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【ニュースサイト】宮崎信行の国会傍聴記

【第26回参院選・実質賃金】岸田首相「結果として、コロナ禍を乗り越えた企業は3%以上を超える賃上げ」と謎の数字を強調、物価上昇率2・5%、春闘は2・09%なので、何らかの数字を探したか

[写真]岸田首相、きのう2022年6月25日、東京武蔵野市吉祥寺駅前で、宮崎信行撮影。

 第26回参議院議員通常選挙は、きょうで5日目となります。衆院選は12日ですが、参院選は17日間ないし18日間ありますので「選挙サンデー」はきょうを含めて2回あります。まだまだ長いたたかいです。

 岸田首相は、NATO首脳会合のため欧州に向かう政府専用機の中です。岸田首相のきのうの東京・吉祥寺駅前での街頭演説会で、「賃上げは3%超」という謎の数字をあげていたことが、筆者の音声データなどから分かりました。

 一部報道では、首相は選挙戦3日目で「新しい資本主義」という言葉を初めて使い全会場で使ったとされますが、きのうの選挙戦4日目では、その言葉は使っていないようです。

 首相は、演説の終盤で「ロシアによるウクライナ侵略で物価が高騰している」と言及。「日本においても国民のみなさんの物価が上がっている」とし「私が本部長になって物価・賃金・生活総合対策本部をつくった」と強調。「みなさんの事情にあった物価高騰対策を用意しなければならない」とし、地域に合わせた1兆円の交付金などで対応するとしました。

 演説ではこの後、「みなさん一人一人の賃金引き上げ、所得の引き上げが必要だ」と話を進めて「賃金の引き上げを民間に進めていく。結果として、今年の春闘、コロナ禍を乗り越えた企業は、3%以上を超える賃上げを実現した。全業種、全平均でも2%以上の賃上げを実現して、過去20年間で2番目の伸びとなった」と語りました。

 ところが、確認すると、連合がまとめた春闘の結果は平均賃金方式で「2・09%増」となっています。コロナ禍の影響が大きかった業種ではいまだに前年比マイナスとなりました。仮に、所定外労働や夏季一時金を加えても、3%には届きません。

 総務省が計算する物価上昇率は3月は1・2%でしたが、4月と5月は続けて前年同月比2・5%増となっています。首相周辺は、春闘が「2・09%」、物価上昇率が「2・5%」を意識して、「3%」ならば実質賃金はプラスだという考えで、何らかの統計数字を探したと考えるのが妥当な推測だと思います。

 仮にあったとしても、ビフォー・コロナに比べて発射台が下がったことで、前年同月比ではプラスの数字が出る「成長の下駄」である可能性が高そうです。

 立憲民主党の泉健太代表は3日の公約発表記者会見で、筆者・宮崎信行の質問に答えて、「連合もことしは本当に努力をして、近年の中では、2%超えとかよく言われますが、賃上げ努力をしたが、連合の中間まとめの中で、物価上昇のほうが大きくなって残念ながら実質賃金がマイナスになるおそれがあるという報告がなされている」と答えており、現下の経済状況は、「実質賃金マイナス」であるとの現状認識を示しています。

 首相は機中の人なので、しばらく真意は分かりません。が、金曜日の午前8時50分に日本銀行が発表する短期経済観測調査で「中小の製造業」はウクライナ戦争と上海ロックダウンの資材高を吸収できず先行きが悪化しそうです。

 世論調査では、最優先する政策課題は物価対策だと回答した人の方が自民党支持率がより高いという、やや意外な結果も一部で出ています。首相が1兆円の交付金を強調しているのもこれが背景にあると思います。しかし、物価を上回る賃上げが今春に実現できていなかった場合は、参院選以降も尾を引き、政権の打つ手が狭まることが予想されます。

 以上です。
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