ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

カウンセラーからのアドバイス 95回

2008年07月04日 | 指導ケース
   ☆ 他人の視線で委縮する
 実力がありながらその場になると上がってしまい、物事がスムーズに運ばない
タイプの人は案外多いようですが、38歳のYさんは、ある大手の企業の研究
開発部門で働いています。そのチームは6人ですが、ことにその中の二人は押し
出しが強く、リーダー格でしたので、Yさんは自分の意見を言おうとしても、緊張
して言いだすことできず、いつも口惜しい思いをしていました。
 そしてわたしの著書で自分と同じような指導例を見て、「自分を変えたい」
と訪れました。分析をすると他人の目を必要以上に気にするタイプで、完璧主義
で「絶対に恥をかきたくない」と言う気持ちが大変強いことがわかりました。
 彼には心身をリラックスさせ、能力開発にも役立つ科学的な自律訓練法を
指導すると同時に、緊張状態を緩和するため、イメージトレーニングを行いま
した。
   ☆ カラーバリヤーで自分をカバー
 Yさんを催眠状態に誘導し、メンタル・リハーサル(イメージ体験)で、職場
で自分のチームのメンバーと、デスカッションしている情景を描いてもらいました。そして、その場で誰の目も気に掛けず、堂々して自分の意見をハッキリ
述べているイメージを描いたはずでしたが……
 催眠状態から覚醒したYさんは「いくら一生懸命イメージを描こうとしても、
二人の視線が自分を捉えていて「お前に意見なんてあるの。そんなに自信がある
なら聞いてやろうじゃないか」と、凄い目で自分を睨んだので、委縮して言葉が
出なかった」と言うではありませんか。
 そこでわたしは自分を守るカラーバリヤー(自分では見えるが、他人には
全然見えず、自分自身をメンタルな意味でガードしてくれる、イメージの
カラーバリヤーのこと)ついて詳しく説明しました。
 すると、「それなら自分でも描けるような気がする」と答え、自分の好きな
色は「ゴールド」だそうですので、次回は同じように催眠状態に誘導し、メンタル
リハーサルを行いました。すると覚醒した後のYさんは、とても嬉しそうに「自分
はカラーイメージバリヤーがハッキリ見えて、それに守られているから、まったく
緊張しませんでした。二人の視線は全然気にならず、考えていることがスラスラ
発言できて気分が良かったです」と言いました。
 この方法をくり返したYさんは、その後すっかり変身したことは言うまでも
ありません。
    ☆  緊張症の方に 
 これは大分以前にわたしが考えた方法ですが、今までの指導の実例では
大変効果がありましたが、ただしイメージ力が弱い方には、やはり無理な
ようです。実例ではもっとも好まれたカラーは「赤とオレンジ」でしたが
もしもあなたが実力がありながら、緊張するあまり表現できず、もどかしい
思いをしていたり、また他人の視線が人一倍気になるような方は、この方法を
ぜひ試してみてください。 イメージカラーのバリヤーは、自分からはハッキリ
見えていますが、他人からは全く見えません。
 でもあなたの心身をしっかりガードしてくれるために、強力なパワーがある
のです。この方法で、電車に乗れない、他人とすれ違うのが怖いという対人
恐怖症や、不潔恐怖症など状態が、かなり改善され、日常生活がふつうに
できるようになりました。
 今思い出したのですが、地方の方の電話相談でも指導した例ですが
大変効き目があり、驚くほど開放的になった四十代の女性がありましたが、彼女
はイメージ能力が豊かでした。
 心はとても不思議なものですが、どんな方法でも自分をコントロールできる
と、生きていくことが大変楽しくなるので、心あたりのある方はぜひトライ
してくださいね。ダメもと精神でどうぞ。



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