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米国の対北先制攻撃はないだろうが、米朝対話の失敗を警戒する韓国。

2017年04月11日 14時43分49秒 | 日記
 シリアのアサド政権がサリンなどの化学兵器を使用したと、米国が断定してミサイル攻撃を行った。

 そのうえ、北朝鮮も視野に核開発を止めないならと、朝鮮半島周辺に米軍の原子力空母を派遣している。

 とたんに日本の周辺にきな臭さが漂い、日本のテレビメディアなども、北朝鮮情勢の解説が盛んに行われている。
 
 しかし、北朝鮮からの挑発行為でもなければ、米国が軍事介入を行うことは、考えられないだろう。

 米国と北朝鮮の外交交渉が行われる事が、両国の狙いでもあろうと思うが、韓国の立場は結構微妙なようだ。1990年代に行われた米朝交渉の結果が、結果的に北朝鮮にブレーキをかけることができなかったからだ。

 あのころと違って、今は中国が北朝鮮問題で、大きな力を発揮できることも間違いない。

 韓国の率直な気持ちは、朝鮮日報の社説に書いているように、「あらゆるオプションをテーブルに載せておくのは当然のことだが、今は忍耐を持って制裁と圧力に力を入れるべき時だ」と、過去の米朝対話の失敗も警戒している。



(挑戦日報より貼り付け)

【社説】米国の対北先制攻撃よりも米朝対話を警戒せよ
2017.4.11

 米国のトランプ政権関係者が北朝鮮に対する先制攻撃の可能性に何度も言及していることを受け、韓国国内ではその具体的な日時まで予想するいわゆる「北爆説」が広まりつつある。米原子力空母カールビンソンが韓半島(朝鮮半島)周辺海域に再配備されることが伝わると、27日に先制攻撃が行われるとの見方がそれらしく語られるようになったのだ。
 
「日本大使が韓国に帰任した理由は韓国在住の日本人を避難させるため」とする報道もこのような見方をあおっている。ネットでは韓国に進出している外資系企業の撤収説、朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の海外亡命説などに言及する声も出ている。もちろんこれらはいずれも根拠のない単なるうわさであり、軍事攻撃の日時が事前に知られるなどそもそもあり得ないことだ。

 トランプ政権が北朝鮮への先制攻撃を数あるオプションの一つとして検討していることは間違いない。またトランプ政権が先制攻撃に踏み切る可能性を過去の米政権と比較すれば、おそらく最も高いのも確かだ。ただ軍事作戦を行う場合はその目標が明確でなければならず、攻撃が行われた後の備えも必要になるはずだが、現状ではこのどちらもはっきりしていない。

 韓国統一部(省に相当)の洪容杓(ホン・ヨンピョ)長官が昨日「韓国としては先制攻撃によってもたらされるさまざまな問題点について考慮しないわけにはいかない」と述べ、攻撃に否定的な考えを示したのもそのためだ。歴代の米国防長官が先制攻撃のオプションについて時の大統領に報告する際には、そのマイナス面についても常に強調してきた。もちろん先制攻撃はその可能性がゼロとは言えないし、またゼロにする必要もないが、現時点で北朝鮮の核問題は間違いなく外交的圧力に力を入れるべき段階にある。そのため今すぐ何かが起こるかのように騒ぎ立てるのは過剰反応、あるいは誇張された見方と言わざるを得ない。

 むしろ今警戒すべきは先制攻撃が行われるかどうかではなく、韓半島における危機的状況が高まった中で米国と北朝鮮が電撃的に対話を開始し、これまで20年以上にわたり続いてきたパターンが再び繰り返されないかということだ。米国のティラーソン国務長官は9日のインタビューで「米国が望んでいるのは韓半島非核化であり、北朝鮮政権の交代ではない」とした上で「北朝鮮と対話を行う前提条件は、(北朝鮮が)全ての武器の実験や開発を中断することだ」と明言した。この発言から、トランプ政権は北朝鮮の核を「廃棄」ではなく「凍結」を前提に交渉に臨むこともあり得ることが分かる。

 ティラーソン氏のこの発言がどれほど真剣なものかは分からないが、大きな変化であることは間違いない。1990年代の前半から始まった北朝鮮の核危機は「北朝鮮による合意の破棄→核実験とミサイル発射→韓半島における緊張→交渉とその妥結→補償」という悪循環が繰り返されてきた。これは米国がこの問題を根本的に解決させることよりも、時の政権の必要によってこの問題を取り扱ってきたからに他ならない。そのため今回もそのような悪循環にはまってしまうことだけは強く警戒しておかねばならない。

 いずれにしても現状では国連による制裁を一層強化することが最善の対応だ。中国に対しても、北朝鮮の核問題を放置すれば自分たちの国益にもマイナスになることをしっかりと理解させなければならない。昨年脱北して韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使は「北朝鮮の体制は崩壊しつつある」と証言した。あらゆるオプションをテーブルに載せておくのは当然のことだが、今は忍耐を持って制裁と圧力に力を入れるべき時だ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

(貼り付け終わり)