暮らし研究家『暮らし家』の古民家・田舎生活

豊かな暮らしってなんだろう。モノではない「何か」。残し、守り、伝えたいモノや事柄を岡山県西粟倉村から発信します。

おかって。

2016年02月14日 | ふるもの
離れに引っ越してきて約2週間が経ちました。
離れは必要最小限の住宅設備しか備えていないので、もちろんシステムキッチンではありません。
なので、小さなシンクを置き
さて、シンク上の電気はどうしよう・・・と思っていると
設備屋のだいちゃんが
「こんなのどう?」と、持っていたものを見せてくれました。


ホーロー製。
レトロでポップな柄。
「わー、これいい!」
と早速つけてもらいました。


今はなくなってしまったナショナルの文字。
でもモノは新品だし、用具としてはきちんと役を果たします。
昔のものって味がありますねー。
ところどころホーローについた傷も良い雰囲気。





ところで。
皆様をお迎えする天徳寺の台所が私たちのおかって。
なぜ台所のことを『おかって』とか『勝手口』っていうんでしょうか。


弓道では弓を持つ左手を「押し手」、弦を引く右手を「勝手」といい、
固定されている左手に対して、右手は自由が効く手とされます。
昔は、女性が自由に使えるのは台所だけであったことから、
弓道の右手になぞらえて、台所を「お勝手」というようになったそうです。



なるほどー。
たしかにおかっては私の城ですからね~

君を待つ。

2016年01月22日 | ふるもの

これ、何に使うものかご存知ですか?

あ~~~~~~!」と叫んでいるかのようなお顔の
コレの名前は
胴壷(ドウコ)。




これでピンと来るあなたはツウですね。
私はつい最近これの存在と名前と使い方を知りましたから。




まずは


そして


するとこの箱の中の水の温度が上がってあるものを温めます。


この部分は別の箱になっていて、熱くなりすぎないように保温する役目になっています。




もうおわかりですね。
そう酒燗器です。


囲炉裏にすえるとこんな感じ。



こんな感じに使います。
※イメージ図








私はこういう生活道具が大好きです。
使い込んだ味のあるものはなおさらです。

暮らしに寄り添った時が生み出す古びの美。










週末は自称「酒豪じゃない、お酒が好きなだけだ」という友人がご家族で泊まりに来る予定でした。
5歳の息子さんにこの西粟倉の星空を見せてあげたいという…なんてロマンチスト

でも、この災害レベルといわれる天気予報を見て、今回は断念されました。
最後の最後まで悩んでくれた。

その友人が仕事から帰ると奥様がしてくれていたという荷作り。
なんだか泣きそうになりました。


待ってるからね~!!





明日から2~3日は各地で天気が荒れ模様のようです。
クラシカ睦月の会~手前みそを作ってみよう~も2月7日に順延しました。
2月7日のイベントのページ→https://www.facebook.com/events/1554070631584174/

皆様のお住まいの地域でもどうか被害がありませんように。

下半期もあと五ヶ月。今年の年初の目標がなかなか達成できない人、必見。

2015年08月03日 | ふるもの
古いものが好きです。
古いものにはその物が生きてきた生活臭と歴史が刻まれているようで
見ているだけで物語を感じてしまいます。



…といろんなところでお話していたら

アニーのママが「うちでは使わないから…」と下さいました!
おそらくイギリスのアンティークもの。
もともとはガス灯のカバーか何かかなと思いますが
置き型のランプシェードにしてもキャンドルホルダーにしても良さそう。
古い日本家屋には不思議とイギリスの家具や雑貨が似合います。そして北欧雑貨も。
 
私、以前から思うのですが北欧のテキスタイルと日本の小紋って良く似ている。感覚が似ているのかな。
…脱線しましたが、このシャビーなたたずまいがさらに和風の家に重厚感を与えてくれます。









東京にあるコーヒーと焼き菓子のお店「OYATSUYA SAN」。

こんな感じにショーケースに焼き菓子を置きたいなぁと旦那に話をした2日後


「ショーケース発見!」のメールが。

おおおおおおおお、ショーケースじゃないですか!!!
しかも、なんと味のある…。
ある小屋の解体を手伝っていたらそこから出てきて、いらないからどうぞ、ということだったらしい。
すごーい
だってね、このサイズのショーケースのアンティークはなかなか値が張ります。
むしろ新品のほうが安いくらい。
新品かぁ…味気ないけどモノは少ないし、あったとしても高いだろうし…の矢先のコレ!
ちょっと興奮しましたよ(笑)。

