこだしをブレンド。
海の幸のそれぞれの良いところがぶつかることなく渾然一体とあいまって何とも深いお味。
豆腐やごぼうなど具沢山なのも特徴。
山の中の村なので、このお雑煮の中に込められる海の幸への贅沢感が窺い知れます。
先人の想いが伝わるようなお雑煮。
レシピも聞いたので、この郷土料理はぜひマスターしたいところ。

こちらは昔からのしきたりも大切にされていて



年始のお飾りも参考になります。


その中でもこの歳桶。

いろいろ調べるに、鳥取~兵庫県のほうまで、まさに因幡街道沿いで受け継がれている様子。
むかし、昔のこと。
とある村里に欲深い男の人と親切な男の人が住んでいた。ある年の大晦日(おおみそか)の夕刻。大きくて重そうな桶を背負うた白髪の老人が村里にやって来た。
 老人は、まず最初、たまたま欲深い男の人に出会い「急に大切な所用が出来たので桶をしばらくの間、預かってもらえないでしょうか…」と丁重に頼み込んだ。
欲の深い男の人は、もう直ぐお正月を迎えるというのに何がはいっているかわからんような桶を預かることは出来ないと思ってか、
「そんなもん、よう預からん。忙しうて困っている時や、さっさと立ち去れ」と、けんもほろろに断った。
 老人は次に直ぐ近くの親切な男の人の家を訪ね
「桶が重とうて困っているんです。急ぎの用事が出来たので正月3日まで、この桶を預かって下さいませんか…」と深ぷかと頭をさげて頼んだ。
親切な男の人は、こんな年の瀬に大きな桶を背負って用事をするのは大変だろうと思い
「預かってあげましょう、何も遠慮することはありませんよ…」と笑顔で答えて桶を預かった。
老人は大よろこびで「もしも、正月3日までに私が桶を取りに来なかったら思いのまま処分して下さい」と言い残し、急ぎ足で村里を出ていった。
 親切な男の人は、老人から預かった桶を納戸の奥まで持ち込み、大切に保管した。
正月3日が過ぎても老人が桶を取りにこないので、とうとう同月11日の早朝、思い切って桶のフタを開けてみた。
ところが、なんとおどろいたことに桶の中には大判、小判が、どっさりはいっていた。
親切な男の人は、いっぺんに大金持ちになり、それ以来、幸せいっぱいの暮らしをしたとのこと。
そこで、幸運を呼ぶという『年桶』の行事が始まったと言い伝えられている。

これが起源という説も。

だいたい桶の中に入れるのは搗いたお餅、おひねり、串柿、お米、かち栗などのようです。

その土地その土地にまつわる風習やならわしがある。
その意味や気持ちを大切にしながら受け継ぎたいと思う。



この日はワンもご招待を受け



たいそうご満悦







このあわただしい中、誕生日を迎えた私のために
友人も、村内の知人もお祝いをしてくれ…

昔は忘れさられそうになる、この時期の誕生日をうらめしく思ったこともありましたが
今思えば、人の集まるこの時期に自分のために「おめでとう」を言ってもらえるというのは贅沢なことだなぁ…と親に感謝です。





さて、今年も何とか仕上がったおせちについては明日あらためて。

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