昨日の夕方公園に散歩に行き、林の中でこんな風景を見ましたので
お話しましょう。わたしの目の前に突然カラスが急降下して
びっくりしましたが、何かを加えてさっと飛び上がったのです。
上を見たら、木の上にやや小さいカラスが止まっていたのです。
その子供に口移しで餌を食べさせているではありませんか?
それは何度も続きましたが、何と愛らしいのでしょう。
わたしはしばらく立ち止まって、その様子に見とれました。
みんなに嫌われているカラスですが、お母さんカラスは自分の子供に
こんなに一所懸命に餌を与えている。わたしは初めて見ましたが、その
健気な様子に「親って凄いな」と感銘しました。
子供の親殺しや親の虐待など、人間のモラルが低下している現代に
カラスに子育ての一所懸命さを教えられたように感じ、ほのぼのした
気分になった昨日の散歩でした。
☆ 瞑想を求めて
今回わたしはもっとも感動したインドでの瞑想体験を、その前後の情況と
ともにお話いたしましょう。
わたしは長年ヨーガの指導をし、生徒さんには瞑想のやり方などについて
説明していても、実は本当の瞑想状態はどんなものなのかよく分かりません
でした。 今だから告白できますが、わたしは瞑想を求めて、ヨーガ以外の
さまざまな心理療法のワークショップに参加したり、座禅をしたり、毎日早朝
呼吸法をし、その後に約一時間座って瞑想をくり返しました。
でもいくら努力しても「これが瞑想状態だ」という実感を得ることは
できませんでした。こんなことは他人には話せず「わたしはもう長年ヨーガ
を指導していて、インドへ何度も行ったのに、何故なのだろうやはり修行が
足りないのではないかと」と、焦燥感や自己嫌悪に陥ったりしました。
その頃はヨーガブームでしたが、ヨーガを修行している人にとって、インド
のリシケシは憧れのヨーガの聖地でした。そこに行くツアーはありましたが、
ほとんど観光が主ですので、リシケシにはわずか二日間位滞在するだけでした。
そんなときにヨーガ指導者のために、リシケシ(首都デリーから車で八時
間位)に一週間滞在するツアーがあったのです。
わたしは即申し込み、「今度こそ本当の瞑想状態を経験したい」と、勢い込
んでそのツアーに早速参加しましたが、それは四回目のインドへの旅でした。
☆シバナンダ・アシュラムに通って
リシケシではシバナンダ・アシュラム(ビートルズが修行した有名な道場)に
一週間滞在してヨーガを修行する予定でした。ところがそこに着いたときには
寒い雨の中で四時間も待たされた挙句に、結局そこに宿泊することができずに
近くの粗末なホテルから、毎日早朝通うことになりました。
シバナンダ・アシュラムはとても荘厳な雰囲気のアシュラムでしたが、でも
そのアシュラムのすべての修行に参加しても、そこに宿泊できないためか、求
めていた瞑想状態を体験できずに、そのまま一週間が過ぎました。
わたしはとてもあせりました。そして「折角リシケシまで来たのに、何も得
ずにこのまま帰るのは忍びない」と感じ、仲良くなった仲間の若い女性二人に
自分の気持ちを打ち明けたのです。
すると彼女達もわたしと同じ思いだったようで三人で相談し、ツアーリーダーの
了解を得て後一週間残っている観光をすべてキャンセルし、リシケシに留まる事に
決め、帰りにはデリーの空港で合流することにしました。
リシケシに着いて初めて三人でお茶をしたときに、知り合った日本人
女性の紹介で、ヨーガニケタン・アシュラムに滞在を決めました。
能里子