朝、目が覚めると、目の前にちっちゃいチャニョルが寝ていたので、
ああ、これはまだ夢の中なのか、それとも現実なのか、
と、はっきりとしていない頭で考えていると、
「おっはよー!」
と、大きな声の、大きなチャニョルがドアを開けて入ってきました。
隠す隙も与えられず、ちっちゃいチャニョルは、彼に見つかってしまいました。
驚くかと思ったら、別にそうでもなく、
「あれ、なに、これ」
と、まだ寝ているちっちゃいのを摘まみ上げる始末。
ああ、よせよ、乱暴に扱うなよ!
と、取り返すと、僕の手の中で、ちっちゃいのが震えているのが伝わってくる。
「今の、なに?」
「チャニョルだろ」
「チャニョルは、俺だろ」
「これも、お前だろ」
「いや、違うだろ…」
そんな会話をしていると、メンバーが次第に集まってきました。
ああ。タオがいなくてよかった。
あいつがいたら、かわいぃぃ~って、ぎゅうぅぅ~ってされて、
こんなちっちゃいの、すぐ潰れちゃう。
「まず、その手の中に隠しているものを見せてよ」
スホひょんが冷静に言うので、そっと、ベッドの上に、ちっちゃいのを乗せました。
みんな、ベッドの周りに跪いて、そっと、ちっちゃいのを見守ります。
だれも手をあげたり、声を荒げたりしません。
良かった。と、僕は思いました。
きっと、ちっちゃいのにも、僕らが味方だ、って、伝わったはず。
「昨晩、道で拾ったんだ」
そう言うと、
「得体の知れないものを拾ってはいけません、って、あれほど…」
「言われてないです」
「そうだけどさ、そこは常識的にさ」
「だって、犬や猫に持って行かれたりしたら、可哀相だと思って」
「だからって、お前が拾ってどうするの?」
「育てます。ちゃんとお世話するから、お願い」
「そんな上目遣いしても、ダメ」
「だめ?」
「だめ、です」
そんな僕たちのやり取りを、ちっちゃいのは黙って見ていました。
「…待った、なんか言ってる」
と、ディオが言うので、ちっちゃいのに顔(耳)を近づけると、
「…」
なにか言っているのはわかるのだけれど。
なにを言っているのかはわからなくて。
とりあえず、朝ごはんを食べよう、とスホひょんが言いました。
カイが、ゆっくりと近づいてきて、
僕の手の中のちっちゃいのを優しくそっと撫でながら、
「きっと、おうちに帰りたがってる」と、言いました。
ああ、核心だなぁ、と思ったけれど。
「どうやって、おうちを探すの?」と、きいてみました。
すると、
カイは、じっと僕の瞳を見つめて、
「かえしたくないの?」と、言いました。
それも、核心を突いてる。
この子は、いつも、そういう子なのです。
ダイレクトに、ひとの心に入ってくるのです。
「わかった。ジョンイン、おうちに帰してあげよう、な」
そう僕が言うと、カイは嬉しそうに頷きました。
そうです。きっと、このちっちゃいチャニョルの仲間だって、彼を探していることでしょう。
でも、
とりあえず、今は朝食を。