おはようございます。
梅雨空ですね。
先週、千代田区を外勤しておりましたが、アポが3時間の時間が空いたので国会図書館で風俗奇譚を閲覧してまいりました。
その中に怜子さんの女装外出の体験記が掲載されていましたので、こちらにアップしますね。
★初めての女装体験
私は、自分なりに美しい女性 になったつもりで、今まで我流で女装を続けてきたものです。
富貴クラブに入会後、先日 はじめて会員の家で女装させていただきましたが、オリエお姉様に、一々手をとって教えていただき、お化粧というものがどういうものかとやっとわかったような気がいたします。
お姉様のお指導はごく自然に その人その人の柄に合わせて けっしてムリがありませんので化粧したあとの顔がとても生き生きとした感じでございます。
なるほど女の顔になるのには こうするものかと、いちいち感心するばかりでした。
そのあとで、私の女姿を記念に奈美お姉様がいろいろボーズをつけてアングルを変えては写真をとってくださいました。
申し遅れましたが、女装してほかの点はともかく、私としては自信のあるのは、脚でございます。
そのためかハイヒールをはいて外を歩いてみたいとは長年の願望でしたが、なんという運の良さでしょう。
たまたま居合わせた男性会員のかたに「あなたなら、だいじょうぶ。外を散歩なさったら私がボデ ーガードをつとめてあげます」 と誘われたときのうれしさ。 おわかりになりますか。
晴れて女として男性のリードでコツコ ツとハイヒールの音をたてなが ら、暗い町を歩く心持ち、それこそ霊の上をフワフワと歩くようなどこをどう歩いていくのやら土地不案内の悲しさ、ただ男性会員のKさんの腕にすがっ て行くばかりです。
やがてタクシーを止めたKさんが、私をうながして乗り込むと神宮外苑へと命じ堅く私を抱いて、運転手にアベックのように見せてくれるのです。
神宮の森に行って舞いたことには、至るところ歩いている人影はほとんどといっていいくらいアベックばかりです。ずれ も肩を組み、手をつないで、仲むつまじいところもみせつけております。
私も、Kさんに思わずひしと寄りそって、うす寒いくらがりをそぞろ歩きます。
電灯の光を恐れるように暗い木かげでは電灯の光を恐れ あちらこちらで抱き合っているのや、熱いキスをかわしているのやら、私も思わず興奮してK さんにしっかりと抱きついて、心から女になったような気持ちで熱いくちづけをします。
生まれて始めてのことです。
この時ばかりは、ほんとうに女の気持ちで、Kさんのなすがまま、うっとりとして時間のたつのも忘れる思いでした。
つきぬ思いを森に残しながら 帰路につきましたが、会員の家では皆さんがまだ数人おそろいでいて、「お楽しみでしたこと」とひやかされて、顔から火の出るような思いでした。
それにしても、会員の皆様、ありがとうございました。
はじめての私に、こんなにも女の気分を皆さんで味わわせていただ いて。 《千築,怜子》
風俗奇譚1968年3月号「女装愛好の部屋」から
~晴れて女として男性のリードでコツコ ツとハイヒールの音をたてなが ら、暗い町を歩く心持ち、それこそ霊の上をフワフワと歩くような~
これこそ、女装外出の醍醐味であり、快感ですよね。
それにしても56年前に怜子さんが女として抱かれてキスされた神宮の森、知事が続投しますから伐採されちゃうんでしょうか?
都市には緑と暗闇が必要だと思うのですが...。
梅雨空ですね。
先週、千代田区を外勤しておりましたが、アポが3時間の時間が空いたので国会図書館で風俗奇譚を閲覧してまいりました。
その中に怜子さんの女装外出の体験記が掲載されていましたので、こちらにアップしますね。
★初めての女装体験
私は、自分なりに美しい女性 になったつもりで、今まで我流で女装を続けてきたものです。
富貴クラブに入会後、先日 はじめて会員の家で女装させていただきましたが、オリエお姉様に、一々手をとって教えていただき、お化粧というものがどういうものかとやっとわかったような気がいたします。
お姉様のお指導はごく自然に その人その人の柄に合わせて けっしてムリがありませんので化粧したあとの顔がとても生き生きとした感じでございます。
なるほど女の顔になるのには こうするものかと、いちいち感心するばかりでした。
そのあとで、私の女姿を記念に奈美お姉様がいろいろボーズをつけてアングルを変えては写真をとってくださいました。
申し遅れましたが、女装してほかの点はともかく、私としては自信のあるのは、脚でございます。
そのためかハイヒールをはいて外を歩いてみたいとは長年の願望でしたが、なんという運の良さでしょう。
たまたま居合わせた男性会員のかたに「あなたなら、だいじょうぶ。外を散歩なさったら私がボデ ーガードをつとめてあげます」 と誘われたときのうれしさ。 おわかりになりますか。
晴れて女として男性のリードでコツコ ツとハイヒールの音をたてなが ら、暗い町を歩く心持ち、それこそ霊の上をフワフワと歩くようなどこをどう歩いていくのやら土地不案内の悲しさ、ただ男性会員のKさんの腕にすがっ て行くばかりです。
やがてタクシーを止めたKさんが、私をうながして乗り込むと神宮外苑へと命じ堅く私を抱いて、運転手にアベックのように見せてくれるのです。
神宮の森に行って舞いたことには、至るところ歩いている人影はほとんどといっていいくらいアベックばかりです。ずれ も肩を組み、手をつないで、仲むつまじいところもみせつけております。
私も、Kさんに思わずひしと寄りそって、うす寒いくらがりをそぞろ歩きます。
電灯の光を恐れるように暗い木かげでは電灯の光を恐れ あちらこちらで抱き合っているのや、熱いキスをかわしているのやら、私も思わず興奮してK さんにしっかりと抱きついて、心から女になったような気持ちで熱いくちづけをします。
生まれて始めてのことです。
この時ばかりは、ほんとうに女の気持ちで、Kさんのなすがまま、うっとりとして時間のたつのも忘れる思いでした。
つきぬ思いを森に残しながら 帰路につきましたが、会員の家では皆さんがまだ数人おそろいでいて、「お楽しみでしたこと」とひやかされて、顔から火の出るような思いでした。
それにしても、会員の皆様、ありがとうございました。
はじめての私に、こんなにも女の気分を皆さんで味わわせていただ いて。 《千築,怜子》
風俗奇譚1968年3月号「女装愛好の部屋」から
~晴れて女として男性のリードでコツコ ツとハイヒールの音をたてなが ら、暗い町を歩く心持ち、それこそ霊の上をフワフワと歩くような~
これこそ、女装外出の醍醐味であり、快感ですよね。
それにしても56年前に怜子さんが女として抱かれてキスされた神宮の森、知事が続投しますから伐採されちゃうんでしょうか?
都市には緑と暗闇が必要だと思うのですが...。
ここに描かれているのは、富貴倶楽部が、高田馬場にあったころろで、奈美さんという方は、石渡奈美さんでしょうか。
投稿された、玲子さんという方は、存じません。
初めての外出で、キスまでされてしまうなんて、とても感激されたのでしょうね。
コメント、ありがとうございます。
富貴倶楽部は高田馬場にもあったのですね。私はてっきり新宿周辺ばかりだと思っておりました。教えていただき、感謝です。