神奈川県相模原市の津久井城では、平成22年度から相模原市教育委員会と地元住民の協働による発掘調査が行われていますが、今年度も津久井湖城山公園で行われた「収穫感謝祭」に合わせて、11月23日(日)に現地説明会が開催されました。
今年度は、昨年度行われた根小屋地区東側の「第5号曲輪」の調査区を拡張するような形で調査が行われ、昨年度ある程度存在が推定できていた虎口と石敷きの通路、そして南側斜面の土塁と思われる高まりを確認することができました。また、これらの遺構は、戦国時代後期のある時期に大規模な造成工事により埋め立てられ、曲輪が拡張されていることも明らかになりました。
また、遺物は陶磁器・かわらけの他に、金銅製の筒型をした製品も発掘され、話題を提供しています。
今回の津久井城の調査は、面積としては昨年度同様決して広いものではありませんが、虎口や土塁の構造、そして曲輪の改修状況も確認できたとのことで非常に意義深い調査であり、次年度以降も成果が大いに期待できると思います。