以前、このブログで「私が大学生だった頃、林学や森林生態学を学ぶ学生にとって四手井綱英教授や吉良龍夫教授と言ったら雲の上の人で、その講義を聞いたり、本を読んだりすることは憧れでした。」と書きましたが、影響を受けた先生がもう一人おりました。その先生が今回紹介する本の著者である只木良也氏です。
只木先生は1981年に『森の文化史』という本を書かれ、それがNHKの目にとまって市民大学講座『森と人間の文化史』という番組を担当されていました。この内容を1988年にまとめたのが『森と人間の文化史』(NHKブックス)です。この本は22年間の間に17刷を繰り返すほど好評なもので、内容の一部は入試問題や高校の教材などにも使われていました。そして、その本に加筆し、最新データなどを加えたものが『新版 森と人間の文化史』(NHKブックス)です。
初版から20年以上経っているのですが、内容的に今でも通用するものです。先生も巻頭で書いていますが「我が国の森林を取り巻く情勢は20年前に指摘した問題と大きな変革はなく、かえって悪化している」のです。
「グリーン・ニューディール」が打ち出されている昨今ですが、どうも「生きた緑」に目が向けられていない状況が続いているようです。代表的な緑である「森林」を今一度見直すために是非読んで欲しい本だと思います。
『新版 森と人間の文化史』・只木 良也 著・日本放送出版協会・1,050円(税込)
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