静岡古城研究会会長:もっちーのブログ

静岡古城研究会会長:望月のブログです。主に静岡県内の中世城郭関係の情報を発信します。※当ブログはリンクフリーです。

津久井城講演会「中世庭園から津久井城をみる」が開催されました

2018-01-20 07:00:07 | 報告、その他お知らせ

1月14日(日)、神奈川県の相模原市立博物館で、同市にある津久井城関連の講演会「中世庭園から津久井城をみる」が開催されました。この講演会は、相模原市立博物館が昨年9月24日から6回シリーズで行っている講座「戦国時代の山城 津久井城」の第5回目の講座で、前日小田原で行われたシンポジウム「小田原北条氏の絆」に参加していた方も多く、会場は盛況でした。

今回の講演会の講師は相模原市立博物館学芸員の中川真人氏で、津久井城の城坂曲輪群の発掘調査で庭園の遺構が検出されたのに伴い、庭園の歴史、中世の庭園について概説し、更に八王子城御主殿や小田原城御用米曲輪の庭園遺構を紹介、小田原北条氏支配下のの城郭内にあった庭園として津久井城の庭園を分析する、というものでした。津久井城城坂曲輪群5号曲輪は、池を持った庭園機能に特化した曲輪で、遺物の年代から16世紀後半の天正期頃まで営まれた庭園で、後背の湧水や傍らを流れる尻久保川の渓谷を借景として取り込んでいたのではないか、ということでした。

 津久井城には更に、以前発掘調査を行った御屋敷地区にも庭園の遺構があったと考えられ、同城の城主であった国衆の内藤氏の権力や小田原北条氏の家臣団の中での位置付けを考える上でも、これらの庭園遺構は非常に興味深い遺構だと思います。

  

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