岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「やっぱり美人に生まれたい」 朝日新聞 ひととき欄より

2012-10-21 11:05:05 | 日本の仲間
10月20日付の朝日新聞の「ひととき」欄に73歳の女性による投稿が掲載されていました。
女性の心もようが感じられました。
とても文章がお上手です。感心しました。
記憶にとどめるために転載させていただきます。


やっぱり美人にうまれたい

その人はバス停に立っていた。
まっすぐな髪、優しい顔、茶色系のワンピースは風に揺れて、バッグも靴も服にマッチして、
バス待ちの人たちはちらちらとその人を見ている。

車道を走るバイクのお兄さんも、速度を落として振り返る。
私の目的のバスは後5分で到着する。

私は、両親には申し訳ないが、子どもの頃からのくせ毛、ひろいおでこ、細い目、低い鼻にコンプレックスを持っていた。
若い時は、その若さと元気で乗り切れたが、あちらの世界の階段に足をかけようとしている今、今度生まれ変わることができたら美しい女性に生まれたいと思う。
できたらもう少し賢く、お金もあったほうがいい。この年になっても煩悩は消えない。

振り返っても決して戻らない青春、振り返らなくても追いかけてくる老い。
そのはざまで、やっぱり次は美しい女性に生まれたい。

バスが来て、バスの中からその人を見ると、腕時計を見て次のバスを待つようであった。

青い空、白い雲、さわやかな風、私のたわいない思いを乗せて、バスは秋になりつつある街を走り出した。


転載おわり。

なにか感想を書きたくなりますが、野暮なことはやめておきます。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やっぱり美人に生まれたい (鳴神吟次)
2012-10-27 05:16:32
この記事を探すのに苦労しました。前はいいね!とかが出来るところにあったのに。いまどのくらいの人が読んでるかなと思って。読んでる人の数は解らなくても、いいね!がいくつあるかなって。僕が見た時は、皆さんあんまり関心なかったようですが。転載ってどうやるんですか。まさか書き込みでは。それにしても、あの記事を書いた人も魅力的です。同じ光景を見た人でも、あれだけのとらえ方した文章を書ける人はいないでしょう。美人の人があの記事を見てたらいいね!
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Unknown (岩清水)
2012-10-27 09:10:05
鳴神さん
コメントありがとうございます。
このブログとFBを連動させているのです。
FBにも同時に記事が載るのですが、FBでは過去の文章を探すのが大変ですね。
ブログは、自分が書いた文章が整理され残っていくので便利です。
「転載」は、書き写しただけです。紙の新聞から写しました。
文章を書いた女性、素晴らしい才能をお持ちですね。美人でなくてもその天分に満足されてはいかがかと思いました。
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Unknown (鳴神吟次)
2012-10-27 19:47:12
解ったこと①フェイスブックは過去の投稿を見るのは困難②転載は打ち込み③この投稿に興味を持った人は少ない。古かくさんに反対意見。天賦の才能よりやっぱり美人。でもその人が、みんなが振り向く美人だったらあの文章は書けなかったでしょう(^◇^)
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才色兼備はまれでしょうね。 (こかく)
2012-10-27 20:09:30
ご本人が美人になりたかった、とおっしゃっているのですから、私の感想はあまり意味がないかと思います。

ところでこの投稿に反応があまりなかったのはなぜでしょうか。
いつもは女性からの反応がダイン性を上回るのですが。女性からは反応がありませんでした。
なにか深遠なテーマにたどり着いたような妄想も。
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