それもこれも、旦那が解体のお手伝いしてくれていたおかげです…ありがとうございます











そしてね。極めつけは…

これ、今年の1月のブログなんですけど(→過去ブログ
もうひとつ目標が達成できそうです~~~~~






言霊ってありますよ。
良いことも悪いことも。
悪いことは口にしないでね。否定的な言葉は脳が理解できないから。

だけど、希望ややりたいことはどんどん言ってしまいましょう。
おススメですっ

牛乳石鹸の歌がなかなかシュールな件。

2015年06月05日 | ふるもの
ある方からブリキの箱をいただきました。

中には小さな型抜き。
直径1.5~2センチくらいのものがたくさん。




形と大きさから見て和菓子用のものだと思われます。
この型抜きをみているだけでも、日本の春夏秋冬・花鳥風月が感じられます。
そしてどの型抜きにもつなぎ目が一切なく、精巧に作られている事がうかがえました。

金魚のヤツで、意味もなくきゅうりや人参を型抜きしてそうめんに泳がせたらかわいいだろうなぁ…( ̄m ̄*)





それにしても『牛乳活性シャンプー 2袋10円』っていつのものなんだろう…。
ちなみに、缶の中に敷いてあった新聞は昭和41年7月のものでした。

ところで
「はなのーかおりーゆ・た・か・なあわだちぎゅーにゅーせっけんよいせっけん♪」
を知っている方はどのくらいいるかしら?
歌の全容を知りたくて調べると、なかなかオツな歌詞でしたので…。




「牛乳石鹸の歌」

牧場(まきば)の牝牛(めうし)が 言ったとさ
かげろう燃えてる 春の日に
ちょーいと昼寝(ひるね)の 眼をさましゃ
赤ちゃん仔牛(こうし)が キスしてた
花の香り ゆたかな泡(あわ)だち
牛乳石鹸 よい石鹸

クレオパトラが 言ったとさ
エジプト出かけりゃ 砂ぼこり
ちょーいとひと風呂 牛乳を
鼻唄まじりに 浴びたとさ
花の香り ゆたかな泡だち
牛乳石鹸 よい石鹸

小野の小町が 言ったとさ
夏の行水(ぎょうずい) ぬかぶくろ
ぼんぼりつけて 和歌を読む
紫けむる 京の宵(よい)
花の香り ゆたかな泡だち
牛乳石鹸 よい石鹸








今日の西粟倉は冷たい雨の降る一日。
昨日までの暑さと今日の寒さの落差に体がついていかず、フリースを出してきました。
日が暮れてからは、白い息が出ていましたよ。
女将は旦那に風邪をうつしてしまい、今度は旦那が風邪気味です。
医食同源。
朝晩の梅醤番茶と、豚肉・ピーマン・人参・大根を中心に献立を立てました。
早く良くなりますように…。

時とともに。

2015年04月20日 | ふるもの
天徳寺の囲炉裏の間は竹組みの天井になっています。



それが、長い年月をかけて囲炉裏の煙などで燻されて「煤竹」という、工芸的にも価値のある竹材が出来上がります。

赤茶けた褐色の風合いとこのにぶい光…。



この先、囲炉裏や竹天井のない日本では、かなり貴重品になると思われます。





いろんな煤竹の製品がありますが、セーラーの万年筆も有名ですよね。SAILOR公式サイト→http://www.sailor.co.jp/lineup/fountainpen/10-7131












こちらは天徳寺の小上がりの壁に掛けてあります。



この時間をかけてゆっくりと作られたこの美しさは
筆舌尽くしがたいものがあります。
たぶん、それは、人の長年にわたる暮らしがそこにあるから。
美しい自然に美しい人間の営みが交わっているから。


何十年も、もしかしたら百数十年前の人が燃した囲炉裏の煙をこの竹は抱き込んでいるのかもしれません。













穀雨 第十六候 葭始生 あしはじめてしょうず