m星紳士のつぶやき・・・

現在、twitter連携によるブログ更新中。日々の日常から、野球、ゲームの話まで勝手に語ります(`・ω・´)

魚、時計、蒼海にて。

2012年06月30日 22時41分35秒 | つぶやき
 まず、お詫びから。

 しばらく、ブログの更新がまともに出来てませんでした。すみませんm(_ _)m

 正直、PCのキーボードを触る感触が懐かしいくらいです(笑) 






※注意

 これから書くことは、シリアス(?)な現実話を淡々と書くものです。その手のモノが苦手な人は、即刻、右上の×マークか、戻るを押してください。







OK?







 それじゃ、いきます。


 今日は6月30日。梅雨のせいで雨が長引くこの季節。今日は降水確率50%。折りたたみ傘を持っていくべきか否か、悩むような空模様である。そんな空を少し背筋を伸ばして、数秒眺めた。

「今日で1ヶ月になるのか。」

 そうつぶやきざるを得なかった。そう、今日で一ヶ月になるのだ。



━━━━ 一ヶ月前

 普通の授業日、水曜だから物理の時間の後だったであろうか。担任教師に呼び出されて、その5分も経たないうちに校門をくぐった。
普段から歩くのは速いほうだが、さらに歩幅を大きくして歩みを進めた。その時の俺の顔はどんなだっただろうか。おそらく『必死な顔』ってところだろう。
電車に乗って、普段乗り降りしない駅で降りた。そこから道のりはわかっている。1年くらいは行っていないが、何度も行った事がある場所であるから間違うハズもない。
1時間半ちょっとでその建物の下まで辿り着いた。3階の部屋のまで1段飛ばしで登った。ドアは開いている。もちろん、中に人がいる。俺の親と他に2人。
俺は誘導される前にまっすぐ、ある部屋に向かった。

__その部屋には、布団に寝かされ全身を隠された伯父さんの姿があった。

 カバンを下ろして、伯父さん(以後、『彼』と表記)の横に座り、顔を覆っている布を取る。安らかな顔で眠っていた。触ってみる。まだ少し温かい。でも動かない。
その事実を前にして、俺の目が潤む。
 彼の部屋には相変わらず、PCが3台と大好きだった釣りと魚に関する物がたくさん置かれている。壁には、魚を両手に持ち満面の笑みを浮かべる彼の写真があった。
 彼の昔からの友達が教えてくれた。彼はその友達と釣りと行った時に、甥である俺の事を自慢していた、と。彼には子供がいなかった。だからおそらく、釣った魚を持ってきて食べさせてくれたり、お菓子を持ってきてれくたりしたのだ。
ただ、彼はその友達に『可愛くない甥』と言っていたらしい。俺は彼に感謝の気持ちとか色々あるのだが、どうやってそれを伝えればいいかわからなかった。要するに、不器用な奴だったのだ。俺は。
思いを伝えられなかった自分が悔しくて、また涙があふれた。
「ごめん。不器用な甥で。」

 その後、警察が来て調べた結果死因は心筋梗塞であると告げられた。25日に心不全で入院し、危篤状態までいったにも関わらず治療を拒否して退院して会社に行こうとした矢先の事である。
 何故そんな事をしたのか、俺にはわかる。彼がよく言っていた言葉を思い出す。
「男は死ぬまで働き続けなあかんねん。」
 それを自ら貫き通し、さらには俺にそれを教えたかったのだろう。俺から言わせれば、彼は男の中の男という感じであった。

 数日後、火葬と御骨拾いがとりおこなわれた。彼の生前の意思で葬式はせず、坊さんも呼ばず身内と彼と仲の良かった人を呼ぶだけとなった。

 手を合せながら、俺は彼の前で誓った。強い男になると。

 ちなみにこれも彼の意思で、遺骨は分けて、太平洋・日本海・伊勢湾で海に撒くように言われていたので、分けて舞鶴・紀伊田辺・伊勢に撒いた。


 そのまた数日後。誰もいなくなった彼の家から、いくつかある中で彼が普段使っていた時計があったので貰ってカタミ替わりに使うことにした。

 彼が動かなくても、居なくても、この時計は動き続ける。俺の左腕で。




 そして今日の朝に空を眺めた、時計をみた後に思った。

 今、彼への願いが叶うならば... 

 一度でいいから、海の上の船で俺と伯父さん、二人で他愛もない世間話をしながら楽しく釣りをしたい。

 と。

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