ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

高齢者人口25%

2014-04-15 | ほとほと日記
今日は仕事はおやすみでした。

いつものように午前中に買い物をしてからスポーツクラブで走りました。
午後からは新宿に映画を観に行こうと思っていました。
でも、家に帰ると、予約しておいた『陽だまりの彼女』という映画のDVDが、宅配ボックスに届いていました。
去年の作品ですが、映画館で観てとても感銘を受けたので購入したのです。
そこで午後はこの作品を見て過ごしました。
改めて、とても優しい気持ちになれる良い映画だなあ…と思いました。

映画を観てからひと息ついて、ネットニュースを見ると「日本の65歳人口が25%を超えた」とありました。
私がソーシャルワーカーの資格を取るべく学校に通ったのは、今から21年前の1993年です。
そのときに「65歳人口が総人口の7%を超すと高齢化社会、14%を超すと高齢社会と呼ぶ」ということを教わりました。
もちろんすでに、日本社会がいかに急速に「前例のない」少子高齢社会に向かっているかの指摘がされていました。
それから21年たち、14%を遥かに上回る「高齢者人口25%社会」になったことに、ある感慨を禁じえませんでした。

1972年から1974年に生まれた世代は人口が200万人を超えていて、なおかつ彼らの母親が団塊世代が多いことから「団塊ジュニア」と呼ばれます。
日本の為政者たちも担当官庁のお役人さんも、この団塊ジュニアの女性たちにある種の「期待」を掛けていました。
多少の晩婚傾向が出たとしても、結婚して子供を産んでくれて、「団塊ジュニアジュニア」を形成してくれるのでは…、と。
でも、結局その山はできないまま、最後の団塊ジュニア年代(1974年生まれ)も今年40歳を迎えます。
これはとても象徴的なことのように思います。

日本は今や人類史上空前の社会に突入していることは間違いありません。
でも、それは日本だけのことでもありません。
韓国や台湾の出生率は日本より低いですし、西欧ではスペインやイタリアの出生率低下も深刻です。
フランスのように事実婚を法的に認めたり、北欧の国々のように20歳までは学費も医療費もほとんど掛からない社会にする…というドラスティックな制度改革をすれば、日本でも出生率が回復するのかもしれません。
でも、日本で55年近く生きてきて、合意形成を何より重んじる私たちには、そこまでの根源的な改革は無理だろう…と感じています。

私はこの前代未聞の社会を、老親を看取り、その後自身も老い、なおかつ直接高齢者に関わる仕事をしながら生きていくことになります。

それは私にとって「お恵み」かも知れない…という気持ちもあるのですが。