元気いっぱいの新老人の ツッパリ発言

団塊の世代のちょっと先輩。75歳を過ぎ、今の世の中がこうなったのも、少しは責任があるのかなと反省をこめての前向き発言

安田純平さんの開放で、またもや噴き出す自己責任論。

2018年11月02日 20時10分20秒 | 日記

 安田純平氏が解放されて帰国されたが、14年前のイラク国内でボランティア活動をして拘束された3名の帰国時と同じように、またもや自己責任論がTVやネットで報じられている。

 混乱している地域に出かけ、内実を報道しようとするフリージャーナリストたちに対して、日本ではどうして自己責任論がはびこるのだろう?

 フリージャーナリスト 志波 玲氏が安田純平氏本人では話しづらいこの問題を、いろんな角度から書いておられる。

 筆者があれこれ書くよりも、志波 玲氏の意見を添付させていただきました。

 紛争地に出かけるジャーナリストの仕事をする身にとっては、上っ面だけみて自己責任論を話すタレントには、憤懣やるかたないだろう事が伝わってくる。 少々長いがお読みください。 なお筆者の独断で一部省略している項目もあります。 できれば原文をお読みください。

(yahooニュースより貼り付け)

安田純平さん叩くタレント達に戦場ジャーナリストが物申す-橋下氏、たけし氏、松本氏、三浦氏へ                                      

志波 玲   フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)                     2018.11.02

 シリアで現地武装勢力に拘束されていたジャーナリストの安田純平さんが解放され、帰国したものの、案の上、彼へのバッシングが行われている。とりわけ、ワイドショーなどで、紛争地取材についての深い理解や経験があるとは言い難いタレント達が、安田さんの事件について、様々な発言をしている。この間、イラクやパレスチナ等で取材を行ってきた戦場ジャーナリストの端くれとして、これらの発言に物申したい。

◎謝罪より事実関係が重要

 安田さんの件で、最も活発に発言している著名人の一人が、元大阪市長の橋下徹氏だろう。橋下氏は、『NewsBAR橋下』(Abema TV、先月25日)で、安田さんについて、「『結果出せませんでした。ごめんなさい』と言うのが当然」と語った。

「ジャーナリストとして、みんなが報道しないことを取材しにいくんだ。世界のニュースが報じないことを、おれが報じるんだという心意気は良し。(中略)安田さんはできなかったんだから、そこは結果責任ですよ」

(出典:Abema TVでの橋下氏の発言)

 また、橋下氏は自身のツイッターで以下のように投稿している。

 安田氏自身が講じた安全対策は十分だったのか、それとも無謀だったのかの検証が必要。要するに、安田氏を盲目的に擁護し賛美しているジャーナリストたちは、もう少し冷静になって、危険地域に行く際の心構え、準備についてガイドラインくらい作れって話。これくらい、すぐにできるだろ!

 これらに発言についてであるが、まず、安田さんは帰国直後、妻の深結さんを通じて、「大変お騒がせし、ご心配をかけました。おかげさまで無事帰国することができました。ありがとうございました」と謝意を述べている。安田さんに批判的な人々からすれば、不十分なのかもしれないが、同業者として筆者が興味があるのは、「謝罪」ではなく「事実関係」だ。とりわけ、何故、拘束されたのか、拘束中はどうであったのか、解放された経緯はどうであったのか、これらの事実関係は、今後の大きな教訓となろう。橋下氏は、「ガイドラインをつくれ」というが、日本の報道機関にも、危険地取材のマニュアルはある。かつて筆者が、イラクでの取材記事や写真を東京新聞に提供していた頃、事前に同紙から、共同通信がまとめた具体的な事例に基づくマニュアルをもらい、その内容についての説明も受けた。だから、安田さんが今後語るであろう彼自身の経験は、報道各社や筆者のようなフリーランスの記者にとって、非常に重要な情報、財産となることは間違いない。 

◎海外の報道任せでよいのか?

