ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

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◎衆議院解散、第46回総選挙へ 羽田孜さん引退、改革新世代へ。「近いうちに信を問う」議員仕分け解散だ

2012年11月16日 20時55分31秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[首相]衆議院解散の詔書を読み上げる横路孝弘・衆議院議長、NHKニュース中継から。

 野田内閣は平成24年(2012年)11月16日(金)の午前8時15分からの閣議で、日本国憲法第7条により衆議院を解散する詔書(天皇の国事行為で、野田佳彦首相が副署)を決定しました。

 詔書は午後3時45分過ぎ、河内孝・内閣総務官(昭和57年自治省)から藤村修・内閣官房長官に手渡され、鬼塚誠・衆議院事務総長が折り目を付け、横路孝弘衆議院議長が朗読しました。

 自民党(保守合同前の前身政党含む)総裁ではない首相が衆議院を解散したのは現行憲法下で初めて。総理が「16日解散」を口にしたとたんのこの72時間の蜂の巣をつついた、衆議院、参議院、マスコミ、日経平均、東京為替市場の動き、インド首相訪日延期など、総理の解散権がすさまじい権力の源泉だということは、身をもって体験した方が多いでしょう。これが初めて、自民党総裁ではない首相が行使したということになり、歴史的な日になりました。これが日本の遅いけど、ようやく新しい一歩となりました。

 これで第45期衆議院(2009年8月30日から、鳩山内閣、菅内閣、野田内閣)は解散されました。政府はすみやかに臨時閣議を開き、第46回衆院選を2012年12月4日(火)公示、12月16日(日)投開票とすることを決定しました。

 今回の解散は、自民党と公明党が消費税増税法について「近いうちに信を問うべきだ」と主張したことに野田首相が14日(水)に応じたことに伴う解散。第45期衆議院では、二大政党の与党・民主党が野党・自民党の与党時代の悪行を徹底的に暴く事業仕分けで、情報公開を進めました。前世紀末からのIT革命(パソコンとインターネットによる情報通信技術の発達)により、 国民と国会議員の距離は近くなりました。例えば、twitterでは、「国会議員がこんなにバカなのか」と知る人が増えました。それもまた情報公開であり、国民と国会議員が近くなったという「偉業」です。

 この政治を国民の手に取り戻し、消費税増税について「近いうちに国民の信を問う」為政者(総理)の姿勢と有権者がそれにどう応じるか。そともう一つ、事業仕分けのその先にある、もっと根源的な議員仕分けをする。この2つが今度の選挙の争点だと、私は考えます。民主党の輿石東幹事長は「比較第1党をめざす」と述べ、過半数はとれなくても比較第1党になることで、衆参とも民主党が第1党になり、自民党、公明党とともに当面の安定した政権の中で、選挙制度を改革して「決められる政治」を目指す方針。いずれにしろ、自公も民主党も来夏まで参院で過半数をとれない状況が続きます。その中で安定政権をどうつくるかは極めて難しい選択であり、私たちは、家族、親戚、地域社会、職場で投票行動(選挙区、比例区、最高裁判所裁判官国民審査)を話し合うことが大事。さらに投票行動を統一させる仲間では責任を共有することで、政治への不安、不信を和らげる。そういう分かち合いが必要になります。仕分けされるのは議員であると同時に、有権者も同様です。自由(Liberty)には責任が伴います。権利と義務は表裏一体です。

 なお、0増5減法による新区割りの勧告とそれを反映した公職選挙法改正が間に合わないため、前回とまったく同じ区割り・比例ブロック・定数で選挙が行われます。

 そして、解散をもって、昭和44年初当選(獅子の会)、連続14期当選、在職43年の羽田孜さん、渡部恒三さん、森喜朗さんが引退しました。このほか、民主党では中野寛成さん、中井洽さんも引退しました。自民党では福田康夫さん、中川秀直さん、古賀誠さん、武部勤さん。公明党の坂口力さん、無所属の与謝野馨さんも引退しました。

 野田さんは第95代首相ですが、私たち民主党には第80代首相もいます。いうまでもなく、羽田孜さん(長野3区)です。43年間つとめた衆議院の最後の本会議にも、しっかりと出席しました。衆議院解散後には、長男の羽田雄一郎国土交通大臣(参院議員)がかけつけ、ごらんのように、羽田次郎秘書(次男)と3人で記念撮影。すばらしい羽田ファミリーです。

 
[写真]衆議院解散後に記念撮影する、左から羽田次郎秘書、羽田孜前衆議院議員、羽田雄一郎国土交通大臣(参院議員)、2012年11月16日(金)午後4時、国会内、筆者撮影。

 1992年、衆議院小選挙区制による政権交代ある政治を目指して、改革フォーラム21(自民党羽田派)を結成。政治改革関連法案を廃案にした宮澤内閣不信任案に賛成して、集団離党し、「新生党」結成。直後の第40回衆院選で勝利し、細川内閣に参画。その後、羽田内閣がわずか65日間に倒されました。この20年間、羽田さんは「政権交代ある政治」を唱え続けました。私も同様です。私がこの20年間、あきらめかけたことはあったけど、政権交代ある政治を言い続けることができたのは、羽田先生という権威(Majesty)があったからです。ついに見果てぬ夢「羽田首相再登板」はかなえられませんでしたが、政権交代ある政治、きょう初めて自民党総裁ではない総理が解散をしたことで、しっかりと日本に根付くはずです。改革第1世代から、改革新世代へ。仕分けの民主党の議員仕分けがなされます。

 
[写真]羽田孜先生と筆者、2012年11月16日(金)

 20年間、同じことを言い続ける。これは私は簡単なことに思います。ところが、他人を見るとどうやらそうではないようです。

 羽田先生と同じ、東京生まれの信州人であることを誇りに思います。政権交代ある二大政党政治を、私の一生をかけて、これからも命懸けで守り抜いていきます。

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