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週明けの東京株式市場は波乱含み。 今後の株式市場の見通しは?

2015年08月23日 21時56分07秒 | 日記
 8月23日(日)も午後9時30分を過ぎている。

 ここ3日続けて、このブログでは世界や日本経済関連の話題を取り上げている。

 ブルームバーグの日経225先物(大証)取引は 19080円  ▲350円 を表示している。24日からの週明けの東京株式市場は一気に19,000円の攻防戦になりそうな雰囲気だ。

 最新号の週刊誌等では日経株価3万円に、などと掲載されているが、週刊誌の編集印刷の数日間のうちに大きく変動してしまったようだ。

 果たして株価が3万円を目指して、急速に戻るであろうか?

 中国の経済減速は、住宅バブルといい、今回の株式市場の下落といい、単純なバブルの収束は非常に困難で、中国経済が軌道に戻るまでには、かなり長期間がかかりそうな様相なのだ。

 小幡 績准教授(應義塾大学)が 「日本の株価暴落が、世界一深刻になる理由」と題したコラムを、東洋経済オンラインに公開している。

 株式投資を始めた人たちは参考資料として是非お読みください。


(東洋経済オンラインよりはr

日本の株価暴落が、世界一深刻になる理由
世界的な株価の下落はまだ終わっていない
小幡 績 :慶應義塾大学准教授
2015年08月22日

 7月のコラムでは、中国株バブルはいったん崩壊したら、戻ることはない、また危機はやってくる、と書いた(「中国バブル崩壊」の本当のリスクとは何か)が、現在は中国だけでなく、世界的な株価崩壊が始まったかどうか、という段階まできた。

●なぜ株価はこれからもっと下落するのか

 世界の株はどうなるのか。日本株はどうか。個人的な予測は、世界も日本も下がる。日本がもっとも大きく下がる、というものだ。

 なぜか。一つ一つ説明していこう。

 世界の株式はずっと上昇を続けてきた。欧州は紆余曲折あったが、結局、上昇トレンドで来た。米国は、暴落の反動で、また異常な金融緩和により、相場上昇は加速しただけでなく、長期化し、約6年間上昇が続いてきた。景気も同様で、米国実体経済は6年間、好況が続いてきたのである。これが反転しない、というわけにはいかない。

 景気とは景気循環であり、その言葉の定義からも構造からも、循環するものであり、上昇すれば下落する。 好況が続けば、過熱して、停滞から不況へと向かう。 山高ければ谷深し。 これは、日本のバブル崩壊だけでなく、バブルも景気循環も同じであり、今後は、好況が終わり、その調整は大きく、長期にわたるだろう。

 ただ、これは米国経済よりは中国経済について深刻である。 それは、中国の景気上昇が、高度成長期という中期的な構造要因もあって、長期に高い実体経済の成長を続けてきたからだ。 そして、不動産バブルは長期にわたり、また全土に広がり、そして水準も高く、崩壊すれば、長く深い崩壊となるだろう。

●個人の「バランスシート調整」が長引く可能性

 中国不動産バブルには、さらに2つ致命的な問題がある。 第一に、個人が投資の主体であるにもかかわらず、自己使用のための住宅ではなく、純粋な投資物件で、売りやすいように未入居のままにして売却を狙ってきたことだ。

 これは完全にバブルだ。 だがバブルが崩壊したときに、商業用不動産を企業やファンドが投機の対象とした場合には、崩壊は激しくなるが、短期で調整も終わる。 しかし、個人では、損切りや倒産が難しいから、調整が長引くと言うことだ。 だから1回暴落して、回復してきたように見えても、それは見せかけであり、さらに深い底が待っている。

 二つ目の致命傷とは、まさにこのことだ。中国不動産市場は回復を見せている。 特に深センが一見勢いよく回復しているが、これは勢いがありすぎて、今後の調整が深くなるだろう。

 なぜ、中国について長く語る必要があるかというと、中国の資産市場、不動産市場と株式市場は、他の市場から独立しているからだ。

 あれ?それなら、世界市場には影響ないのでは?というのが普通の印象だろう。 その通りだ。世界的な暴落の伝染は、投資家が同じ投資家であること、機関投資家が大規模に世界的に投資しているから起きる。 そして、彼らはプロ中のプロだから、極めて論理的に行動するから、彼らは同じタイミングで売るときは売るし、買うときは買う。 リスクオフになれば、世界同時にリスクオフとして売るから、同時に下落するのだ。

 しかし、中国の投資家とは中国の個人と事業会社だとすると、世界のリスク資産市場から隔絶されており、暴落の伝播はない、というのが理屈である。 それなのに、なぜ今回の世界暴落の時に中国が一番重要なのか。

 それは、今回の株式市場の暴落が、中国の金融政策によるものではなく、米国の利上げという金融政策によるものでもなく、純粋に、中国経済の後退を中心とする世界的な新興国の実体経済の低迷が理由だからだ。 この暴落は、ある意味静かで怖い。

 なぜ静かで怖いかというと、パニックで非合理的に投資家が投げ売っているからではないからだ。 金融的理由による売りなら、売りが出尽くせば、それで止まる。 また、パニックになればなるほど、すべての膿は吐き出され、冷静に戻った後では、買いが入りやすい展開になる。

 要は、気分の乱高下に市場がつきあわされる、 あるいは市場が投資家を錯乱させ、それがブーメランのように市場に返ってくるだけだ。 ところが、実体経済の停滞という理由で世界的に売られると、回復には実体経済が戻らないといけない。 それには時間がかかる。 だから、今回の下落は深刻なのである。

●日本のバブルが崩壊するのも早い

 最後に、なぜ日本の株価がなぜ世界の主要国で一番下がるかを述べよう。 それは、日本が一番上がってきたからである。 日銀が買う、GPIFが買う、という理由で海外の投資家が買い、GPIFが買うから海外の投資家が買うから、と言う理由で国内の投資家も買い、個人の投資経験の浅い人々も、最後にその流れに乗ってきた。

 だから、下がり始めれば、日本だけは、金融的なセンチメントでも下がるのである。 しかも、下手に公的に近い組織が買い支えるように見える展開が続くと、落ちたときにそのショックは大きくなる。 他人が買うから自分も買う、というのは、まさにバブルであり、崩壊するのも早いからだ。

 今後、株価は乱高下と言うよりは、次第にいったん戻したり、また下がったり、という一進一退を繰り返すようになるだろう。 そのときに、明示的な、大きなネガティブショックが来たときが、大きく崩壊するときだ。それは日本発ではなく、中国か米国発だろうが、そのときに一番下がるのは日本であろう。

(貼り付け終わり)

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