 また、橋下氏は、自身のツイッターで、

「安田氏がその取材活動によって世間に伝えているものは、BBCやCNNやロイターなどの報道機関が現在伝えているものと何か違いがあるのか?(中略)世界の報道機関が報じているもので十分だ」

とも述べているが、これも軽率な発言だろう。よく国家の食料自給率の重要性が語られるように、情報の自給率もまた重要だと、筆者は考える。一見、遠いことに思える海外の事柄が、どのように日本と関係あるのかという視点で取材する「国産」のジャーナリストは必要だ。

 最近の例で言えば、安倍政権は急速にイスラエルとの関係を強化、日本は大幅に同国への投資を増やしている。だが、パレスチナ人のデモ隊に対して実弾で殺傷、医療従事者まで射殺するなどして、イスラエルが国際社会から強い批判を浴びている中、同国と日本が接近しすぎることは、モラルが問われることであるし、リスクにもなり得ることであるが、そうした視点での報道がもっと日本で増えることを、現地で取材していた者しては願うばかり

◎金のために紛争地に行くのではない

 「一攫千金のため危険な地域に行って拘束された」というのも、よくある誤解である。タレントのビートたけし氏は

「フリージャーナリストっていうのは現地へ行って記事を書いて、それを出版社に売って儲けるわけでしょ?」「仕事のために危険を冒すのはリスクだから、それに政府がお金を出したのかどうかはわからないけど、どうなんだろうね」

と自身がMCを務める「新・情報7DAYS ニュースキャスター」(TBS系、先月27日放送)で発言。

 当事者として言わせてもらえば、フリーのジャーナリストが紛争地取材に行くのは、金のためではない。現地への渡航費や案内役や通訳への日当、場合によっては護衛も雇うなど、紛争地取材はとにかくコストがかかる。1日あたり数万円かかることは当たり前。現地でまとまった取材を行うには短くても2週間程度、できれば1カ月以上かかるため、バカにならないコストだ。金がかかると言えば、例えば、バグダッド国際空港から市内へむかう「世界で最も危険な道路」=ルート・アイリッシュを通る際、誘拐等から身を守るために護衛をつけた場合、数十万円もの費用が必要な時もあった。だから、雑誌の原稿料や写真使用料では、到底ペイしないし、テレビ局の地上波のニュース番組に秒あたり数千円で映像を買ってもらえることもあるが、そうした機会も毎度あるわけではない。単純に金を稼ぐという点では、安全な番組スタジオ内であれこれ評論している方が、よほど割が良いだろう。それでも、ジャーナリスト達が紛争地に向かうのは、彼の地で起きている悲劇を、日本を含む世界の人々に知ってもらいたいという、戦災に苦しむ無辜の人々の思いに答えるため、だ。

 また、ビートたけし氏は登山家が山で遭難したケースを引き合いに

「失敗した場合は救助隊にお金を払うでしょ?この人は失敗したんじゃないの?」

出典:「新・情報7DAYS ニュースキャスター」でのたけし氏の発言

とも発言したが、遭難と誘拐では、政府として対応が異なることは言うまでもない。

*当の登山家でも、アルピニストの野口健氏が紛争地取材を登山になぞらえて論評することが度々あったが、そもそも報道と登山は性質が全く異なるものなので、例えとしては適当ではない。

(筆者の独断で一部省略します)

◎タレントも相応の知識と経験が必要

 日本では、憲法で「言論の自由」が保障されている。著しく事実と異なる誹謗中傷でない限り、様々な議論があることは当然であろう。ただ、専門知識や経験、人権への配慮を欠いたタレント達がワイドショーなどで放言し、それをタブロイド紙やネットメディアが拡散するという、現在の日本の言論の在り方には、やはり疑問を持たざるを得ない。海外では、例えば俳優のジョージ・クルーニー氏や、女優のアンジェリーナ・ジョリー氏などは国連大使として優れた演説を行い、難民キャンプなどの現場も訪れている。日本のタレント達も時事問題を語るのであれば、相応の知識や経験を身につけていくべきではないか。

(貼り付け終わり)

 

 



 

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